毎年「今年こそリアルタイムにちゃんと更新するぞ」と思いつつ、毎年全然できてないまとめです。ちょくちょく追記していきます。

(12/28 追記)結局今年もリアルタイムに更新できませんでした(廊下に立ちながら反省)


「しょうもないのうりょく」はオフィスが舞台でしたが、今回はスーパーが舞台。前作と同じく、各キャラの(多くはどうでもいい)異能っぷりも楽しいけれど、スーパーの舞台裏を描くお仕事漫画としても面白いです。あと高野先生のメガネ男子はやっぱり最高!!



学生時代に映像サークルに属し、現在はお笑い、動画配信、テレビ業界などで活躍するクリエイターたちが主人公の群像劇。過去の因縁を軸にしながらエンタメ業界の裏側が描き出される展開は、1巻だけでどっぷり引き込まれる読み応え。



虐待家庭に育ったポールダンサーのしえると、OLのトッキー。正反対の家庭に育ったふたりは、ひょんなことから再会しルームメイトになる。お互いを思いやりつつ、わかりあえない「他者」として尊重し合う関係がとてもいい。巻末に「その女、ジルバ」の後日譚も収録されてます!


同じ会社に勤める女子3人のガールズトーク4コマ。「モンキー・パトロール」みたいな赤裸々女子トークが好きな方におすすめ。巻を重ねるにつれて、徐々に3人の境遇が変化して行くのも見どころ。


連載半年で大ヒット、ネットを震撼させた狂い喰い女子漫画。成人病予備軍の家人に教訓として読ませたものの、栄養管理アプリの奴隷と化すもちづきさんのエピソードは完全に私でダメージを食らいました…。



絶滅に瀕し、人間のもとで保護・管理される生物「蝶人」。決められた「つがい」と夫婦になり、繁殖することが求められる生活のなか、ある事件が起こり……。ヤンジャン連載で今楽しみにしている作品のひとつ。素朴でかわいらしい絵柄と、ハードなストーリーのギャップが魅力です。



それぞれ境遇が違いながら、子育てに奮闘する3人のシングルファーザーを描く。海外マンガっぽい雰囲気と、個性豊かなダディたちが魅力。もっと読みたかったけど、1巻で完結なのかな?


ラブ・バレット 1 (MFC)
inee
KADOKAWA
2024-07-22

【ご恵投いただきました】
日常にひそむ恋を成就させるキューピッドたちの活躍を、スタイリッシュなアクションで描く。キューピッドを主人公にした設定の作品は過去にもあるけれど、同性同士の恋愛がごく普通に描かれている点が新しいです。絵もポップでかわいい! 加山竜司さんの記事で紹介された、inee先生のインタビューも必見。


南Q太傑作短編集 ぼくの友だち (SHURO)
南Q太
マガジンハウス
2024-08-02

「ボール・アンド・チェイン」も良かったけれど、こちらも最高でした。恋人でも家族でもない、さまざまな関係の「友だち」を描いた短編集。「友だち」ってすごく多種多様で、ニュートラルな人間関係のことなんだなあ、と気付かされる。


箱庭綺談 1(パイコミックス) (PIE COMICS)
雪路凹子
パイ インターナショナル
2024-02-22

【ご恵投いただきました】
表紙やタイトル、冒頭の設定から、これは正統派のTHE・お耽美学園モノ…!とお耽美に耽溺する心構えで読み始めたら、予想外の角度からやってくるボケと笑いの数々に心奪われました。なんだこれ、ハマる(もちろんちゃんとお耽美もあります)。



北京のエリート大学で青春を送る若者たちの姿を描く。日本よりも苛烈と言われる中国の学歴社会の閉塞感、そこでもがく学生たちの姿がリアルに伝わってきます。絵柄や雰囲気など、昔ながらのアフタヌーン感もよき。


かわいすぎる人よ! 1 (HARTA COMIX)
綿野 マイコ
KADOKAWA
2023-05-15

母親を亡くした中学生のメイは、誰もが振り向く美人な叔父さんと一緒に暮らしている。タイトル通り、メイちゃんが性格も仕草もほんとに可愛くて、おじさんと一緒に萌えてしまう。



「重版出来!」の松田先生待望の新作。独身のイケメン大学教授・門馬は、16歳の時に関係を持った年上の女医・怜に囚われ続けている。彼を中心に門馬に惹かれる令嬢の清香、怜の娘・雛など、登場人物がどう絡んでいくのか今後楽しみ。



クラスで恐れられる癇癪持ちの信楽くん。彼が生み出す「作品」のファンになってしまった秀才の清水くんは、家庭環境も性格も違う信楽くんを理解しようと近づくが…。とにかく絵と独特のセリフまわしがよき!!です



8月31日を永遠に繰り返すタイムリープに陥ってしまった鈴木と高木。ラブコメは「くっつきそうでくっつかない」グレーな状態が一番読者として楽しいと思うのですが、その状態がずっとエンドレスにループするなんて、最高の一言。



突然同棲中の彼女に去られた、古着オタクの椹木。昔の女たちを通じ、自分自身を振り返っていくが……。自分がまったく知識のないファッション界隈のカルチャーも興味深いけど、なにより主人公がこれまで漫画であまり描かれてこなかったタイプ(「BRUTUS」のおしゃれ業界人枠に出てそうというか)で面白い。



こだわりのカフェにするつもりで引き継いだ親戚の喫茶店。しかしそこは、ヘビースモーカーの常連が集う昭和の生き残りのような場所で……。渋谷直角先生なので、いつ病みサブカル的な展開になるのかハラハラしながら読み進めてしまいましたが、ビッグコミックという掲載誌のせいか、今のところおじさんたちの平和なコミュニティが継続していてほっとしています。


恋とか夢とかてんてんてん 1. (SHURO)
世良田波波
マガジンハウス
2024-02-29

社員食堂でバイトする主人公は、イケメンの会社員に一目ぼれ。ある日、彼のSNSを「特定」してしまい、転勤先の大阪まで追いかけてしまう。「もてない男子」が主人公の漫画はたくさんあるけど、一切美化されない「もてない女子」が描かれる漫画は貴重かもしれない。


住みにごり(1) (ビッグコミックス)
たかたけし
小学館
2022-04-28

ひきこもりのまま中年になってしまった兄、要介護の母、乱暴者の父。「家族」という温かな響きをあざ笑うような設定とストーリー。圧倒的な不穏さから目を背けられないまま、一気読みしてしまう。


ボールアンドチェイン 1 (SHURO)
南Q太
マガジンハウス
2024-02-29

あとがきにあるように、Q太先生はとある著書と出会ってご自身がノンバイナリーであることに気づかれたそう。本作にも、男性の婚約者がいる中性的な主人公・けいとが登場します。もうひとりの主人公は、いたって「普通」に見える専業主婦の中年女性・あや。まったく異なるふたりの主人公が今後絡んでいく流れの1巻、めちゃくちゃ面白い。



一時期頻繁にSNS広告に表示されたので読んでみた。原作は「テロール教授の怪しい授業」のカルロ・ゼン先生。架空の国を舞台にしつつ、外交の手練手管が描かれます。アホなので国際政治ものは話についていくのに必死なのですが、フクダイクミ先生のチャーミングなイケオジ目当てに読んでしまう。


アン・グラ (ビームコミックス)
丸尾 末広
KADOKAWA
2023-04-12

丸尾先生の絵、相変わらずなんて美しいのか。寺山修司とか横尾忠則とか、思春期に夢中になった60年代のアングラ文化、自分はこの歳になってもやっぱり好きなんだな…これはもう一生好きなんじゃろな…と自覚。



最近は「ハンチョウ」などのゆるくて平和なスピンオフものも大人気ですが、弱き中年のリアリティと、這いつくばって生きる者の力強さ。福本ワールドといえばこれ…これよ……!と実感。



「このマンガがすごい!2024」オトコ編1位。恵まれた体格と運動センスで、どんなスポーツもこなす綾瀬川。しかしその異常な才能のおかげで、本人の思惑と別に周囲が狂わされていく。スポーツ漫画はあまり得意じゃない自分でも、「天才モノ」として楽しめました。



韓国のインスタグラマー・ウノくんに恋をし、ネットストーキング中のネイリストの天馬。一方的なファンだったはずが、ある日向こうからコンタクトが……。SNS以前の時代にはなかった、まさに「インターネットのラヴ」が軽やかに、さわやかに描かれています。



「チ。」の魚豊先生の新作。「論理的思考ができる」と自負する(思い込む?)主人公の主観を追うことで、陰謀論と恋愛という、一見結びつきづらいふたつのテーマが怖いほどリンクすることに気づかされて、先が気になります。



かつて魔王を倒した魔法少女・ボザンナは、個人営業のコンビニで店長をしており……。「団地ともお」で知られる小田扉先生が描く、中年になった魔法少女のその後。ほどよい脱力感と漂うペーソスが好きです。


↓過去分はこちらからどうぞ








▽X(@pootan)はこちら


▽Instagram(@mangashokudo)はこちら
instagram_bn


▽Threads
(@mangashokudo)はこちら
https://www.threads.net/@mangashokudo


▽YouTubeはこちら