2022年に面白かったマンガを備忘録してまとめ。
半年くらいさぼっておりましたが、ようやく年末に更新できました。
今年もネットや周囲のマンガ好きの方々のおすすめやAmazonさんのレコメンドのおかげで、面白い作品にたくさん出会えました。(来年こそはリアルタイムで更新できるよう頑張る…)
東京の島しょ地域を舞台に、マンガ大好きな女子高生が「描くこと」に目覚めていく青春マンガ。とよ田先生のオフビートなのにエモい作風がマッチしてます。本編もいいけれど、元になった巻末収録の読み切り「ロストワールド」もよいです。マンガ家漫画にハズレなし。
クラスメイト、嫁と姑、男と女、さまざまな相手との「友情」を描いたオムニバス短編集。どの短編も予定調和に終わらない、ほろ苦くも爽やかな読後感。しかし谷口先生の描く女の子は、みんなどうしてこんなにかわいいかよ。
唯一無二の作家・山口貴由先生の新作テーマは「特撮」。エピソードの題字に至るまで、昭和の特撮愛が溢れていて期待感高まります。ゴジラと原爆の関係くらいはうっすらと知っていたけれど、特撮がこんなに戦中・戦後の昭和史と密接に絡んでいるとは知らなかった。特撮という表現やヒーローという存在についての独特の考察は、門外漢でも惹き込まれます。
ギリシャ神話のイリオスと半神アキレスの物語をベースに描く、ヤクザと怪人のハイパー追いかけっこ。「双生遊戯」と読んだときと同様、「こういうヤクザ漫画が読みたかったんじゃ~!」という気持ち。力技な展開も「神話だから」で許される予感。
兄の受験失敗で、ピリピリした空気が漂う主人公・新の家。そこに突然やってきたのは、ロシアから渡ってきたという怪鳥「クジマ」。不思議な生物との共同生活で、新や家族に変化が。心優しい主人公と、自分勝手だけど憎めないクジマのやりとりにめちゃ和みます。
【ご恵贈いただきました】「コウノドリ」の鈴ノ木ユウ先生が描く、坂本竜馬の人生。司馬遼太郎の同名作の漫画化は今回が初めてとのこと。(「お〜い!竜馬」のイメージが強かったけど、あれは武田鉄也氏が原作でしたね)。誰もが知っている悲劇的な最期は冒頭に描かれますが、その過程がどう描かれるのか楽しみ。
【ご恵贈いただきました】学生運動の熱冷めやらぬ昭和の日本。架空の山村を舞台に陰惨な事件の顛末を描く、いわゆる「田舎ホラー(サスペンス)」作品。山村の閉塞感と、あさま山荘事件を思わせる集団狂気を絡ませた展開が興味深い。
【ご恵贈いただきました】統合失調症の母を持つヤングケアラーの少女の日常を描いた作品。フィクションではありつつも、複数の取材をベースに組み立てられたエピソードは、想像もつかない過酷さで胸がつまる。
やまじえびね先生といえば、昔から繊細な絵と詩的な女性たちの物語が魅力です。ジェンダーの問題にフォーカスした本作では中東、インドなど距離も文化も遠い場所の女の子たちをオムニバスで描きつつ、最後に「日本」に舞台を持ってくる構成が秀逸。
クールな美人・清見と陽キャの初夏は高校時代からの友だち。初夏に彼氏が出来るたびに紹介される清見だが、自分にも恋人がいることは話していない。そして初夏の新彼と清見はなぜか急接近してしまい……。タイトル通りのややこしい女子+巻き込まれ男子の三角関係。雁須磨子先生の主人公は、共感しづらいキャラクターでも、なぜかぐいぐい読んでしまう。
サラ先生の新作は、海沿いの町を舞台にした旅館再起コメディ。ちゃきちゃきした姉とゆるゆるな弟、というサライネスワールド鉄板の組み合わせ。濃ゆいキャラのエピソードを、濃ゆい関西弁であっさり描くこの感じ、やっぱりいつまでも読んでいたい。
noteの連載をずっと楽しみに読んでいたので、待望の単行本。ステップファミリーを描いたフィクションはたくさんあるけれど、やはり実際に家族を築いた体験談でしか描けないリアルな物語もあると思わされます。
【ご恵贈いただきました】住民が眠ってしまった「まどろみの星」を訪れ、残された文化を記録・保存する少年の旅を描くSF。架空の街の風景や乗り物、食べ物などのイマジネーション豊かなシーンが魅力的。優しくもどこか終末感のある世界の行く末が気になります。
450歳の美しきバンパイア・森蘭丸。清らかな童貞の血を好む彼は、東京の銭湯に住み込みで働きながら、オーナーの息子・李仁を狙っていて……。タイトルの勢いで手に取ってしまったけど、銭湯×バンパイアという設定が面白い。しかしこの絵、どこかで見たことが…と思ったら「頂き!成り上がり飯」「入浴ヤンキース」の作者さんだったのかー!
新興宗教の家の子として、クラスでいじめられる主人公・るな。しかし「神の子」でもある彼女は、そのカリスマ性で周囲を信者ビジネスに巻き込んでいく。ぞわぞわする読後感やクセのある絵柄とは裏腹に、意外なほど読みやすいのも魅力。
「性」の問題を真摯に考え続けるペコさんの新作は、これまで免責されがちだった、クリエイター側が持つ暴力性に踏み込んだ作品。誰も傷つかない表現なんていうものはない、は真実であるものの、それを免罪符にしていいのか、という問いを突きつけてくる。
とある田舎の集落が舞台。山で行方不明になった後、「何者か」にすり替わって戻ってきた親友の正体は。作品全体で不穏に響く効果音をみてもまぎれもなくホラーなんだけど、まぎれもなくBLでもある。他にない読後感です。
個人的に羽生生先生ブームなので手にとった新作。ニンジャスレイヤーのクリエイターとタッグを組んだ異形アクションファンタジー。主人公の黎もアクションシーンもとにかくかっこいい。
今年の話題作のひとつ。ジャンプだもん、きっと努力と友情が勝利する展開になるはず!という信頼が裏切られる展開がつらい(が、私は基本つらい展開の漫画が好物でもある)。しかしここ数年、タイムリープものの名作が多いですよね。
滅亡して明治時代レベルの文明に後退、さらに三国に分裂した日本が舞台。現代と過去のミクスチャーな世界観が独特(大阪出身者としてなんだか申し訳なるシーンも…)。主人公は軍師的な位置付けっぽくなるのか、今後が気になる。
タイトルと表紙の勢いで手にとってしまった。ネタバレになるので言えないけれど「桃太郎」という存在の設定がこれまでになく斬新。迫力のある、クラシカルな時代劇のタッチも好きです。
NHKの「漫勉」の坂本先生回に登場して、気になっていた新作がようやく単行本に。もはやモノクロのマンガ表現の極致。浦沢先生が「映画館のスクリーンで見るクオリティ」と言及していたのもわかる、圧倒的な美しさ。
最近やたらとグッズを見かけるキャラ…という認識しかなかったちいかわですが、突然ハマってしまいました。デスクに単行本を置いて、仕事で気を失いかけたらすぐページを開いてちいかわを摂取できるようにしています。もはや読む精神安定剤。フ!
わが家では、黄ばんだ白いものを見ると「林太郎さん!」と叫ぶのが恒例になっているのですが、急に読み返したくなったのでKindleで再読。私のなかの人生の猫マンガBEST3に入る一作(と言いつつほか2作がぱっと思いつかない)。
去年くらいから周囲で評判がよいので、気になっていた作品。「きれいなウシジマくん」という表現がぴったり。5巻の萌ちゃんのエピソードあたりからぐぐっと引き込まれる。トーヨコキッズや歌い手界隈など、「今」の病みカルチャーがふんだんに盛り込まれているので、世事にうとい中年は勉強になります…。
今年のマンガ大賞候補のなかで、未読だった作品。超ベテランの池上遼一先生が、「Dr.STONE」原作の稲垣理一郎先生とタッグを組んだベンチャー企業モノ。古風な池上節と今風のノリのミクスチャーが新鮮。ストーリーは荒唐無稽だけど、ビジネスには大なり小なりハッタリが必要なのは真実なので、ある意味リアルといえるかも……。
全共闘時代の東大を舞台に、左派学生と右派学生の「秘密兵器」となった男女の恋とバトル。学びの場を舞台にした闘争、という点で「さすがの猿飛」を思い出す面白さ。
人並外れた記憶力で京都の一流大学に合格した主人公・建己。しかし暗記では太刀打ちできない「数学」の世界に迷い込んでしまい……。自分も数学まったくわからない勢ですが(作中の説明読んでもやっぱりわからないことが多い…)、奇人変人が登場するキャンパスライフものというだけでも楽しい。「動物のお医者さん」の系譜が好きな方におすすめです。
直近の「このマンガがすごい!」オトコ編にランクインしてて気になっていた作品。1巻ではそこまでハマらず油断してたら、2巻からがめっちゃツボ…!帝国の大商人・グレシャムさんのキャラが好きすぎる。
すき間恐怖症、高所恐怖症、閉所恐怖症など、さまざまな「フォビア」を持つ男女を描く短編集。ゴトウユキコ先生の「恐怖」をビジュアル化する力と性描写の生々しさが秀逸すぎて、どの話もめちゃ怖い。精神的ホラーが苦手でなければおすすめ。
再婚を繰り返した父と、年齢差のある4人の娘。100歳で死んだ父に、あらたな子供が発覚して……。モーニング連載で追いかけてるけど、まとめて読むとコメディならではの勢いがあってやっぱ面白い。山下先生の描く高慢高齢女性キャラ、大好き。
「もうやめてーー!」とお腹が痛くなるほど、サブカルモブ女子の精神をえぐってくる作品。光属性のサブカル女子が登場してからさらに辛い……でも読んじゃう。コロナ禍中の人間関係を描く2巻も面白い。
恵まれた画力で繰り出されるしょうもないギャグが最高です!!
いにしえのガロっぽい殺伐とした作風かと思いきや、どこにでもいる夫婦のやりとりが丁寧に描かれていて、読後は意外にもとても温かい気持ちに。テレビで「ラピュタ」を初めて見る姪っ子に感慨を抱くも、姪っ子はスマホのYouTuberのしょうもない動画に夢中で落胆してしまうシーンとか、世代交代を感じる中年としてはわかるわかる…と共感してしまった(でも作者さんお若いんですね、びっくり)。
「転がる姉弟」が面白かったので手に取った、同じ森つぶみ先生のグルメ(?)漫画。「転がる姉弟」でも、クラスメイトたちの描写がとてもかわいかったけどこれも期待どおりかわいい。ジャンクフードは青春の食べ物、というのがよくわかる。中年はやはり(たまにしか)食べてはいけない…。
2021年のリストでイケメンシリーズにハマったことを書いたら、Twitterでおすすめいただいたので即購入(ありがとうございます!)。イケメンシリーズは編集M田さんと同じ推し沼にいるオタク同士としてのやりとりが面白いけど、こちらは非・オタクの編集さんとの「わかりあえないもの同士」の対話が魅力。
2021年版はこちらをどうぞ。
半年くらいさぼっておりましたが、ようやく年末に更新できました。
今年もネットや周囲のマンガ好きの方々のおすすめやAmazonさんのレコメンドのおかげで、面白い作品にたくさん出会えました。(来年こそはリアルタイムで更新できるよう頑張る…)
東京の島しょ地域を舞台に、マンガ大好きな女子高生が「描くこと」に目覚めていく青春マンガ。とよ田先生のオフビートなのにエモい作風がマッチしてます。本編もいいけれど、元になった巻末収録の読み切り「ロストワールド」もよいです。マンガ家漫画にハズレなし。
クラスメイト、嫁と姑、男と女、さまざまな相手との「友情」を描いたオムニバス短編集。どの短編も予定調和に終わらない、ほろ苦くも爽やかな読後感。しかし谷口先生の描く女の子は、みんなどうしてこんなにかわいいかよ。
唯一無二の作家・山口貴由先生の新作テーマは「特撮」。エピソードの題字に至るまで、昭和の特撮愛が溢れていて期待感高まります。ゴジラと原爆の関係くらいはうっすらと知っていたけれど、特撮がこんなに戦中・戦後の昭和史と密接に絡んでいるとは知らなかった。特撮という表現やヒーローという存在についての独特の考察は、門外漢でも惹き込まれます。
ギリシャ神話のイリオスと半神アキレスの物語をベースに描く、ヤクザと怪人のハイパー追いかけっこ。「双生遊戯」と読んだときと同様、「こういうヤクザ漫画が読みたかったんじゃ~!」という気持ち。力技な展開も「神話だから」で許される予感。
兄の受験失敗で、ピリピリした空気が漂う主人公・新の家。そこに突然やってきたのは、ロシアから渡ってきたという怪鳥「クジマ」。不思議な生物との共同生活で、新や家族に変化が。心優しい主人公と、自分勝手だけど憎めないクジマのやりとりにめちゃ和みます。
【ご恵贈いただきました】「コウノドリ」の鈴ノ木ユウ先生が描く、坂本竜馬の人生。司馬遼太郎の同名作の漫画化は今回が初めてとのこと。(「お〜い!竜馬」のイメージが強かったけど、あれは武田鉄也氏が原作でしたね)。誰もが知っている悲劇的な最期は冒頭に描かれますが、その過程がどう描かれるのか楽しみ。
【ご恵贈いただきました】学生運動の熱冷めやらぬ昭和の日本。架空の山村を舞台に陰惨な事件の顛末を描く、いわゆる「田舎ホラー(サスペンス)」作品。山村の閉塞感と、あさま山荘事件を思わせる集団狂気を絡ませた展開が興味深い。
【ご恵贈いただきました】統合失調症の母を持つヤングケアラーの少女の日常を描いた作品。フィクションではありつつも、複数の取材をベースに組み立てられたエピソードは、想像もつかない過酷さで胸がつまる。
やまじえびね先生といえば、昔から繊細な絵と詩的な女性たちの物語が魅力です。ジェンダーの問題にフォーカスした本作では中東、インドなど距離も文化も遠い場所の女の子たちをオムニバスで描きつつ、最後に「日本」に舞台を持ってくる構成が秀逸。
クールな美人・清見と陽キャの初夏は高校時代からの友だち。初夏に彼氏が出来るたびに紹介される清見だが、自分にも恋人がいることは話していない。そして初夏の新彼と清見はなぜか急接近してしまい……。タイトル通りのややこしい女子+巻き込まれ男子の三角関係。雁須磨子先生の主人公は、共感しづらいキャラクターでも、なぜかぐいぐい読んでしまう。
サラ先生の新作は、海沿いの町を舞台にした旅館再起コメディ。ちゃきちゃきした姉とゆるゆるな弟、というサライネスワールド鉄板の組み合わせ。濃ゆいキャラのエピソードを、濃ゆい関西弁であっさり描くこの感じ、やっぱりいつまでも読んでいたい。
noteの連載をずっと楽しみに読んでいたので、待望の単行本。ステップファミリーを描いたフィクションはたくさんあるけれど、やはり実際に家族を築いた体験談でしか描けないリアルな物語もあると思わされます。
【ご恵贈いただきました】住民が眠ってしまった「まどろみの星」を訪れ、残された文化を記録・保存する少年の旅を描くSF。架空の街の風景や乗り物、食べ物などのイマジネーション豊かなシーンが魅力的。優しくもどこか終末感のある世界の行く末が気になります。
450歳の美しきバンパイア・森蘭丸。清らかな童貞の血を好む彼は、東京の銭湯に住み込みで働きながら、オーナーの息子・李仁を狙っていて……。タイトルの勢いで手に取ってしまったけど、銭湯×バンパイアという設定が面白い。しかしこの絵、どこかで見たことが…と思ったら「頂き!成り上がり飯」「入浴ヤンキース」の作者さんだったのかー!
新興宗教の家の子として、クラスでいじめられる主人公・るな。しかし「神の子」でもある彼女は、そのカリスマ性で周囲を信者ビジネスに巻き込んでいく。ぞわぞわする読後感やクセのある絵柄とは裏腹に、意外なほど読みやすいのも魅力。
「性」の問題を真摯に考え続けるペコさんの新作は、これまで免責されがちだった、クリエイター側が持つ暴力性に踏み込んだ作品。誰も傷つかない表現なんていうものはない、は真実であるものの、それを免罪符にしていいのか、という問いを突きつけてくる。
とある田舎の集落が舞台。山で行方不明になった後、「何者か」にすり替わって戻ってきた親友の正体は。作品全体で不穏に響く効果音をみてもまぎれもなくホラーなんだけど、まぎれもなくBLでもある。他にない読後感です。
個人的に羽生生先生ブームなので手にとった新作。ニンジャスレイヤーのクリエイターとタッグを組んだ異形アクションファンタジー。主人公の黎もアクションシーンもとにかくかっこいい。
今年の話題作のひとつ。ジャンプだもん、きっと努力と友情が勝利する展開になるはず!という信頼が裏切られる展開がつらい(が、私は基本つらい展開の漫画が好物でもある)。しかしここ数年、タイムリープものの名作が多いですよね。
滅亡して明治時代レベルの文明に後退、さらに三国に分裂した日本が舞台。現代と過去のミクスチャーな世界観が独特(大阪出身者としてなんだか申し訳なるシーンも…)。主人公は軍師的な位置付けっぽくなるのか、今後が気になる。
タイトルと表紙の勢いで手にとってしまった。ネタバレになるので言えないけれど「桃太郎」という存在の設定がこれまでになく斬新。迫力のある、クラシカルな時代劇のタッチも好きです。
NHKの「漫勉」の坂本先生回に登場して、気になっていた新作がようやく単行本に。もはやモノクロのマンガ表現の極致。浦沢先生が「映画館のスクリーンで見るクオリティ」と言及していたのもわかる、圧倒的な美しさ。
最近やたらとグッズを見かけるキャラ…という認識しかなかったちいかわですが、突然ハマってしまいました。デスクに単行本を置いて、仕事で気を失いかけたらすぐページを開いてちいかわを摂取できるようにしています。もはや読む精神安定剤。フ!
わが家では、黄ばんだ白いものを見ると「林太郎さん!」と叫ぶのが恒例になっているのですが、急に読み返したくなったのでKindleで再読。私のなかの人生の猫マンガBEST3に入る一作(と言いつつほか2作がぱっと思いつかない)。
去年くらいから周囲で評判がよいので、気になっていた作品。「きれいなウシジマくん」という表現がぴったり。5巻の萌ちゃんのエピソードあたりからぐぐっと引き込まれる。トーヨコキッズや歌い手界隈など、「今」の病みカルチャーがふんだんに盛り込まれているので、世事にうとい中年は勉強になります…。
今年のマンガ大賞候補のなかで、未読だった作品。超ベテランの池上遼一先生が、「Dr.STONE」原作の稲垣理一郎先生とタッグを組んだベンチャー企業モノ。古風な池上節と今風のノリのミクスチャーが新鮮。ストーリーは荒唐無稽だけど、ビジネスには大なり小なりハッタリが必要なのは真実なので、ある意味リアルといえるかも……。
全共闘時代の東大を舞台に、左派学生と右派学生の「秘密兵器」となった男女の恋とバトル。学びの場を舞台にした闘争、という点で「さすがの猿飛」を思い出す面白さ。
人並外れた記憶力で京都の一流大学に合格した主人公・建己。しかし暗記では太刀打ちできない「数学」の世界に迷い込んでしまい……。自分も数学まったくわからない勢ですが(作中の説明読んでもやっぱりわからないことが多い…)、奇人変人が登場するキャンパスライフものというだけでも楽しい。「動物のお医者さん」の系譜が好きな方におすすめです。
直近の「このマンガがすごい!」オトコ編にランクインしてて気になっていた作品。1巻ではそこまでハマらず油断してたら、2巻からがめっちゃツボ…!帝国の大商人・グレシャムさんのキャラが好きすぎる。
すき間恐怖症、高所恐怖症、閉所恐怖症など、さまざまな「フォビア」を持つ男女を描く短編集。ゴトウユキコ先生の「恐怖」をビジュアル化する力と性描写の生々しさが秀逸すぎて、どの話もめちゃ怖い。精神的ホラーが苦手でなければおすすめ。
再婚を繰り返した父と、年齢差のある4人の娘。100歳で死んだ父に、あらたな子供が発覚して……。モーニング連載で追いかけてるけど、まとめて読むとコメディならではの勢いがあってやっぱ面白い。山下先生の描く高慢高齢女性キャラ、大好き。
「もうやめてーー!」とお腹が痛くなるほど、サブカルモブ女子の精神をえぐってくる作品。光属性のサブカル女子が登場してからさらに辛い……でも読んじゃう。コロナ禍中の人間関係を描く2巻も面白い。
恵まれた画力で繰り出されるしょうもないギャグが最高です!!
いにしえのガロっぽい殺伐とした作風かと思いきや、どこにでもいる夫婦のやりとりが丁寧に描かれていて、読後は意外にもとても温かい気持ちに。テレビで「ラピュタ」を初めて見る姪っ子に感慨を抱くも、姪っ子はスマホのYouTuberのしょうもない動画に夢中で落胆してしまうシーンとか、世代交代を感じる中年としてはわかるわかる…と共感してしまった(でも作者さんお若いんですね、びっくり)。
「転がる姉弟」が面白かったので手に取った、同じ森つぶみ先生のグルメ(?)漫画。「転がる姉弟」でも、クラスメイトたちの描写がとてもかわいかったけどこれも期待どおりかわいい。ジャンクフードは青春の食べ物、というのがよくわかる。中年はやはり(たまにしか)食べてはいけない…。
2021年のリストでイケメンシリーズにハマったことを書いたら、Twitterでおすすめいただいたので即購入(ありがとうございます!)。イケメンシリーズは編集M田さんと同じ推し沼にいるオタク同士としてのやりとりが面白いけど、こちらは非・オタクの編集さんとの「わかりあえないもの同士」の対話が魅力。
2021年版はこちらをどうぞ。