おととしあたりからマンガ好きの間で人気沸騰の和山やま先生。
私も初単行本の「夢中さ、きみに。」でファンになった勢ですが、その後発刊された作品すべてがびっくりするほどの面白さで、「和山先生に夢中さ」と言いたいほど。
フィールヤングで連載中の「女の園の星」は、女子高の国語教師・星先生を主人公にした学園コメディ。テンション低めのボディブローのように効いてくるギャグと、端正で品のあるキャラクターたちに心わしづかまれています。
2巻に登場して気になってしまったのが、架空のコンビニフードです。
クラスの生徒・若尾さんを、毎日早朝に電車で見かけることが気にかかる星先生。彼女が登校時手にしているのは、コンビニで買った大量の「うどんまん」。
「ラー油とごま油が効いたうどんが中に入っている」中華まんで、若尾さんいわく「あれを毎朝食べないとだめな体になりました」。
しかし彼女が毎朝決まったコンビニに通うのは、実はうどんまんではなく別の理由があって……というお話。
※【コマ引用】「女の園の星」(和山やま/祥伝社)2巻より
意外な方向に転ぶストーリーも楽しいのですが、やはりエピソードのなかでの「うどんまん」の存在感が光ります。
偵察に来た星先生も、注文を思い立つも「口に出して言うのが恥ずかしいからやめよう」とあきらめた絶妙なネーミング。確かに「うどんまん」と口にするだけで、IQが3点くらい下がりそうな気がする。
しかしコンビニの中華まんは過去にも、「焼きそばまん」「ナポリタンまん」というストロング炭水化物を世に送り出してきました。
だったら「うどんまん」があってもおかしくないんじゃないだろうか。
そんな気になって、勝手に再現してみることにしました。
作り方は動画でもどうぞ。
<材料>※6個分
●中華まん生地(クオカさんのレシピを参考にさせていただきました)
・薄力粉 140g
・強力粉 60g
・砂糖 大さじ1
・塩 2つまみ
・白ごま油 10g(ショートニングやサラダ油でもOK)
・ベーキングパウダー 3g
・ドライイースト 小さじ1/2
・水 110cc
●具材
・ゆでうどん 1/2袋
・ごま油 小さじ1
・ラー油 小さじ1
・塩 適量
・刻みネギ 適量(お好みで)
中華まんの生地は、今回ホームベーカリーで作ります。
ケースに生地の材料を入れ、こねと一次発酵までおまかせします。
その間に具を準備します。
ゆでうどんはざく切りにし、ごま油、ラー油、塩で味をつけ、冷蔵庫で冷やしておきます。
生地の一次発酵まで終わったら、打ち粉を振った台に出し、スケッパーで6等分にします。
6等分した生地はひとつずつガス抜きをしながら丸くまとめ、固く絞ったふきんをかけて15分ほどベンチタイムで休ませます。
休ませた生地をめん棒などで広げ、冷やしておいたうどん具をのせてつつみ、再度丸くまとめます。
このとき刻みネギを一緒に入れるのもおすすめです。
うどんは入れすぎるとまとめづらくなるので、ほどほどの量にしておきましょう。
丸めた生地の綴じ目を下にして、クッキングシートの上にのせます。
(写真だとクッキングシートが大きすぎて蒸し器のなかでかさばってしまったので、あとでカットしました)
オーブンに発酵機能があれば、30度で20~30分二次発酵させます。
(機能がなければ温かい場所で濡れふきんをかけて発酵させてください)
蒸し器に入れ、10~12分ほど蒸します。
蒸しあがりました!
ひとまわりほど大きく膨らんで、ごま油の香ばしいにおいが漂います。
コンビニの袋に入れて、食卓コスプレで気分を盛り上げます。
食べた感想:
ふわふわの中華まん生地のなかには、ごま油の香ばしさとラー油のピリ辛で味つけされたうどん。
コンビニで買う中華まんは「小腹がすいたとき」の鉄板ですが、常々不満なのは「案外腹持ちがよくない」という点(551の蓬莱のようなみっしりした肉まんなら食べごたえあるんですが…)。
でもこの「うどんまん」は、ふわふわの蒸しパンのなかにうどんが入っているので、お腹にも満足感があります。
若尾さんのようなスポーツ少女が買い込むのも、ちょっとわかるような気がしました。
中華料理の花巻風に、味の濃いおかずと一緒に食べても美味しい!
(写真の料理は、牛肉とトマトの甜面醤炒め)
単巻の「カラオケ行こ!」も、もはや完璧といっていいほどの面白さでおすすめです。
コメント
コメント一覧 (20)
この回、結局星先生がうどんまんを買ったのか?食べたのか?謎のままでしたね。個人的には食べていてほしいですが。
和山先生の作品はレンタル屋さんで見かけたものの、「ちょっとクセのある絵だな・・・」と敬遠してました。こちらで紹介されていたのをきっかけに読んでみたら、もう、すっごいおもしろくて、びっくりしました。何というか・・・出汁がきいているというか味わいがあるというか・・・今までにないおもしろさ!
いつも漫画と料理の世界を広げていただいています。ありがとうございます!
なごさん
星先生が食べたのか謎ですねw 小林先生はノーリアクションで普通に食べそう。
そしてブログきっかけに手に取っていただけてめちゃ嬉しいです…!!
和山先生は「カラオケ行こ!」も最高なので、機会があればぜひぜひ…!(隙あらば布教)
魚のワルツさん
ご覧いただいてありがとうございます!
味の濃いおかずがあれば、主食として意外にいける一品だったので、機会があればぜひおためしください~。
あれ町おこしのB級グルメネタつくりの実際と現実みたいな話で、才遊記の話でも割と好きです。
てけとうさん
「ラーメン才遊記」にお好み焼きメニューが…⁉
いつかちゃんと読んでみたいと思っていたので、気になります。
麵とご飯も田舎じゃ普通
昭和の家庭飯
ココア説明さん
そういえば身近にも「チャーハンはおかずになる」と言う人、わりといますね…。
何でも受け入れる「ご飯」の偉大さを実感します。
焼きそばパン
もしくはナポリタンパン
意外と前例がたくさんあるダブル炭水化物の世界…。
一番炭水化物度が高そうな「そばめしパン」もどこかにあるのかもしれません。
試したくても自作するっきゃないのか。
ななしさん
「女の園」のコラボカフェができたら、きっとオフィシャルに再現してくれるはず…!
七志野権兵衛さん
焼きそばパンだけでなく焼きうどんパンがあるの…!?
と思って調べたら、ほんとにちゃんとあるんですねw
https://mognavi.jp/product/9000000404375
炭水化物×炭水化物はそこら辺に山程あるさん
グラコロさん、確かにあなたは全身炭水化物でしたね…。
手間のかかる食べ物ではありますが今度作ってみようと思います♪
パスタまんさん
コメントありがとうございます!
手間のかかるわりに、できるのはストロング炭水化物ですが、意外とクセになるので機会があればぜひお試しください~。
これは人類永遠の難題であり食文化の修羅場ともいえるのであります
関西でたこ焼きでご飯を食べる、お好み焼きでご飯を食べる、というのが他の地方では奇異の眼で見られまれには嘲笑すら起きるのと似通っていると思われるのであります
中国人的には日本固有の食文化にすら昇華した餃子定食ですら意味不明とみられていますが(これは向こうでは餃子が主食でありそれにご飯をかけ合わせるのが訳わからんそうです
ともあれ、ストロング炭水化物を世に出す日本人は世界的に奇異な存在なのかもしれません
後、歯ごたえ的にうどんは万頭に合うと思います。(グルテン的に歯ごたえがたりない麺は合わないのかも?
まーむさん
餃子は主食、私もはじめて知ったときは衝撃でしたw
ずっとおかずだと信じていたのに…。
日本人がストロング炭水化物生み出しがちなのには、やっぱり米が食文化のベースにあるからなんでしょうか。
うどんと万頭、確かに意外に違和感なく食べられました!やわやわの、例えば素麺なんかだと合わなさそうなのは、イメージできますw