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7つの国に囲まれた「マロニエ王国」の女将軍・バルバラには、騎士である7人の息子がいる。

「眠くない」「暑がりや」など独特の名前を持つ彼らが母から与えられた大義は、「いつかかっこよくお姫様を助ける事」。

建国2000年を機に、友好関係を強調するためにそれぞれが周辺の国に赴く外交任務を命じられるが、行く先々で過去の因縁と結びついた事件に巻き込まれ……。



2018年の「このマンガがすごい!」オンナ編1位にもなった人気作です。

本作の魅力のひとつは、「金の国 水の国」でも発揮された、架空の国を舞台にしたファンタジーの世界観の作りこみ。

マロニエ王国を囲む7つの周辺国は「夜の長い国」「生き物の国」など特色のある名前がつけられていますが、それぞれ服装や街並み、習慣などにも固有の設定があります。

もちろん、食べ物のシーンも同様。

北欧を思わせる「夜の長い国」のお茶菓子、中南米風の「生き物の国」のトウモロコシ料理など、描かれる食べ物からもその国の文化が垣間見えて、まるで世界各地を旅行したような気分になるのも楽しい。

そして今回ご紹介するのは、5巻から始まる、その名もずばり「食べ物が豊富な国」が舞台となるエピソードです。

食料に恵まれ大陸の食糧庫ともいわれる「食べ物が豊富な国」との外交を担当することになったのは、末っ子の「ハラペコ」。

イケメン揃いの7人兄弟のなかで最も「かわいい系」のハラペコは、ロングヘアに大きな目、きゃしゃな体格はまるで美少女のようで、性格も末っ子らしくマイペース。

そんな彼が頭が上がらず、大好きでたまらないのが、料理長の娘のコレット。容姿は地味で性格もぶっきらぼうですが、料理の腕は超一流。

コレットの料理への情熱、さらにハラペコのコレット愛がよくわかるのが、いちじくパイのシーンです。

マロニエ王国に行商にやってきた「食べ物が豊富な国」の珍しい食材を、こづかいをはたいて買いまくるコレット。

暑がりやとハラペコに試食させたのが、イチジクのパイ。ここにさらにチーズとハチミツをトッピングして……。

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※【コマ引用】「マロニエ王国の七人の騎士」(岩本ナオ/小学館)5巻より


食べる前から「絶対おいしいに決まってる」と悶絶するハラペコですが、ひと口食べた後も
コレットの作るものは今日も世界で一番おいしいです…
と地面に突っ伏して完全降伏状態。
(普段はぶりっこなハラペコが、先に食べた「暑がりや」にドス声を効かせるシーンもめっちゃ好きですw)

岩本先生作品の魅力といえば、少女漫画好き以外にも刺さるフラットでおとぼけな空気感、その一方で不意打ちのようにストレートに繰り出される、少女漫画ど真ん中の胸キュンシーンの混在ではないでしょうか(2巻で「眠くない」とエリーの思いが通じたシーンは、キュンキュンすぎて心臓が止まるかと思ったぜ…)。

ハラペコ編でも、なぜこれほど彼にとってコレットが大事な存在になったのかは、巻が進むにつれ徐々に明らかになっていきます。

わがまま末っ子のハラペコも絶対服従してしまうコレットの絶品パイ、自分の腕でできるのか微妙ですが、想像でおそるおそる再現してみました。


「パイ」というと練りパイと折りパイがありますが、今回は練りパイでいってみることに。

海外のレシピをいくつか参考にしたのですが、「Fig galette」で検索すると、作中のビジュアルのイメージに近そうなパイがたくさん出てきます。

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材料:(分量は参考まで)
・いちじく 5個
・中力粉(薄力粉と強力粉を同量あわせてもOK) 200g
・バター(細かく切ってよく冷やしておく)  140g
・塩 小さじ1/2
・グラニュー糖 大さじ1
・水 40~50cc
・アーモンドプードル 適量
・ブリ―チーズ(カマンベールでもよいかも) 適量
・はちみつ 適量

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ボウルに中力粉とグラニュー糖、塩を混ぜておく。
細かい角切りにし、冷やしておいたバターを加え、スケッパーなどで切るように混ぜます。バターが溶けないように注意しながら、中力粉と全体が混ざるように手を使ってすりつぶしながら、手早く混ぜます。

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よく冷やした水(40~50cc)を少しずつ加え、生地をまとめます。
まとまったらラップに包んで、冷蔵庫で2時間ほど寝かせます。

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寝かせた生地を打ち粉をした台の上で、めん棒を使って少しずつ伸ばし、30cm程度の円形に仕上げます(きれいな円じゃなくて大丈夫)。生地は冷えて結構硬いので、伸ばすときに力が必要かも。

中央にアーモンドプードルを振り入れ、生地の端以外の全体に広げます。
これはいちじくの水分で生地がべちゃっとならないようにするためのもの。

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皮つきのまま薄くスライスしたいちじくを並べていきます。
見栄えのいいやつは中央に、あまり良くないものは外側に使いましょう。

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生地の端を折りたたんで、円形に仕上げます。

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生地の耳の部分に溶き卵を塗り、グラニュー糖を振っておきます。

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180度に予熱したオーブンで35~40分。

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焼きあがったら、粗熱をとっておきます。

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久々にフェイク芝生を引っ張り出しました(食卓コスプレ写真楽しい)。

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ここに切り分けたブリ―チーズをのせて…
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はちみつをたっぷり。
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食べた感想:
サクサクの生地に、オーブンでじっくり加熱されたいちじくはとろけるようで、天然のジャムのよう。ブリ―チーズの塩気とあいまって、ワインのつまみにもなりそうな、大人のスイーツ。

お菓子作り不慣れな自分が、コレット大先生のような絶品パイを作れるものか…と不安でしたが、プロ級はさすがに無理でも、パイ生地+いちじく+チーズ+はちみつは、そもそも誰がどう作っても一定美味しくなってしまう組み合わせなので、臆せずともよいのかもしれない(ポジティブ思考)。

今回はフィリングなしにしたけど、クリームチーズを薄く塗っても美味しいかもしれない。トッピングするチーズはカマンベールやブルーチーズなど、お好みのものでアレンジしてもよさそうです。

***
最新刊では4か国目となる「好色の国」に舞台がうつり、いよいよ折り返し地点に。

7人の騎士たちの任務に隠された目的など、ストーリーの全貌は巻が進むにつれて徐々に解き明かされていきます。なので新刊が出るたびに、過去の巻を読み直しては「あの時のセリフやシーンにはこんな意味があったのか」と気づいたり、あらたな謎が気になったり……と、読み手をいつまでも飽きさせない作品です。
(アクションシーンも多いので、いつかアニメでも見たいな…!)





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