
バタバタしている間にすっかり夏になってしまいました…。作りだめしている料理&記事を更新してゆかねば(この再現料理も、もうちょっと涼しいころに公開したかったなと思いつつ)。
5月に最終巻が出た「クジマ歌えば家ほろろ」。
もっともっと読みたかった…とファンとしては名残惜しいですが、たった半年という期間のなかで、クジマと新(あらた)がはぐくんだ友情、そして別れの切なさは、5巻という巻数だからこそ表現できるのかもしれません。そしてアニメ化も決定したらしい。ハラショー!
前回、ボルシチになる予定だったカレーを再現しましたが、今回は4巻に登場する「ピローク」に挑戦してみました。
新の家に謎の生物・クジマが居候していることを知らないクラスメイト。
ある日、新が「今日の晩ご飯ピロギ!!」と口走ったことに、引っ掛かりを覚えます。
「ピロギ」とはなんなのか。
疑念を抱いたクラスメイトは新の家に向かいますが、そこでクジマとばったり遭遇。
これを機会に友人たちとクジマに仲良くなってほしい新ですが、謎の生物と急に交流しろと言われても困惑するしかない状況に。
そんなとき、両者が打ち解けるきっかけとなったのが、「ピローク」です。
※【コマ引用】「クジマ歌えば家ほろろ」(紺野アキラ/小学館)4巻より
ピロークとは、肉や野菜を生地に詰めて焼いたロシア料理。
日本でもおなじみの「ピロシキ」は「小さなピローク」という意味らしく、大きさや複数形or単数形によって名称が変わるよう(作中のクジマのロシア語講座が学びになります)。
新は「ピロギ」と口走っていましたが、これは「ピローク」の複数形となる言葉らしい。
ピロギ(大・複数)、ピローク(大・単数)、ピロシキ(小・複数)、ピロジョーク(小・単数)。
ドラクエの呪文変化形っぽいな…と思ったら、エピソードのオチにそれっぽいシーンもあって満足です。
ピロークとピロシキは実質同じ……といっても、日本のピロシキは「カレーパンのカレーじゃない版(春雨も入ってる)」みたいなイメージがあり、本場とも違うというのがややこしさを加速させています。
とりあえず、海外サイトのピロークのレシピを色々参考にしながら再現してみました。
※主に参考にしたのはこちらのレシピ
ピロークの生地はイーストを使って発酵させるものが多いようですが、今回は↑の参考サイトのようにベーキングパウダーを使ったものにしてみました。

材料:(分量は参考まで)
・牛ひき肉(500g)
・じゃがいも 2個
・パプリカ 1/2個
・にんじん 1/2本
・玉ねぎ 1個
・マッシュルーム 1パック
・にんにく 1かけ
<ピロークの生地>
・小麦粉 250g
・バター 100g
・ベーキングパウダー 小さじ2
・熱湯 1/4カップ
・塩 小さじ1/2
・卵 1個

ピロークの具材は細かく切っておく。

フライパンに油を入れて熱し、にんにくを入れて香りが立ったら、玉ねぎ、にんじん、マッシュルーム、パプリカを加えてしんなりするまで炒めて塩コショウし、冷ましておく。

ボウルに牛ひき肉を入れてこね、じゃがいも、冷めた具材、塩コショウ・ナツメグを加えて混ぜ合わせる。
ここからは生地づくり。

小麦粉、塩、ベーキングパウダーをボウルで混ぜ合わせる。

溶かしバターと熱湯を加えて混ぜる。

さらに溶き卵を少しずつ加え、混ぜる。

打ち粉をした台で、ひとまとまりになるようこねる。
この生地を2/3分(角皿に敷く)と1/3分(上ぶた)に切り分ける。

切り分けた生地を、それぞれめん棒で伸ばす。

生地の2/3を角皿に敷き詰める。
(底が薄くなりすぎないよう注意)

敷き詰めた生地の上から、肉だねを詰めます。
ゆで卵を入れる場合もあるようなので、食べごたえ出そうだし入れてみた。

残り1/3の生地でフタをし、フォークで空気穴をいくつか開けて、艶出しに卵液を塗ります。

180度に予熱したオーブンで50分程度。

焼きあがりました!
生地がバターたっぷりなので、いい匂いです。

包丁を入れて切り分けます。

こういう大きい角皿で作るオーブン料理って、ハレの日感があるのでテンション上がりますね。
新が夕飯を楽しみにしていたのもわかる気がする。

卵の断面がきれいに出てうれしい。

切り分けると、底に肉汁スープがたっぷり。
しかしこのまま放置しておくと、生地がべしゃべしゃになっちゃうと思うのだけど、ピローク文化圏のみなさん、どうしてるの…? それとも本来はこんなに肉汁は出ないものなのでしょうか…わからぬ。

食べた感想:
バターたっぷりのサクサクの生地に、具材ぎっしりのフィリング。一切れで食べごたえ十分です。赤ワインにもぴったりで、新のお父さん・お母さんの晩酌にもよさそう。
想像の再現でしかありませんが、実際に作ってみると、このクジマの故郷の料理を楽しそうに囲む食卓が目に浮かぶようでした。日本食が食べたくてやってきたクジマですが、日本でできた家族には、ふるさとの思い出の味を食べてほしいものですよね。
今回の生地はタルトっぽいものになったけど、イーストで発酵させた場合はもう少しパンっぽい厚みのある食感になりそうで、また試してみたいな。
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コメント
コメント一覧 (4)
1:トニオさん風に「賞味期限数分」だから生地がふやける前にみんなで取り分けて胃袋に収める
2:ひき肉を事前に炒めて肉汁を減らす
2は味が美味いかが問題ですが、レシピ的に1ですかねぇ
まーむさん
おおお、対策までありがとうございます!
ピロークの作り方もいろんな方法があるので、2の方法もありかもしれませんね…!
オーブン料理はテンション上がるの分かります♪
知ったかぶりと云うか推論なのですが、肉汁(グレイビー)って、付け合せにからめて食べるんじゃないでしょうか?昔読んだエッセイで ソ連とか東欧では茹で肉や焼き肉がドカンと出て、付け合せがひたすらグリンピースとじゃがいもでウンザリしたみたいな記述がありました。その食べ方が茹でてあるのを自分でツブして(マッシュして)肉をからめて食べるとかだった気が
新粉さん
おおお、なるほどー!
肉汁は付け合わせのためにある、というのは目からウロコです…!
肉と大量のつけあわせ、というシンプルなメニューもその食べ方を知るとすごく美味しそうに思えます^^