1巻の発売を楽しみにしていたグルメ漫画が、アフタヌーン連載の「天狗の台所」。
作者は「千年万年りんごの子」「その娘、武蔵」「LIMBO THE KING」など、伝奇ものからスポーツ、SFアクションまで、幅広いジャンルを描きこなす田中相先生です。
田中先生のあの流麗な絵でグルメ漫画だと…!!とアフタヌーンの連載開始時からチェックしておりました。
天狗の末裔として、14歳になると隠遁しなければいけない……そんなしきたりの家に生まれた主人公・オン。ニューヨークから単身やってきた彼が同居することになったのは、東京の広大な敷地に一人(と一匹)で住む兄・基(もとい)。基もまた天狗の末裔で、背中には黒い羽が。
WiFiがないと生きていけない現代っこのオンと、携帯さえ持っていない浮世離れした基。チグハグなふたりの共同生活が始まります。
天狗の末裔、羽の生えた兄……というファンタジックな設定ですが、描かれる食卓は地に足のついた自給自足スタイル。クルミ割り、稲刈りのような面倒な作業も「天狗の力」を使う余地などなく、ひたすら地道にこなします。
敷地で収穫したさまざまな食材を手際よく下ごしらえし、料理を作り上げていく過程は、それこそまるで魔法のよう。
何より田中先生の描く食材、道具、調理シーンの美しさは、イケメンキャラたちとあいまって「眼福…」と手を合わせて拝みたくなります。
今回再現するのは、第2話に登場する「茄子の水餃子」。収穫した夏野菜をたっぷり使い、皮から手作りした水餃子に、これまた手作りのジェノベーゼソースをかけて食べるというもの。
※【コマ引用】「天狗の台所」(田中相/講談社)1巻より
水餃子にジェノベーゼ! こういうの…こういうの好き…(壁に頭を打ちながら)!
作中にレシピはありませんが、調理シーンが丁寧に描かれているので見様見真似で再現してみます。
まずはジェノベーゼソース作りから。
(分量は作中に記載がないので、あくまでもご参考までに)
ジェノベーゼの材料はバジル、にんにく、松の実、オリーブオイル、粉チーズ。
ジェノベーゼソースは何度か作ったことがあるけれど、いつもはフードプロセッサーを回すだけ。
今回はせっかくなので、基兄様にならってすり鉢でスローに挑戦してみます。
すり鉢に刻んだバジルとにんにくを入れて、すりこぎでひたすらゴリゴリ。
もっと手間がかかると思ってたけど、意外とペースト状になるのが早い。(作中では水餃子を茹でる間にこれを作っていたので、慣れれば可能かも)
フライパンで炒っておいた松の実を加えて、さらにゴリゴリします。
途中でオリーブオイル、塩、粉チーズを加えます。
おお、ちゃんとフードプロセッサーにひけをとらないくらいのペースト状に仕上がりました。
煮沸消毒しておいた小瓶に入れて完成です。
続けて水餃子の餡にとりかかります。
・豚ひき肉 100~150g
・なす 2本
・チンゲン菜 1株
・しょうが、にんにく 各1かけ
・調味料(酒、塩、しょうゆ、みそ、ゴマ油) 適量
なすは細かく刻み、塩もみしてから水分を絞っておく。
チンゲン菜はさっと茹で、刻んで水気を絞っておく。
ボウルにナス、チンゲン菜、豚ひき肉、調味料を入れてよく混ぜる。
これでタネができました。
続いて餃子の皮を作ります。
強力粉150gに水75ccを加え、こねて30分寝かせておいた生地(これで20枚分くらいです)。
生地を4等分し、それぞれ棒状にのばして、さらに5等分します。
これを丸く伸ばしてタネをつつんでいきます。
しかし餃子の皮はこれまで何度か作ってるはずなのに、毎回コツを忘れて四苦八苦してしまう…。
今回も厚く仕上がった物、薄めに仕上がったもの、と仕上がりにバラつきが出てしまいました。
あとはたっぷりのお湯で茹でて食卓へ!
皮の仕上がりがバラバラなので、いい感じにモチモチに仕上がったものと、薄すぎてワンタンみたいになっちゃったものが混在してますw
まあそれも自家製ならではということで。
食卓のコマの絵で、水餃子の左側に並んでるものが不明だったのですが、季節的にトマトかな…と推測して並べてみました(違ったら申し訳ありません)。
早速ジェノベーゼソースをかけていただきます。
食べた感想:
茄子と青菜入りのもちもち水餃子に、さわやかなバジルのソース。
想像していた通りに美味しい……!
ジェノベーゼソースということでイタリアンになるかと思いきや、そうでもない。かといってもちろん、いつもの中華でもない。
オンがこれを食べて思い浮かべたのはモンゴルやチベットあたり(?)の風景のようでしたが、洋の東西を問わず広がる「餃子」文化圏の大きさを感じます。
いつもなら水餃子にはビール!
といいたいところですが、今回は作中にあわせてレモンバームティーに。
ハーブティーと水餃子の組み合わせ、飲茶のようでなんとも優雅な気分になります。
餃子の皮が安定しなかったのが心残りで、後日に再度挑戦してみました。
今度はそこそこ均一に仕上がったぞ!
餃子の皮は、やはり定期的に作らないとスキルとして身につかないのだな……という学び。
1巻はこのほか、お米の収穫など秋らしいエピソードも載っていて、ご飯欲が刺激されます。
もうすぐわが家も実家から届く新米の季節、楽しみ!
コメント
コメント一覧 (2)
ジュノベーゼペーストも餃子もめんど臭くて手作りしてない昨今ですが、
中華でもないイタリアンでもないお店で食べられないって手作りならではですね。梅本家の子になりたい。基兄様のお雑煮も食べたい。美味しい物を作ってもらえるって本当にありがたい事です。(アラフィフの世迷言すみません!)
とみーさん
2巻、ますます基兄様の存在が尊くなってますよね…!
同年代のキャラもみんなかわいくて、今後も楽しみです。
(私もマンガ読みつつ、「基兄様の家の子になりたい…」と思ってますw)