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世界の危険エリアの美食をめぐるノンフィクショングルメ漫画「鍋に弾丸を受けながら」。

今回は、第5話に登場するエルビス・サンドイッチを再現してみました。

作中の青木先生のコラムによると、「この本に出てくるレシピのなかでは最も再現が簡単」とのことですが、料理としてのハードルは低くても心理的なハードルが高い料理でもあります。

何せ、名前の由来になっているエルビス・プレスリーが食べすぎて死んだ、とされるサンドイッチ。

フルサイズ(フランスパン1本分)なら、一人前17000カロリー。成人女性なら、これ1本で10日くらい生きられそうですね。

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※【コマ引用】「鍋に弾丸を受けながら」(森山慎/青木潤太朗)1巻より

↑コマの絵のは1/4くらいのサイズなので、4000キロカロリーくらいとのこと。それでも2日くらい生きられる……。

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材料:

  • ソフトフランスパン(前回のイタリアンビーフで使ったものを流用したので小さめ)
  • ピーナッツバター
  • ブルーベリージャム
  • バナナ
  • ベーコン
  • ひまわり油
  • 粉砂糖

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まずはベーコンをカリッカリに焼きます。脂が出きって、「ベーコンの棒」になるくらいにじっくり。

かりかりベーコンは州を問わないアメリカの魂
とはジュンタロー氏の釣り友達・デビットさんのセリフ。

そういえば、むかし海外ドラマの「デスパレートな妻たち」を見ていたら、唐突に主要キャラが職場で「生ベーコンの早食い勝負をする」シーンが出てきて、「なぜ…?」と置いてけぼりになったけど、今なら数ミリくらい理解できるかもしれない。

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フランスパンを縦半分に切ります。

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ピーナッツバターとブルーベリージャムをたっぷり塗ります。

この組み合わせ、児童書「エルマーの冒険」に出てきたやつー!とちょっと興奮。翻訳では「ピーナッツバターとゼリーのサンドウィッチ」となっていましたが、子どものころはゼリー=ジャムと知らなくて、お菓子のゼリーをはさんでるものだと思ってたなー。

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バナナの輪切りをびっしり敷き詰めます。

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そしてかりかりベーコンもたっぷり(パンが小さいので今回は3枚しか乗らなかった)。

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もう1枚のパンでしっかりサンドします。

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揚げ油は、新しいものを使うのがポイントとのこと。

作中のレシピを参考にひまわり油を使います。
(あまり聞かないし、手に入りづらいかな…と思ったら、OKストアに置いてた)

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180度くらいに熱した油に、パンをどぼんと。両面が色づくまで揚げます。

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皆様なんとなく嫌な予感がしていたのではと思いますが、今回使ったパンがミニサイズのため、収まりきらなかったブルーベリージャムとピーナッツバターが揚げ油に溶けだして大変なことに。

(このあとフィルターつきの油こし器で濾過したら、匂いも気にならず普通に料理に使えたので、マイペンライとする)

やはり大き目のパンのほうが具材が漏れにくいかも。
もしくは、パンとの接触面にベーコンではなく、ジャムかピーナッツバターを持ってきたほうが接着剤っぽくなってよかったかもしれない。

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まあ無事に揚がったのでよいか。

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仕上げのたっぷり粉砂糖も忘れずに。
粉砂糖が振られるとおやつっぽくなりますね。

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食べた感想:
クリスピーなベーコンの塩気に、熱でとろとろになったバナナ、ピーナッツバターとブルーベリージャムの甘み、そしてサクサクに揚がったパン……。私が「甘じょっぱいもの好き」ということもありますが、それを置いても痺れるほど美味しい。

そして、作中のジュンタロー氏の感想どおり、意外なほどに「食べやすい」のです。

作中では日本のカツ丼との共通点が挙げられていますが、それ以外にも揚げたてのカレーパンなんか、ハイカロリーなはずなのにぺろっと一瞬で食べちゃうもんなあ。よく考えたらホラーな話ですね。

食べやすい、といっても中年の胃はこの後襲ってくる結果も知っているので、食後にきっちりキャベジンをいただきました。

脳はうまさに震えてるんですが、体内の健康管理部門的なところが「やばい!やばい!」とアラート上げてきてるような感じ。エルビスが死んじゃうのもわかる。


ちなみにエルビス・サンドイッチについて英語で検索してみるとレシピがたくさん出てくるのですが、食パンに具を挟んでバターで焼く、というタイプが主流のようです。青木先生のコラムパートでも解説されていますが、抵抗がある方は、まずはこの揚げない(焼く)ver.で試してみるのもよさそうです。

そして亜種として、アイスクリームを挟んだ「The Elvis Ice Cream Sandwich」なるレシピも生まれていたりして、「エルビス」がロックンロールの王者だけでなくハイカロリーの代名詞みたいになってるのも面白い。

「カロリーの高さとうまさは比例する」という話がありますが、その路線をリミットなしに追及しがちなアメリカはある意味、究極の美食の国といえるのかもしれない……と感じた再現でした。





前回再現したイタリアンビーフはこちら


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