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「ホクサイと飯さえあれば」の鈴木小波先生の最新作、「神食の料理人」。

「食」をテーマにしている点は同じといっても、美大生・ブンちゃんの日常を描いた前作とガラリと変わり、今作は和風ファンタジーバトル。

鈴木先生特有の白黒のパキッとした画作りが効いたアクションシーンはめちゃめちゃかっこよくて、鈴木先生と少年マンガ、相性よすぎるのでは…!?と再認識。




今回再現する「神食モウカザメの酢味噌和え」は、第一話に登場する料理です。

神食(かじき)と呼ばれる化け物が空を飛ぶ世界。主人公の十八(とおや)は、厳しい父親に辛く当たられながら板前修業の日々。

ある日、おさななじみで大地主の娘・イザが、「神食モウカザメ」に襲われ傷を負ってしまう。

「ヒヒイロカネ」と名彫られた不思議な包丁の導きで、十八は神食モウカザメを倒し、イザの傷を癒やすためその肉を食べさせる。そして彼は、この世界に跋扈するさまざまな「神食」たちと戦い、調理する「神食の料理人」となる。


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※【コマ引用】「神食の料理人」(鈴木小波/集英社)1巻より

作中に登場する食材は、いずれもアタマに「神食○○」とつくモンスターではあるものの、現実の食材で代用して再現できます(コミックのカバー下にレシピもあり)。

今回の「神食モウカザメ」も、モウカザメが手に入らなければカツオやマグロでOK、と説明されています。が、せっかくファンタジー感を味わうなら、未知の食材にトライしてみたい。モウカザメ食べてみたい…!

手に入らないか探してみるものの、生食できる状態のモウカザメは、近場はもちろん通販でもなかなか見当たらず。

そんなとき目にとまったのが、こちらの「モウカザメの心臓」です(通販番組みたいな導入だな)。


気仙沼では「もうかの星」と呼ばれているようで、生で食べるとレバーのような食感を楽しめるのだとか。しかも説明を読むと、地元では「酢味噌和え」で食べるのがメジャーだそう。

マグロやカツオで代用できるということは、赤身っぽさのあるこの心臓でもいけるのでは…? あと心臓を食べて傷をいやす、というのもファンタジーっぽくてテンションが上がる。

……と、いろいろ勝手な思い込みで、今回はこの「もうかの星」をお取り寄せして、神食モウカザメの酢味噌和えを再現してみることにしました。


さばき方は動画でもどうぞ。

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こちらがモウカザメの心臓です。

……なんか思ったよりもリアル心臓感すごいな……。
人体模型みたいや……。

解凍後は、血(?)がドリップのようにどんどん出るので、苦手は方はご注意ください。

あとの材料は
・きゅうり
・味噌
・酢
・砂糖
とご家庭によくあるものです。

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付属していた説明書に従って下処理していきます。

まずは袋状になっている部位に水を入れ、管になっている部分から水を出し、内部を洗っていきます。これを3~4回ほど繰り返します。

あまり洗いすぎると風味が飛んでしまうので、ほどほどに……とのこと。

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洗い終わったら、袋状の部分と管の部分を切り離します。

管の部分は筒状になっているので縦に開き、中の血合いを洗い流します。

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心臓本体は半分に切ります。

これも中に血合いっぽいものがあるので、きれいに洗い流します。

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洗った部位の水気を、キッチンペーパーでふきとり、スライスしていきます。

袋と管の部分も同じく食べやすいようにカットを。

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ボウルに味噌、砂糖、酢を加えてよく混ぜ、薄切りしたきゅうりとスライスした心臓をよくあえます。

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「神食モウカザメの酢味噌和え」の完成です。

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見た目はほんとにレバ刺しっぽいなあ。

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食べた感想:
……なにこれ、レバ刺しだ。
生のレバ刺しがこの世から駆逐されてから、こんにゃくやら低温調理したやつやらで我慢してきましたが、これは食感でいったらほぼレバ刺しかも。

しかも肉類のレバーよりも、臭みがほとんどないので、いくらでも食べられる。酢味噌との相性も最高で、日本酒にすごく合う(少年マンガなのにすみません)。

心臓本体はもちろん、袋や管の部分はコリコリした食感で、これもまたホルモンっぽくておいしい。

たまらず、余った分をごま油&ネギ&塩でいただきました……。
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……おかえりレバ刺し!(涙)

マンガ飯を再現するだけのつもりが、思わず好みの食材とめぐりあうきっかけになって、ちょっと得した気分。そして未知の食材との出会いで、ファンタジー感もしっかり味わえました。







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