週刊モーニングで毎回楽しみにしているのが、吉本浩二先生の「こづかい万歳」。

吉本先生といえば、手塚治虫先生の伝記「ブラック・ジャック創作秘話」や、聴覚障がいの実情を取材した「淋しいのはアンタだけじゃない」など、ノンフィクション的な作品で知られます。

真剣さ・暑苦しさから生まれるユーモアや、ときに自身のリアルな心情もさらけ出す真摯さで、一度読むとやめられなくなる作品ばかり。

勝新太郎の伝記「カツシン」も良かったな~。吉本先生が「まんが日本の偉人」シリーズを担当したら、どの偉人もめちゃくちゃ面白くなりそうな気がします。

そんな作風から描かれる、「おこづかい」という誰もが身近なテーマにしたマンガが、面白くないはずがない




「Pontaポイント」に身をささげたサラリーマン、駅の構内を「ステーションバー」として楽しむ男……。

毎回、そうそうたるおこづ界の怪人 達人が登場しますが、私が毎回楽しみにしているのが、吉本先生の「妻」さんのエピソード。

お酒が飲めない吉本先生とは逆に、奥様は晩酌が大好き。そしてもはや趣味の領域、と言ってもいいほど徹底した節約家でもあります。

月7000円でやりくりする自分のおこづかいから、スーパーでお酒やおつまみを購入して、子どもを寝かしつけたあとによなよな晩酌を楽しむ。

このささやかな「キッチンひとり晩酌」が本当に楽しそうで、毎回ワクワクしてしまうのです。

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※【コマ引用】「定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ」(吉本浩二/講談社)2巻より

あと、お友だちからのあだ名が「アクション」というのもツボ。
(会社員時代、通勤カバンに雑誌「アクション」が入っていたのが由来らしい)

ちなみにまだ単行本化はされていませんが、モーニング本誌では別の知人から「大五郎」というあだ名で呼ばれていたことも判明。

「アクション」「大五郎」の異名をもつ女子……強すぎて最高すぎませんか。すっかりファンです。

そんな吉本夫人の晩酌シーンから、4つのお酒レシピを再現してみました。



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ひとつめは、ストロングの水割り

作中に何度か登場するこのお酒、実は公式Twitterで公開された吉本夫人のエッセイ「私と晩酌、ストロング(ともだち)」で、その作り方が公開されています。


それによると、
・お気に入りのグラスに氷をたっぷり入れる
・そこに水道水を2/3ほど注ぎ、残りの1/3としてアコレの「ストロング缶チューハイレモン」を注ぐ(水→アルコールの順番にするのがポイント)
・そのへんにある箸でよく混ぜる
という手順。

この、こだわりと適当さが混在しているとことか、ストロングの後ろに(ともだち)がつくところとか、名文すぎるのでぜひ読んでいただきたい。

ストロング系チューハイは、その強すぎる度数ゆえに色々と問題視されていますが、呑兵衛としては吉本夫人のこのストロング(ともだち)への愛情と接し方を見習っていきたいものです。

(今気づいたけど私、YouTubeの動画内では「水1:ストロング1」の比率にしちゃってましたね…正しくは上のとおり「3:1」「2:1」です;)



さてこのストロング水割りにあわせるのが、餃子のタネの残りを一人用ホットプレートでもんじゃにしたおつまみ。

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※【コマ引用】「定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ」(吉本浩二/講談社)2巻より


一人用ホットプレートって多分こういうやつかな。




ちょっと欲しくなってしまったけど、うちにも少人数用のホットプレートがあるのでぐっとこらえ、再現してみました。
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餃子のタネの残り(豚ひき肉、キャベツ、ニラ、ネギ、しょうが入り)を円形にして土手を作り、中央にもんじゃの生地(小麦粉をウスターソース、顆粒だし、水で溶いたもの)を流し入れます。

生地がぐつぐつと煮えたら土手を崩し、具材に火が通ったら完成。

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熱々のもんじゃを、このストロングの水割りで流し込みます。

ストロングの水割りは、さっぱりとして確かに「レモン水」のよう。氷と水で薄めることで、アルコール感も弱まるのでぐびぐびいけてしまう。

しかも1缶で通常の3倍飲める…と考えると、「勝ったった」(何に?)という謎のヴィクトリー感が芽生えます。


お次はこれも1・2巻に何度か登場する「焼酎のコーヒー割り」。

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今回は4話で奥様が自分のおこづかいから捻出して購入した、ブレンド焼酎の「すごむぎ」を使ってみます。

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飲み残しのコーヒーを、すごむぎで割るだけ(今回は1:1にしてみた)。

「すごむぎ」のフルーティーな香りに、コーヒーの香ばしさが加わって、大人のお酒に。

飲み残しのコーヒーって美味しくなく持て余しがちだけど、お酒とあわせると香りが立っていい感じになるんだなあ、と気づきました。


飲み残しで割るシリーズには、こんなものもあります。
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2巻11話に登場した、レモンのストロング・ゼロの紅茶割り

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※【コマ引用】「定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ」(吉本浩二/講談社)2巻より

コーヒー割りが夜のくつろぎに最適なら、こちらは暑い日にゴクゴク飲めるティーソーダ風。ストロング・ゼロが意外なほどさわやかな飲み物に変身します。


最後は「本麒麟」のホッピー風
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といっても、キリンの発泡酒「本麒麟」に氷を入れて飲むだけ。

氷をたっぷり入れると、白ホッピーのようなあっさりとした味わいになります。

ビールに比べて安価な発泡酒だからこそ、「もったいない」なんて思わず、自由な飲み方が楽しめるかもしれない。


ちなみにいつもキッチンで晩酌を楽しむ奥様ですが、たまに「ひとり日高屋飲み」でリフレッシュすることもあるよう。この飲み方も楽しそうで、読んだ後日に思わず日高屋に向かってしまいました……。今後も奥様の晩酌エピソードに期待。





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