「めしばな刑事タチバナ」最新刊の48巻、後半のメインテーマは「シュウマイ」。
消えたシュウマイのグリーンピース問題、シュウマイのルーツ、最近の冷凍食品事情……と、話題は多岐にわたります。
そして今回のシュウマイ回で、圧倒的に活躍するのが交通課の平井さんです。
平井さんといえば、甘味部女子5人衆のなかでも、これまであまり目立ってこなかった存在。釣り仲間の桑田さんの隣で愚痴や妄想につきあってあげる、クールなキャラ……という印象でした。
署内で盛り上がるシュウマイトークには積極的に参加しなかった彼女、実は相当なシュウマイ好き。
蘊蓄をこれみよがしに披露はしないけど、語るほどに熱を帯びていくその「一見地味だけど実は誰よりもヤバイ奴」感を、桑田さんは「シュウマイ版のジョン・ウィック」と例えます。
※【コマ引用】「めしばな刑事タチバナ」(坂戸佐兵衛/旅井とり/徳間書店)48巻より
↑みんな大好きキアヌ主演作
(タチバナは映画ネタ含め、ほんとに毎回こういう言葉選びが秀逸だなと思うw)
その後も
・シュウマイはクサい
・餃子に負けてる
・見た目も味もだいたい同じ
数々のシュウマイdisにも冷静な態度を貫く平井さんですが、思わず声を荒げてキレてしまう事件が勃発します。
彼女がどうしても許せなかったシュウマイの御法度とは……は、原作で確認していただくとして、今回再現するメニューの紹介にそろそろいきましょう。
ブチギレ後、フォローしてくれた甘味部のメンバーたちと作ったのが、平井さん特製のゴロシャキ食感肉シュウマイ。
※【コマ引用】「めしばな刑事タチバナ」(坂戸佐兵衛/旅井とり/徳間書店)48巻より
シュウマイ愛と蘊蓄をさんざん読んだ後だけに、これがめちゃめちゃ美味しそうで…!
「実はシュウマイ作りは餃子作りよりも簡単」
という平井さんの言葉に背中を押され、作ってみました。
材料(分量は作品を参照してください):
・豚ひき肉
・豚バラ肉
・くわいの水煮
・干し椎茸(水でもどしておく)
・玉ねぎ
・オイスターソース
・醤油
・砂糖、塩
・しょうが(すりおろしておく)
・シュウマイの皮
今回、作る工程よりも難易度が高いのが、この「くわいの水煮缶」の入手かもしれない。
年末年始には、ちょっといいスーパーならおせち用に生のクワイが並んだりしますが、今回必要なのは中国製の水煮缶。どうやら日本のクワイとは食感も異なるようです。
これが近所のスーパーはもちろん、百貨店などにもなかなか置いておらず。通販なら手に入りますが、本体は200円程度なのに、送料を入れると1000円以上かかるので、なんとなく抵抗感がある……。
そういえば立川に友誼食府(※池袋にあるガチ中華食材店)がオープンしてなかったっけ…?と思い出し、所用で寄った際に無事ゲットできました。
↑店内のフードコートもおすすめです。
こちらが中身。使い切れないほどぎっしり入ってます。
形状は白玉みたいでちょっとかわいい。
さて、このくわいと玉ねぎを、粗くみじん切りします。
平井さんいわくこの「粗さ」がポイントのよう。
一方で、水で戻した干し椎茸は細かなみじん切りに。
肉は豚ひき肉だけでなく、バラ肉を粗くみじん切りにしたものを合わせます。
ボウルのなかで一緒にして…
丸くまとめたら繰り返し打ち付け、ねばりが出るまでよくこねます。
ここに塩、オイスターソース、砂糖、すりおろし生姜を加え、さらに混ぜます。
粗く刻んでおいた玉ねぎとくわいには、片栗粉をまぶしておきます。
肉ダネとくわい&玉ねぎ、干し椎茸を軽く混ぜたらあんの完成。
ここからは皮に包んでいく作業。
餃子よりも楽に、気負いなく包めるのがシュウマイの魅力。
餃子は皮に餡を乗せすぎるとめちゃめちゃ包みづらくなるけど、シュウマイはそのへんアバウトでもなんとかなるので、ほんとに気楽ですね。
平らな場所で、クッキングシートにシュウマイの上下を押し付けて成形する……という平井さんのテクを参考にしてみました。
見るからにゴロゴロ感のあるシュウマイたち。
ここまでやってみて、
・野菜を刻むのが楽(キャベツや白菜と違って粗くてよいので、散らばりにくい)
・餡作りが楽(肉中心なので、野菜の水分を絞らなきゃ…とか気にしなくていい)
・包むのが楽
と、すでに餃子よりも「楽」という優位性をあらためて実感。
いよいよ蒸していきます。
小さいせいろがあるので、それを使いつつ、
フライパン蒸しでも十分いけるよ、という平井さんの言葉を参考にしたパターンも。
※作中ではフライパン用の蒸しざるを使っていましたが、今回は皿+クッキングシートのみです。
フタをして、10分蒸し上げたら完成。
焼き立てもいいけど、蒸したてのこの蒸気もテンションが上がりますよね。
餃子の場合、底の焼き目の焦げ具合や、皿にうまくひっくり返せるか……など、気を使う場面が多いですが、シュウマイの場合は蒸したものを引き上げるだけでいいのが、めちゃめちゃ楽だな…!とまたもやポイントが上がっていきます。
ビールも合いそうだけど、作中にあわせて紹興酒で。
作中の分量どおり、40個作ったからもはや食べ放題。
食べた感想:
粗みじん切りしたゴロゴロのお肉に玉ねぎの甘み、加熱してもシャキシャキのくわい。これまで自分で作っていたシュウマイは何だったんだ、と思うほど最高の仕上がり…!
苦労してくわいの水煮を手に入れた甲斐がありました。タケノコやレンコンでも代用できるかな…?と思ったけど、このさわやかな食感はくわいならではかもしれない。
作中の分量どおりだとちょっと濃いめの味付けに仕上がるので、薄味が好きな人は調整してもいいかも。ただ、このパンチのきいた味つけが紹興酒にも合うし、ご飯のおかずとしても最高です。
自分もこれまではどちらかといえば餃子派でしたが、家で作るならシュウマイのほうが圧倒的に楽!
冷めても美味しく、お弁当に流用しやすいのも家庭料理向きかも。
シュウマイとともに、平井さんのファンにもなってしまったエピソードでした。
何度でも言いますが、タチバナシリーズはどこから読んでも面白いのでぜひ!
コメント
コメント一覧 (2)
そも、缶詰の大きさとか考えると持て余す可能性大ですからねぇ
クワイって食材はアンチョビ辺りよりは使い勝手が悪いので……正月か、中華料理店でしか見ませんから
更に余っていたワンタンの皮で作成……もう別物。でもモチッとしてこれはこれで美味しかったです
上に海老の身のぶつ切りを載せると単価が50円位上がりそうな視覚的豪華さを得られるのはどうしてでしょうねぇw
まーむさん
そうなんですよね、生のクワイは季節を外さなければ割と手に入るけど、缶詰はほんとに身近では手に入らないw
やはり一般家庭ではそれほど需要がないからでしょうか…。
上に海老が乗ってるシュウマイ、確かに単価高そうな高級感がありますw(それがめちゃくちゃ小海老であったとしても…)