「マンガの中のポテトサラダ」は色々作ってきましたが、今回はきくち正太先生「瑠璃と料理の王様と」に登場するレシピから再現してみます。
魯山人の器が普通に出てくる瑠璃ちゃんの食堂ですが、おもな器の仕入れは神社の骨董市。
その瑠璃ちゃんにとって「器の先生」にあたるのが、骨董市にも出店するギャラリー「いつき」の看板娘・沙羅ちゃんです。
器の魅力を最大限に活かすスーパースタイリストで、彼女の手にかかれば冴えない古びた壺も、衆目を集める逸品に変身してしまう。その魔法のような手腕にうっとりしてしまうと同時に、アレンジひとつで見違える「骨董」の面白さに痺れるエピソードです。
【コマ引用】「瑠璃と料理の王様と」(きくち正太/講談社)5巻より
さて、そんな沙羅ちゃんの好物が、瑠璃ちゃんが作るポテトサラダ。
今回は単品で再現しちゃいましたが、作中では茶道具の「提籃(ていらん)」につめたお重のお弁当として登場します。これがまた素敵で、いつか提籃を手に入れたら再現してみたいものよ。
ポテトサラダの材料は以下の通り(分量は作品を参照してください)
・じゃがいも(男爵、キタアカリ)
・塩麹に一晩漬けたきゅうり
・玉ねぎ
・にんじん
・ポークソーセージ
・柚子
・リンゴ
・マヨネーズ
・オリーブオイル
・醤油
・塩、コショウ
・練り辛子
・クミン
じゃがいもは男爵とキタアカリ、2種類用意するというのが、もうこだわり感満載でそそられちゃう。
じゃがいもは蒸篭で、25分ほどかけてじっくり蒸し上げます。
塩麹に漬けたきゅうりは薄い輪切り。
にんじんは斜め薄切りにして、さらに細切りに。玉ねぎは薄切りに。
ポークソーセージは一口大にし、炒めておきます。
ポテサラの下味に使うドレッシングも手作り。
柚子の搾り汁に塩・コショウ・醤油、オリーブオイルを加えてよく混ぜます。
そんなこんなしている間に、じゃがいもが蒸し上がりました。
フォークに刺して皮を剥くテクニックが紹介されていたので真似してみたけど、これ楽でいいな!
じゃがいもはフォークで粗く潰して、温かいうちに↑で作った柚子ドレッシングを加えてなじませます。
準備しておいた、にんじん・玉ねぎ、きゅうり・ポークソーセージを加え、ボールの側面に練り辛しをにゅっとしぼりだす。
マヨネーズは控えめにして、側面にしぼり出した練り辛子と一緒に混ぜます。
ノーマルなポテトサラダにするならここまでですが、ここからさらに一工夫するのが瑠璃ちゃん流。
その秘密は、クミンとリンゴ!
クミンは軽く炒って、すりつぶしておきます。
リンゴは皮付きのまま薄切りに。
和食器に盛り付けたくなるポテトサラダ。
(黄色の器にしちゃったけど、ざらっとした粉引の器とかの方が映えたかも)
食べた感想:
柚子ドレッシングで下味をつけ、マヨネーズ控えめに仕上げたポテサラは、素材の味わいが引き立つまさに大人の逸品。ご飯の副菜にするのはもったいないほど、これ一品で存在感のある美味しさです。
そして最後に加えたクミンとリンゴがめちゃめちゃいい! スパイスの香りと甘酸っぱさがクセになります。お酒のおともにもぴったりで、ビールというより、ウイスキーでちびちびやりたい。
基本のポテトサラダは忠実に作るとなかなか手間がかかるけど、いつものポテサラにクミンとリンゴを加えるアイデアだけでも、真似したいレシピです。
ちょっと前にコメント欄で教えていただいたのですが、きくち先生といえば「おせん」が新章スタート! こちらも引き続き楽しみです。
コメント
コメント一覧 (2)
この話に出てきた提籃、憧れです。私も欲しい。
コンビニおにぎり詰めても様になりそう(笑)。
こういう、今は廃れてしまった昔ながらの道具って多いですよね。
新品を手に入れようとしても職人も技術も絶えてるから中古しかないという憧れの君たち・・・。
麻さん
表現が素敵w>じゃがいもがシンデレラフィット
提籃、これ読むと欲しくなっちゃいますよね〜。
昔はピクニックバスケットとかに憧れたものでしたが、日本にも茶道具としてこんな素敵なアイテムがあったなんて…と目から鱗でした。