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家政婦さんシリーズのなかでも、「何それ食べてみたい…!」という未知の料理が満載の「令和の家政婦さん」2巻・エイエイのエピソード。



いよいよ(?)真打のポーユイ(撥魚)にチャレンジしてみました。

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※【コマ引用】「令和の家政婦さん」(小池田マヤ/双葉社)2巻より

ポーユイを初めて知ったのは、小池田先生も巻中エッセイで紹介されている、ウー・ウェンさんの「北京小麦粉料理」という本。

ポーユイ=「魚が勢いよくはねる姿」という意味で、その名の通り白魚のような細長い形状の麺です。

ゆるい小麦粉の生地を、ボウルから直接スープに落として茹でるだけ、という手軽さも魅力。ウー・ウェンさんの本にはこれ以外にも初めて見る麺料理がたくさん載っていて、中華圏の小麦粉料理は本当に奥が深い…と思わされます。

ウー・ウェンの北京小麦粉料理
ウー ウェン
高橋書店
2001-11-30


エピソードの主人公・瑛美さんが精神的に落ち込んだとき、めぼしい食材が何もないなか、家政婦の里が作ったのがこの料理。

トリンチャツピーナッツバターの巻き寿司など、エピソードに登場したそのほかの料理のように、一瞬日常を離れさせてくれる「知ってる味で知らない料理」。

そして、簡単なようで簡単じゃない料理でもあります(後述)。作中ではうまく作るコツも紹介されているので、参考に挑んでみることにしました。

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材料:(※分量は作品を参考にしてください)
・小麦粉
・干し椎茸(水でもどしておく)
・にんにく
・卵
・唐辛子
・ゴマ油
・白だし
・醤油
・酢
・コショウ


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ボウルに小麦粉を入れ、塩と水を加えます。

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お箸で粉けがなくなり、なめらかな生地になるまでよく混ぜます。
(固めのホットケーキ生地っぽい感じです)

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生地がかぶるように水を加えます(「水ぶた」というらしい)。
このまま30分寝かせます。

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30分経ったら、上の水だけ捨てます。
ゆるい状態の生地がボウルに残ります。

これを麺にしていくのですが、その前にスープを作りましょう。
この後に麺を作る工程を考慮して、なるべく口の広い鍋で作るのをおすすめします。私は中華鍋を使いました。

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鍋にゴマ油を熱し、戻し椎茸(細切り)、にんにく(みじんぎり)、唐辛子(小口切り)をさっと炒めます。

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どんぶり2杯分(※今回の生地が2人分なので)の水を鍋に加え、白だしで味つけします。干し椎茸の戻し汁もあれば加えちゃっていいかも。

あとで醤油なども加えるので、心もち薄めの味つけで。

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煮立たせます。
これでスープのベースは完成。かんたん!

さて、いよいよ麺を投入していきます。

ウー・ウェンさんのレシピの作り方はおそらく↓こんな感じ(7:16あたりから)。



動画で見るとめっちゃ簡単そうに見えますが、いざやってみるとこれが案外難しい……。

生地がゆるいので、ボウルから少しずつ落とそうとしてもうまくコントロールできないのです。
全然白魚状態にならず、↓で瑛美さんが「あああああ~~」とパニックになっているのと同じ状態にw
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※【コマ引用】「令和の家政婦さん」(小池田マヤ/双葉社)2巻より

作中では最初にナイフに生地をとって、そこから箸にのせて落とす方法が紹介されています。

しかし不器用度の高い私はそれもうまくいかず……。

小池田先生の巻中エッセイでは、お好み焼きのヘラに乗せてから箸で振り茹でる方法が紹介されており、これが自分には一番合っていました。
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ヘラではなくスケッパーですが、この上に生地を薄く広げて……

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端から少しずつ、箸でピンッと弾くようにして生地を細く投入します。
箸は表面がつるっとしているもののほうがやりやすいかも。箸が生地で汚れたら、水で洗いつつやりましょう。

↓動画だとこんな感じです。



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麺がゆであがったら、仕上げに溶き卵を回し入れ、ふんわりと仕上げます。

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丼に醬油、酒、酢、コショウを入れて、ここに鍋のスープと麺を注ぎます。


あこがれのポーユイの完成。
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見た目はサンラータン風。

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食べた感想:
作中でも「もくん」「むぐむぐ」「もにゅもにゅ」「もっもっもっ」と、印象的な擬音で描かれますが、食べているとその表現がいちいち実感できます。

細い麺は一本一本の形状が違っていて、その不揃いな状態が、ひと口ずつ食感の違いにつながっているのかも。失敗して団子状態になっている麺もありますが、それもまた楽しい。麺の食感自体はすいとんに似ています。

そして白だしベースなのに、ちゃんと醤油ラーメンの味!
ごま油入れたらなんでも中華っぽくなる」という里のセリフも納得です。

いつもだいたい台所にある材料で作れるので、「何もないけど、何か食べたい」ときに覚えておきたいレシピになりそうです。





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