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「めしばな刑事タチバナ」最新刊の48巻、後半のメインテーマは「シュウマイ」。

消えたシュウマイのグリーンピース問題、シュウマイのルーツ、最近の冷凍食品事情……と、話題は多岐にわたります。



そして今回のシュウマイ回で、圧倒的に活躍するのが交通課の平井さんです。

平井さんといえば、甘味部女子5人衆のなかでも、これまであまり目立ってこなかった存在。釣り仲間の桑田さんの隣で愚痴や妄想につきあってあげる、クールなキャラ……という印象でした。

署内で盛り上がるシュウマイトークには積極的に参加しなかった彼女、実は相当なシュウマイ好き。

蘊蓄をこれみよがしに披露はしないけど、語るほどに熱を帯びていくその「一見地味だけど実は誰よりもヤバイ奴」感を、桑田さんは「シュウマイ版のジョン・ウィック」と例えます。

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※【コマ引用】「めしばな刑事タチバナ」(坂戸佐兵衛/旅井とり/徳間書店)48巻より


ジョン・ウィック(字幕版)
ディーン・ウィンタース
2019-09-21


↑みんな大好きキアヌ主演作
(タチバナは映画ネタ含め、ほんとに毎回こういう言葉選びが秀逸だなと思うw)

その後も
・シュウマイはクサい
・餃子に負けてる
・見た目も味もだいたい同じ


数々のシュウマイdisにも冷静な態度を貫く平井さんですが、思わず声を荒げてキレてしまう事件が勃発します。

彼女がどうしても許せなかったシュウマイの御法度とは……は、原作で確認していただくとして、今回再現するメニューの紹介にそろそろいきましょう。

ブチギレ後、フォローしてくれた甘味部のメンバーたちと作ったのが、平井さん特製のゴロシャキ食感肉シュウマイ

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※【コマ引用】「めしばな刑事タチバナ」(坂戸佐兵衛/旅井とり/徳間書店)48巻より

シュウマイ愛と蘊蓄をさんざん読んだ後だけに、これがめちゃめちゃ美味しそうで…!

実はシュウマイ作りは餃子作りよりも簡単
という平井さんの言葉に背中を押され、作ってみました。

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材料(分量は作品を参照してください):
・豚ひき肉
・豚バラ肉
・くわいの水煮
・干し椎茸(水でもどしておく)
・玉ねぎ
・オイスターソース
・醤油
・砂糖、塩
・しょうが(すりおろしておく)
・シュウマイの皮

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今回、作る工程よりも難易度が高いのが、この「くわいの水煮缶」の入手かもしれない。

年末年始には、ちょっといいスーパーならおせち用に生のクワイが並んだりしますが、今回必要なのは中国製の水煮缶。どうやら日本のクワイとは食感も異なるようです。

これが近所のスーパーはもちろん、百貨店などにもなかなか置いておらず。通販なら手に入りますが、本体は200円程度なのに、送料を入れると1000円以上かかるので、なんとなく抵抗感がある……。

そういえば立川に友誼食府(※池袋にあるガチ中華食材店)がオープンしてなかったっけ…?と思い出し、所用で寄った際に無事ゲットできました。



↑店内のフードコートもおすすめです。

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こちらが中身。使い切れないほどぎっしり入ってます。
形状は白玉みたいでちょっとかわいい。

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さて、このくわいと玉ねぎを、粗くみじん切りします。
平井さんいわくこの「粗さ」がポイントのよう。

一方で、水で戻した干し椎茸は細かなみじん切りに。

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肉は豚ひき肉だけでなく、バラ肉を粗くみじん切りにしたものを合わせます。

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ボウルのなかで一緒にして…

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丸くまとめたら繰り返し打ち付け、ねばりが出るまでよくこねます。

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ここに塩、オイスターソース、砂糖、すりおろし生姜を加え、さらに混ぜます。

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粗く刻んでおいた玉ねぎとくわいには、片栗粉をまぶしておきます。

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肉ダネとくわい&玉ねぎ、干し椎茸を軽く混ぜたらあんの完成。

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ここからは皮に包んでいく作業。
餃子よりも楽に、気負いなく包めるのがシュウマイの魅力。

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餃子は皮に餡を乗せすぎるとめちゃめちゃ包みづらくなるけど、シュウマイはそのへんアバウトでもなんとかなるので、ほんとに気楽ですね。

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平らな場所で、クッキングシートにシュウマイの上下を押し付けて成形する……という平井さんのテクを参考にしてみました。

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見るからにゴロゴロ感のあるシュウマイたち。

ここまでやってみて、
・野菜を刻むのが楽(キャベツや白菜と違って粗くてよいので、散らばりにくい)
・餡作りが楽(肉中心なので、野菜の水分を絞らなきゃ…とか気にしなくていい)
・包むのが楽
と、すでに餃子よりも「楽」という優位性をあらためて実感。

いよいよ蒸していきます。
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小さいせいろがあるので、それを使いつつ、

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フライパン蒸しでも十分いけるよ、という平井さんの言葉を参考にしたパターンも。

※作中ではフライパン用の蒸しざるを使っていましたが、今回は皿+クッキングシートのみです。


フタをして、10分蒸し上げたら完成。
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焼き立てもいいけど、蒸したてのこの蒸気もテンションが上がりますよね。

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餃子の場合、底の焼き目の焦げ具合や、皿にうまくひっくり返せるか……など、気を使う場面が多いですが、シュウマイの場合は蒸したものを引き上げるだけでいいのが、めちゃめちゃ楽だな…!とまたもやポイントが上がっていきます。

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ビールも合いそうだけど、作中にあわせて紹興酒で。

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作中の分量どおり、40個作ったからもはや食べ放題。

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食べた感想:

粗みじん切りしたゴロゴロのお肉に玉ねぎの甘み、加熱してもシャキシャキのくわい。これまで自分で作っていたシュウマイは何だったんだ、と思うほど最高の仕上がり…!

苦労してくわいの水煮を手に入れた甲斐がありました。タケノコやレンコンでも代用できるかな…?と思ったけど、このさわやかな食感はくわいならではかもしれない。

作中の分量どおりだとちょっと濃いめの味付けに仕上がるので、薄味が好きな人は調整してもいいかも。ただ、このパンチのきいた味つけが紹興酒にも合うし、ご飯のおかずとしても最高です。

自分もこれまではどちらかといえば餃子派でしたが、家で作るならシュウマイのほうが圧倒的に楽!
冷めても美味しく、お弁当に流用しやすいのも家庭料理向きかも。

シュウマイとともに、平井さんのファンにもなってしまったエピソードでした。

何度でも言いますが、タチバナシリーズはどこから読んでも面白いのでぜひ!




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