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最愛の妻を亡くした小説家・卯之助が、残されたレシピを片手に再起していく「米蔵夫婦のレシピ帳」。

今回は、第6話に登場するコンビーフサンドを再現してみました。

妻・りほ子さんのレシピには「喫茶店風サンドイッチ コンビーフときゅうり編」と記されていたこの料理。卯之助にとっては、夜食としておなじみのものだったようです。

隣に住むシングルマザー・四季森さんやその娘・つぐみちゃんと、りほ子さんの思い出を語らいながら食べる予定だったサンドイッチ。

しかし結局、ひとりでこのサンドイッチを食べることになり、「妻の不在」をあらためて実感する卯之助の目には、とめどもなく涙があふれていきます。

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※【コマ引用】「米蔵夫婦のレシピ帳」(片山ユキヲ/小学館)1巻より

数ページにわたって描かれる、涙と慟哭。

グルメマンガでこうした「悲しい食事」が描かれることはまだ珍しいのではと思いますが、とにかく圧巻のシーン。ひと口ひと口がのどに詰まるような、誰もが人生で体験したことのある「味のしない食事」がリアルに伝わってきます。

第1話でも卯之助の悲しみは描かれていますが、こうした喪失感は一度ではなく繰り返し襲ってくる、という遺族の苦しみがとてもリアルです。

胸が詰まるシーンに出てくる食事は、キャラに共感するほど「食べたい」という気持ちも起こりづらいもの……ですが、それはそれとして「コンビーフのシンプルなサンドイッチって、そういえばあんまり食べたことがないな…」と興味がわいてくるのが、自分でもどうなんだと思うところではあります。

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材料
・食パン(8枚切り)
・コンビーフ
・きゅうり
・バター
・マヨネーズ
・からし
・塩、こしょう


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きゅうりは小口切りにし、塩水に浸しておきます。

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コンビーフはほぐして、マヨネーズ、からし、塩コショウとあえておく。

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きゅうりはしんなりしたらざるにあけ、キッチンペーパーで水気をよくとっておく。

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食パンにバターをぬり、きゅうりを並べ、コンビーフを広げます。

※コンビーフは塩気がきついので、薄く塗り広げるので十分。
(欲張ってたっぷり塗ったら、ちょっと塩辛くなってしまった)

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具材をはさんだ食パンを重ねて、耳を切り落とし、1/3にカットします。

タッパーにつめて完成。
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りほ子さんの好きだった紅茶を添えて。

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1/3にカットした、この「一口サイズ感」が喫茶店っぽいですね。

「喫茶店風サンドイッチ」シリーズには、このコンビーフ&きゅうり以外のレシピもあったりするのかしら。

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食べた感想:
マヨネーズ味のコンビーフはぴりっとからしが効いて、きゅうりとも相性抜群。
きっと誰かの味を思い出すときは、手の込んだご馳走よりもこういった「いつもの味」なんでしょう。
これを四季森さん親子と一緒に食べられていたなら……と同情してしまう。

そして人間、どん底まで悲しんだらあとは這い上がるしかありません。
卯之助は、妻との約束の小説を完成させ、前を向いていけるのか。そのとき傍らにあるレシピ帳から何を学ぶのか、今後も楽しみです。





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