
年々、自分が温泉宿に求めるものが変わってきているのを感じます。
ときには「せっかくの旅行だし」と背伸びしてお高めの宿を選んだりしたこともあったけど、根が貧乏性なので一定の金額を超えると「このサービスは価格に見合っているか……」といちいち「姑チェック」的な心境になってしまい、心から楽しめなかったりするのです(身の丈に合わないってやつです)。
そんな中、去年読んで一番癒やされたのが、遠浅よるべ先生の「ゆげたつらん」でした。
夜はナンバーワンホスト、昼はトップ営業マンとして若くして成功を収めた主人公・宇大(うだい)。
高級宿を泊まり歩く贅沢な日々を送りながらも、どこか心が満たされない。そんなある日、ふと訪れたひなびた温泉の良さに打たれ、これまでの人生観が一変します。
仕事を辞め、全国各地の秘湯を旅するようになった彼が道標にするのは、「癒しん坊」というハンドルネームの謎の地図アプリ・レビュアー。
民俗学に精通し知識豊富で浮世離れしているのに、ネットのゴシップ記事には一喜一憂するという、なんともチャーミングなキャラクターです。 ひょんなことから宇大はこの「癒しん坊」氏に弟子入りし、二人で秘湯を巡るバディもののような旅が始まります。
今回再現するのは、秋田県の黒湯温泉にある自炊棟での一コマ。 温泉好きなら一度は憧れる、あの独特な「自炊部」のシチュエーションで、宇大がパパっと作った一品です。

※【コマ引用】「ゆげたつらん」(遠浅よるべ/KADOKAWA)1巻より
土産物コーナーで見つけた市販のきりたんぽとチーズに、他の宿泊客からお裾分けしてもらったベーコンを合わせた、旅先ならではの「有り合わせ」の妙。 自炊部へのあこがれがギュッと詰まったようなこの料理、さっそく作ってみます。

材料:
・きりたんぽ
・ベーコン
・プロセスチーズ

きりたんぽは色んな市販品がありますが、作中のコマに描かれたものと近しいやつを選んでみました。

最初に茹でるかレンジで柔らかくせよ、と説明書にあったのでそのとおりにしてみます。

プロセスチーズを縦に4等分し、両端を切り落としたきりたんぽの穴に詰める。

こんな感じ。

ベーコンをくるくると巻き、フライパンで表面をこんがり焼く。
味付けはベーコンの塩気があるので、そのままでも十分そうです。

いぶりがっこと日本酒を添えて。
(作中では名物の「黒卵」も並んでいましたが、入手できず)


食べた感想:
モチっとしたきりたんぽの中から、とろりと溶け出すチーズ。 そこにベーコンの脂と旨味が合わさって……美味しくないわけがないやつです。きりたんぽは鍋や味噌で焼いて食べることはあっても、洋風の食材と合わせる発想はなかったので新鮮でした。
ひなびた温泉宿の自炊棟で、見知らぬ誰かと食材を分け合って生まれる料理。そんな温かい空気感まで味わえるような一品でした。
「ゆげたつらん」、2人のキャラと空気感が良くて、温泉好きはもちろん日常に少し疲れて癒やされたい方にもおすすめの作品です。
(全3巻、もっと読みたかったよ〜!)
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