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またも更新が滞っている間に、関東はすっかり暖かくなりました。冬っぽいメニューの再現料理が溜まってるので、早めに更新しなければ…。

というわけで、「きのう何食べた?」20巻のぶりしゃぶの献立です。

ケンジの変わらない無駄遣いっぷりを見て、バレンタインはお金のかかるプレゼントよりも「金のかからない心のこもったもの」(※太字が大事)=手料理をリクエストしたシロさん。

お題を出されて悩むケンジですが、豊漁で安かったブリのさくで「ぶりしゃぶ」を作ることに。

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※【コマ引用】「きのう何食べた?」(よしながふみ/講談社)20巻より

普段カロリーを度外視したメニューが多いケンジですが、今回は「シロさんのため」とあって、渋くヘルシーな和食。でもしっかりご馳走感もあって、さすがの選択ではないでしょうか。

しかしエピソード冒頭のふたりのやり取りを見て、自分も思わず月々のサブスクの費用とか見直さなきゃ、と気づかされました…(でもポイント投資にあそこまで拒否反応示すシロさんも、かなり慎重な気もするw)。

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ぶりのさくです(今年は豊漁と聞かないので、そこまで安くなかったですが)。
刺身で食べられる魚をわざわざしゃぶしゃぶにする、というところがもう贅沢。
脂がのっている腹のほうを使います。

このぶりの下処理が、一番のこだわりポイント。
(以下、分量は作品を参考にしてください)
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キッチンペーパーで水分や血をふきとり、両面に塩をよく刷り込みます。
酒を振ってフタをし、冷蔵庫で1時間ほど寝かせておきます。

この下処理で、ぶりの臭みを抑える効果があるそう。

その間に野菜と鍋のだしを準備します。
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大根とニンジンは、皮をむいて縦半分にし、ピーラーで薄くひらひら状にします。

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幅もまちまちだけど、気にしない!

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ほかの野菜は水菜、白菜、ネギ、しいたけ、えのき。そして豆腐。

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鍋のだしもシンプルです。
土鍋に水と酒、だし昆布を入れて火にかけます。

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湯が沸いてきたら昆布を引き上げ、そのまま煮たてて酒のアルコール分を飛ばします。
味つけは白だしで、「お吸い物より薄め」の味付けに。


このへんで、ぶりの下処理時間が経ったら、水洗いしてキッチンペーパーで水分をよく拭きとります。
塩で寝かせたおかげか、ちょっと身がしまったような感じになっています。

これを厚さ4mm程度、表面積が大きくなるように斜めに、いわゆる「そぎ切り」にしていきます。
これが今回最も難しい工程!
刺身を切り慣れていないと、なかなかうまく均一に薄く仕上がりません。
ケンジも苦戦していましたが、私も苦戦です(必死すぎて写真撮れなかった…)。
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見栄えよくないけど、なんとかこれで堪忍やで…。

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テーブルに諸々セッティングしたら完成です(実はこの日は同じくバレンタインデー)。

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白菜、きのこから入れていきます。

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鍋が再沸騰したら豆腐とほかの野菜も追って半分ずつ投入し、

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あとはぶりをしゃぶしゃぶするだけ。
シロさんいわく「5~6しゃぶ」がベストとのこと。

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めんつゆとポン酢を混ぜたタレと、ゆず胡椒でいただきます。

食べた感想:
脂ののったブリといえど、豚バラなどに比べるとあっさりしていて、野菜と一緒にいくらでも入ってしまう。しっかり下処理したおかげか、臭みもほとんど気になりません。

めんつゆを加えたタレは酸味が抑えられてまろやかで、ポン酢が苦手な人でも食べやすい味つけになっています。

もとは刺身なので、さっとくぐらせて超レアで食べたり、しっかり火を通してみたり、もはやそのまま食べてみたりw、そのときの気分で自由に楽しめるのもうれしい。

そして鍋といえばシメですね。卵雑炊。
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残ったスープに、軽く洗って水けを切ったご飯を入れ、沸騰したら溶き卵を回してフタをし、蒸らしたら完成(過去の何食べの鍋レシピを参照)。

肉のしゃぶしゃぶの場合、シメに麺を入れたりすることも多いですが、魚のしゃぶしゃぶはやっぱりご飯が合う! 派手さはないけれどうまみのあるだしが、しみじみと胃にしみわたるよう。

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魚介系のしゃぶしゃぶ、中年になると余計においしく感じるんですよね。

以前、東海林さだお先生のエッセイにあった、魚のすき焼きを再現したことがあったけれど、個人的にはしゃぶしゃぶのほうがクセもなくて好み。

こないだ思いつきで鯛の刺身と生わかめのしゃぶしゃぶを試してみたら、これも絶品でした。

青魚はさすがに無理かな…と思ったら、刺身用サバのしゃぶしゃぶなんて、最高に美味しいらしい。

刺身コーナーに出向くと、つい「これはしゃぶしゃぶにできるかな…」という目で見てしまうようになりました。




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