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「ハクメイとミコチ」10巻を読んで気になったドリンクメニュー「擂茶(れいちゃ)」を、自己流で再現してみました。

港町・アラビに初めてやってきた、美容師のジャダさん。独特の街並みと文化を持つだけに、見るもの・聞くもの・食べるもの、そのすべてに困惑。

しかもお目当ての櫛屋は、よくわからない理由で臨時休業……。

疲れ果てて意気消沈したところで偶然出会ったのが、ミコチ行きつけの「ポートラウンジ小骨」のマスターでした。

憔悴した様子のジャダさんを見て、マスターが勧めたのがこの擂茶

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※【コマ引用】「ハクメイとミコチ」(樫木祐人/エンターブレイン)10巻より


アラビの隠れた名物で、
「茶葉のほかに豆や穀物を擂ったもので 湯や豆乳 甘酒で溶いて飲むのさ」
との説明。

ドロッとした見た目にジャダさんはドン引きしますが、ひと口飲んでその美味しさにほっとした表情を見せます。

もしハクミコの世界でどこを体験してみたいか、と言われたら、アラビの街を選ぶなあ。樫木先生が描くあの立体的な街並みを眺めるだけでもワクワクします。ただエネルギッシュな町だけに、おっとりマイペースなジャダさんが疲れてしまうのもちょっとわかるかもw

さて、ジャダさんを癒やしたこの擂茶、調べてみると中国や台湾の客家(はっか)料理に同じ名前のものがあります。

茶葉や豆・穀物をすりつぶして飲む、というのもそっくり!



↑これは台湾の番組?で紹介されていた擂茶の作り方。
(観光用カフェっぽいので、作り方は簡略化されているようですが)

参考にすれば近いものが再現できるのでは……? と思い、チャレンジしてみます。

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材料:
・大豆
・茶葉
・黒ゴマ、白ごま
・あわ
・米
・干したみかんの皮(陳皮でもいいかも)
・素炒りピーナッツ
・ひまわりの種
・ヘーゼルナッツ

擂茶の材料は調べても厳密に決まった材料はなく、茶葉やさまざまな豆類・穀物を使えばよいようです。

作中でも名人とされるおばあさんがその日の気分で配合や分量を変えているらしく、
「今日は蜜柑の皮干したのと 謎の木の実みたいなのを足してた」
というセリフもあります(「謎の木の実」をイメージして、今回は「ヘーゼルナッツ」を使ってみました)。

ちなみに本場の擂茶では、バジルやミントなどのハーブを入れることもあるようです。これも心惹かれますね。

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大豆はフライパンで乾煎りし、薄皮もむいておきます。
(薄皮むくの、結構手間がかかって大変だった…)

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やってみてわかったのですが、大豆粉をすり鉢ですりつぶすのは想像以上に時間がかかります(ほかの穀物はわりとスムーズにつぶせます)。

ラクに進めたい方は、↑のような市販の大豆粉を使ってもよさそうです。
あと茶葉→粉末緑茶、米→米粉、なども代用できそう。




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すり鉢に全部の材料を入れまして、あとはひたすらすりこ木で擂るだけです。

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しかしこの食材のビジュアル、なんとも素敵だな。

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無駄に写真を撮ってみました。

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テレビ(吉田類の酒場放浪記)を見ながらゴリゴリ。

大豆が硬くて手ごわい……。

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めげずに続けていると、じんわり油分が出てきます。

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油分が出て、しっとりしたペーストになってきます。ここまできたらもう一息。

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さすがにもうよさそうでしょうか……(息切れ)。

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あとはここにお湯を注ぎます(豆乳や甘酒で割ってもよいそうです)。

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すり鉢で混ぜて、ペーストを溶かしたら完成。

ジャダさんがドン引きしたように見た目は泥のようですが、香ばしくていい匂いがします。

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お椀に盛りつけていただきます。

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食べた感想:

今回は炒った大豆の分量を多めにしただけに、きなこの風味が強いです。

ざらざらした食感のなかにほのかな甘みもあり、そこに茶葉のほろ苦さと香り、ナッツや穀物の香ばしさが加わって、滋味深い。

ドリンクなんだけど、デザートスープのような印象も受けます。栄養たっぷりのお汁粉とでもいうか。白玉団子とか浮かべても美味しそう。

異文化の地に飛び込んで疲れてしまったジャダさんが、ほっとしたのもわかる味でした。


ちなみに台湾では、お湯で溶かすだけのインスタント擂茶も売られているようです(そういえば現地のスーパーで見たことあったかも)。





ハクメイとミコチ 10巻 (HARTA COMIX)
樫木 祐人
KADOKAWA
2022-01-15



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