
あけましておめでとうございます。
ひとつ前のお知らせ記事でも書きましたが、1/10付けの東京新聞「TOKYO発」のコーナーで、マンガ飯の趣味について紹介いただきました。
取材にあわせ記者さんから「何か再現できますか」とリクエストがあり、せっかくなので是非作らせていただければ…!とお伝えしたのが、東京新聞さんで連載中の柘植文先生のマンガ「喫茶アネモネ」1巻に登場する、おせちの残りパフェ。
※東京新聞の試し読みコーナーでも、該当のエピソードが読めます
柘植文先生のマンガ、昔から大好きなのであります。
竹書房の4コマ誌で連載されていた体験レポートマンガをきっかけに出会い、ドラマ化もされた「野田ともうします。」はもちろんのこと、「僕とおませちゃん」も最高だし、中年世代として「中年女子画報」も毎巻楽しみにしております。
「喫茶アネモネ」は、とある町の古い喫茶店を舞台にしたコメディー。
高齢のマスターとバイトの看板娘よっちゃん、個性豊かな常連客たちの、じわじわと笑えるやりとりが描かれます。
「おせちの残りパフェ」は、毎年お正月明けの期間に1日1食限定で供される、喫茶アネモネの「幻のメニュー」。くじ引きで当たった客だけが食べられるそうです。
そのビジュアルはこちら。

※【コマ引用】「喫茶アネモネ」(柘植文/東京新聞出版局)1巻より
一般的なパフェグラスに栗きんとんに黒豆、だて巻きなどおせち料理の定番が盛られ、生クリームやアイスといったパフェの基本要素、そこにポン菓子に黒みつという和の素材も加わり、とどめにワンポイントとして田作りまで。
「なんだ、普通に美味しそう」と思われてしまうかもしれませんが、ギャグマンガの宿命として、こういう料理に「オチ」はなくてはならないものでして……。
実はパフェグラスの最下部に入っているのは、なます。
登場人物たちの
「一番下のなますのとこは気合い入れて食べろよ」
「そこ以外は最高なんだからー」
というセリフがまた、じわじわときます。
おせちの品々は、少量しか使わないので既製品を使っても良さそうですが、せっかくなので出来る範囲で手作りしてみましょう(マスターはおせち手作りしてそうですしね)。
まずは田作りから。

田作り用のごまめ(カタクチイワシ)をフライパンで空炒りし、一度引き上げます。

フライパンにみりん、砂糖、醤油、水少々を混ぜたものを煮立たせ、とろっとしてきたら空炒りしたごまめを戻入れ、さっと絡めたら、くっつかないようにオーブンシートに広げて冷ましておく。
次に栗きんとん。

皮をむいてひと口大に切り、水にさらしたさつまいもを、水、栗の甘露煮のシロップ、くちなしの実と一緒に柔らかくなるまで茹でます。

柔らかくなったさつまいもをざるにあけ、鍋に戻して中弱火で練り上げます(水分を飛ばしすぎないおように)。仕上げに栗の甘露煮の実をトッピングしたら完成。
だて巻き。

フードプロセッサーにはんぺん、生卵、砂糖、みりん、塩を入れてなめらかになるまで攪拌し、その後漉し器にかけます。

卵焼き器に油をぬり、熱したらいちど濡れふきんの上で冷まし、だて巻きの液を流し入れます。コンロに戻し、アルミホイルなどでフタをして弱火でじっくり焼きます。裏返して反対側も焼き、まきすの上へ。

端からきつく巻き、輪ゴムで留めて粗熱がとれるまで冷まします。
冷めたらまきすから外し、ラップで包んで冷蔵庫へ。

切り分けるとこんな感じに。一般的なサイズの卵焼き器だと、結構かわいらしいサイズに仕上がるのね。
あとは紅白なますと黒豆……ですが、一般的な作り方なのではしょります。
(黒豆はホットクックで作ったら、材料の分量間違えてやや失敗気味)。

必要な材料を並べたらこんな感じ。
(自宅で撮り忘れたので、取材時に撮影させてもらったもので代用)
これだけ見ると、おせちをお重に詰める前の光景に見えますが、実際に詰めていくのはパフェグラスです。パフェは一発勝負なので緊張が走ります。
パフェグラスの底から
①なます
②ポン菓子
③黒みつ(ひと回し)
④バニラアイス(土台用)
⑤黒豆、栗きんとん、バニラアイス(隣合わせに盛りつける)
⑥ホイップクリーム(&上から黒みつ)
⑦だて巻き
⑧田作り(だて巻きにぶっ刺す)
という順序で感じで仕上げていきます。
これらを組み立てていき、完成したのがこちら。

いざ実物を目の魔にすると、「いつも平面的なおせちが立体化したらこうなるのかもしれないな」という謎の納得感があります。

田作りが、クリスマスケーキに乗ってるサンタのようなマスコット的扱いでかわいい。

食べた感想:
普通のパフェと同じく、上から食べ進めます。
それぞれのおせちの品目とパフェの相性はいかに。
・栗きんとん……当然いける!(ほぼモンブラン)
・黒豆……もちろんいける!(あんこみたいなもんだしな)
ややためらいが生じたのが
・だて巻き……………………意外といける!!
魚のすり身っぽさはほぼ感じず、ちょっと塩気のあるケーキみたいで、生クリームやアイスと普通に相性がよいです。だて巻き、お前スイーツ方面もいけたのか…と査定が上がりました。
そして田作りですが、ウェハース的なものというか、塩昆布的なものというか、甘いものを食べた舌をリセットできるアイテムとしては違和感なくいけます。
その下のポン菓子も、難なくクリア。
(パフェの緩衝材といえばコーンフレークやシリアルのイメージだったけど、ポン菓子すごく美味しい!)
そして最後に残ったパンドラの箱………いよいよ、なますの領域に入ります。
気合い入れて食べます。

日和って少量にしたのですが、それでも生クリームや溶けたアイスにまみれた紅白なますは、未知の食べ物すぎてやはりひるむ。
思い切って口に入れると、おなじみの酢の物の味と野菜の食感に、乳製品やふやけたポン菓子や黒みつが絡んで………………うむ、普通にまずい。
「一番下のなますのとこは気合い入れて食べろよ」
「そこ以外は最高なんだからー」
という作中のセリフが再度、身に染みながら頭にリフレインしました。
ただほんとに「そこ以外」は最高なので、皆様もおせちリメイクの一案としてぜひ来年のお正月明けは、パフェ化にトライしてみてはいかがでしょうか。
実査に食べてみることで、作中のキャラたちの会話に参加できたような気分になれるのが、こうしたマンガ飯の醍醐味。今年も楽しんでやっていきたいと思います。
おすすめの柘植先生作品の数々。
まずは田作りから。

田作り用のごまめ(カタクチイワシ)をフライパンで空炒りし、一度引き上げます。

フライパンにみりん、砂糖、醤油、水少々を混ぜたものを煮立たせ、とろっとしてきたら空炒りしたごまめを戻入れ、さっと絡めたら、くっつかないようにオーブンシートに広げて冷ましておく。
次に栗きんとん。

皮をむいてひと口大に切り、水にさらしたさつまいもを、水、栗の甘露煮のシロップ、くちなしの実と一緒に柔らかくなるまで茹でます。

柔らかくなったさつまいもをざるにあけ、鍋に戻して中弱火で練り上げます(水分を飛ばしすぎないおように)。仕上げに栗の甘露煮の実をトッピングしたら完成。
だて巻き。

フードプロセッサーにはんぺん、生卵、砂糖、みりん、塩を入れてなめらかになるまで攪拌し、その後漉し器にかけます。

卵焼き器に油をぬり、熱したらいちど濡れふきんの上で冷まし、だて巻きの液を流し入れます。コンロに戻し、アルミホイルなどでフタをして弱火でじっくり焼きます。裏返して反対側も焼き、まきすの上へ。

端からきつく巻き、輪ゴムで留めて粗熱がとれるまで冷まします。
冷めたらまきすから外し、ラップで包んで冷蔵庫へ。

切り分けるとこんな感じに。一般的なサイズの卵焼き器だと、結構かわいらしいサイズに仕上がるのね。
あとは紅白なますと黒豆……ですが、一般的な作り方なのではしょります。
(黒豆はホットクックで作ったら、材料の分量間違えてやや失敗気味)。

必要な材料を並べたらこんな感じ。
(自宅で撮り忘れたので、取材時に撮影させてもらったもので代用)
これだけ見ると、おせちをお重に詰める前の光景に見えますが、実際に詰めていくのはパフェグラスです。パフェは一発勝負なので緊張が走ります。
パフェグラスの底から
①なます
②ポン菓子
③黒みつ(ひと回し)
④バニラアイス(土台用)
⑤黒豆、栗きんとん、バニラアイス(隣合わせに盛りつける)
⑥ホイップクリーム(&上から黒みつ)
⑦だて巻き
⑧田作り(だて巻きにぶっ刺す)
という順序で感じで仕上げていきます。
これらを組み立てていき、完成したのがこちら。

いざ実物を目の魔にすると、「いつも平面的なおせちが立体化したらこうなるのかもしれないな」という謎の納得感があります。

田作りが、クリスマスケーキに乗ってるサンタのようなマスコット的扱いでかわいい。

食べた感想:
普通のパフェと同じく、上から食べ進めます。
それぞれのおせちの品目とパフェの相性はいかに。
・栗きんとん……当然いける!(ほぼモンブラン)
・黒豆……もちろんいける!(あんこみたいなもんだしな)
ややためらいが生じたのが
・だて巻き……………………意外といける!!
魚のすり身っぽさはほぼ感じず、ちょっと塩気のあるケーキみたいで、生クリームやアイスと普通に相性がよいです。だて巻き、お前スイーツ方面もいけたのか…と査定が上がりました。
そして田作りですが、ウェハース的なものというか、塩昆布的なものというか、甘いものを食べた舌をリセットできるアイテムとしては違和感なくいけます。
その下のポン菓子も、難なくクリア。
(パフェの緩衝材といえばコーンフレークやシリアルのイメージだったけど、ポン菓子すごく美味しい!)
そして最後に残ったパンドラの箱………いよいよ、なますの領域に入ります。
気合い入れて食べます。

日和って少量にしたのですが、それでも生クリームや溶けたアイスにまみれた紅白なますは、未知の食べ物すぎてやはりひるむ。
思い切って口に入れると、おなじみの酢の物の味と野菜の食感に、乳製品やふやけたポン菓子や黒みつが絡んで………………うむ、普通にまずい。
「一番下のなますのとこは気合い入れて食べろよ」
「そこ以外は最高なんだからー」
という作中のセリフが再度、身に染みながら頭にリフレインしました。
ただほんとに「そこ以外」は最高なので、皆様もおせちリメイクの一案としてぜひ来年のお正月明けは、パフェ化にトライしてみてはいかがでしょうか。
実査に食べてみることで、作中のキャラたちの会話に参加できたような気分になれるのが、こうしたマンガ飯の醍醐味。今年も楽しんでやっていきたいと思います。
おすすめの柘植先生作品の数々。
▽X(@pootan)はこちら

▽Instagram(@mangashokudo)はこちら

▽Threads(@mangashokudo)はこちら
https://www.threads.net/@mangashokudo
▽YouTubeはこちら

▽Instagram(@mangashokudo)はこちら

▽Threads(@mangashokudo)はこちら
https://www.threads.net/@mangashokudo
▽YouTubeはこちら
コメント
コメント一覧 (3)
まさかこれを再現していただけるとは!!!
めちゃうれしい😆
(自分ではめんどいからつくらないし)
おせちパフェ、チャレンジしてみたのですね…!
確かに上部分は抵抗無く行けそうですが、なます部分!ポン菓子はともかく、生クリームの混ざったなますは味としては想像に難いものがありますねー(汗
柘植さんの漫画、私も大好きです。
少年画報社が出してるコンビニコミックの「ひとりごはん」という漫画にもコミックエッセイ連載されてますがそれもオススメですよー!
「ひとりぶらりごはん」というタイトルで単行本化されてますが、書籍は重版されてないので今は電子書籍でしか手に入れられないです。
では、今年も更新楽しみにしてます。
……オチはネタとして使わず、代わりに小皿に二口分ぐらいもっておきました。
普通にアイスクリームとの相性悪くないと思いながら食べ終え熱い煎茶で口を漱いだ後。
あ、まだ食べてないやとなますを思い出して取り合えず食べました。
……うん、普通になますでしたし、この場合だと普通のパフェよりも甘ったるいおせちパフェを食した後なのでなますの酸っぱさとサクサクとした歯触りがお口直しに実によい!
黒蜜やらアイスの溶けたのやらふやけたポン菓子がまとわりついたなますは、そりゃ何ともミスマッチな味わいなのは「オチ」として当然かもしれません。
しかし、分離しておせちパフェを食べ終えた後の口直しとして口に入れた場合、むしろ清涼感すら感じるお口のリセット役になってしまいました。
こっちは正しい意味合いでの「オチ」になった感じがしましたね。