家政婦さんシリーズのなかでも、「何それ食べてみたい…!」という未知の料理が満載の「令和の家政婦さん」2巻・エイエイのエピソード。
いよいよ(?)真打のポーユイ(撥魚)にチャレンジしてみました。
※【コマ引用】「令和の家政婦さん」(小池田マヤ/双葉社)2巻より
ポーユイを初めて知ったのは、小池田先生も巻中エッセイで紹介されている、ウー・ウェンさんの「北京小麦粉料理」という本。
ポーユイ=「魚が勢いよくはねる姿」という意味で、その名の通り白魚のような細長い形状の麺です。
ゆるい小麦粉の生地を、ボウルから直接スープに落として茹でるだけ、という手軽さも魅力。ウー・ウェンさんの本にはこれ以外にも初めて見る麺料理がたくさん載っていて、中華圏の小麦粉料理は本当に奥が深い…と思わされます。
エピソードの主人公・瑛美さんが精神的に落ち込んだとき、めぼしい食材が何もないなか、家政婦の里が作ったのがこの料理。
トリンチャツやピーナッツバターの巻き寿司など、エピソードに登場したそのほかの料理のように、一瞬日常を離れさせてくれる「知ってる味で知らない料理」。
そして、簡単なようで簡単じゃない料理でもあります(後述)。作中ではうまく作るコツも紹介されているので、参考に挑んでみることにしました。
材料:(※分量は作品を参考にしてください)
・小麦粉
・干し椎茸(水でもどしておく)
・にんにく
・卵
・唐辛子
・ゴマ油
・白だし
・醤油
・酢
・コショウ
ボウルに小麦粉を入れ、塩と水を加えます。
お箸で粉けがなくなり、なめらかな生地になるまでよく混ぜます。
(固めのホットケーキ生地っぽい感じです)
生地がかぶるように水を加えます(「水ぶた」というらしい)。
このまま30分寝かせます。
30分経ったら、上の水だけ捨てます。
ゆるい状態の生地がボウルに残ります。
これを麺にしていくのですが、その前にスープを作りましょう。
この後に麺を作る工程を考慮して、なるべく口の広い鍋で作るのをおすすめします。私は中華鍋を使いました。
鍋にゴマ油を熱し、戻し椎茸(細切り)、にんにく(みじんぎり)、唐辛子(小口切り)をさっと炒めます。
どんぶり2杯分(※今回の生地が2人分なので)の水を鍋に加え、白だしで味つけします。干し椎茸の戻し汁もあれば加えちゃっていいかも。
あとで醤油なども加えるので、心もち薄めの味つけで。
煮立たせます。
これでスープのベースは完成。かんたん!
さて、いよいよ麺を投入していきます。
ウー・ウェンさんのレシピの作り方はおそらく↓こんな感じ(7:16あたりから)。
動画で見るとめっちゃ簡単そうに見えますが、いざやってみるとこれが案外難しい……。
生地がゆるいので、ボウルから少しずつ落とそうとしてもうまくコントロールできないのです。
全然白魚状態にならず、↓で瑛美さんが「あああああ~~」とパニックになっているのと同じ状態にw
※【コマ引用】「令和の家政婦さん」(小池田マヤ/双葉社)2巻より
作中では最初にナイフに生地をとって、そこから箸にのせて落とす方法が紹介されています。
しかし不器用度の高い私はそれもうまくいかず……。
小池田先生の巻中エッセイでは、お好み焼きのヘラに乗せてから箸で振り茹でる方法が紹介されており、これが自分には一番合っていました。
ヘラではなくスケッパーですが、この上に生地を薄く広げて……
端から少しずつ、箸でピンッと弾くようにして生地を細く投入します。
箸は表面がつるっとしているもののほうがやりやすいかも。箸が生地で汚れたら、水で洗いつつやりましょう。
↓動画だとこんな感じです。
マンガ食堂(梅本ゆうこ)@pootanポーユイの麺、ボウルから直接落とすのはなかなか難しく、一度平たいもの(今回はスケッパー)にとってから箸ではじき落とす方法がスムーズ https://t.co/zfqxKFjqfH2022/05/22 18:45:19
麺がゆであがったら、仕上げに溶き卵を回し入れ、ふんわりと仕上げます。
丼に醬油、酒、酢、コショウを入れて、ここに鍋のスープと麺を注ぎます。
あこがれのポーユイの完成。
見た目はサンラータン風。
食べた感想:
作中でも「もくん」「むぐむぐ」「もにゅもにゅ」「もっもっもっ」と、印象的な擬音で描かれますが、食べているとその表現がいちいち実感できます。
細い麺は一本一本の形状が違っていて、その不揃いな状態が、ひと口ずつ食感の違いにつながっているのかも。失敗して団子状態になっている麺もありますが、それもまた楽しい。麺の食感自体はすいとんに似ています。
そして白だしベースなのに、ちゃんと醤油ラーメンの味!
「ごま油入れたらなんでも中華っぽくなる」という里のセリフも納得です。
いつもだいたい台所にある材料で作れるので、「何もないけど、何か食べたい」ときに覚えておきたいレシピになりそうです。
コメント
コメント一覧 (6)
ホーユイ挑戦したことありますが、細くならず..ヘラを使うの、すごいアイデアですね。やってみます。
いつも美味しそうなお料理の再現ありがとうございます。今後も楽しみにしてます。
らりるさん
おお、らりるさんもお持ちでしたか!>北京小麦粉料理
私の周囲の料理好きの人も持っている割合が高いので、ほんとに名著なんだな~と感じます。
ポーユイ、やっぱり難易度高いですよね…!
YouTubeの動画をいろいろ見ると、「なんか自分でもできそうな気がする…」とやる気スイッチが入るので、事前に視聴するのおすすめですw
これ、もう少しヤワめのすいとんじゃね?と
そう考えると思ったよりもシンプルな麺料理なんだなと、スーパーで買って来たラーメンのタレと刻み野菜とバラ肉で真似て作ってみました
問題の麺の生成に付いてですが、ジップロックで絞り袋みたくナイフの上に絞り出してはスープに放り込む事で解決
作中の作り方は慣れてないとボールから適量を放り込んだりナイフと箸の連携をしなきゃいけないという……
調理に慣れた里さんなら楽勝でしょうけどねぇ
まーむさん
確かに材料だけ見ても、すいとんの細い版みたいな感じかもですね!
ジップロックを絞り袋風に使うテク、私のような初心者にもよさそうです。
中華圏の人の動画を見ていたら、穴があいた器具のようなもので生地を絞り出して作っているものもあったので、それに近いかもしれないですね。
ぜひ作り比べてみてください!
一読者さん
そういえば…と思い出して読み返したら、3巻に出てましたね!
当時は自分の腕では到底無理と思ってスルーしてましたが、今なら作れるかしら…。
情報ありがとうございます~!