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以前、「その女、ジルバ」がもし実写化したら……という話で盛り上がった、とブログに書きましたが、まさか本当にドラマ化するとは!





しかもキャストも脚本も最高だし(私、このドラマで江口のりこ様の魅力にやられました)、周囲でハマる人続出してるし、そのおかげで原作もスッ…と勧めやすくなってるし、ファンには嬉しいシーズンとなりました。来週で最終回なんて寂しい……。

さて、ドラマを見た勢いで、原作に登場する料理を久々に再現しました。

2巻で、店に慣れてきたアララにマスターが直伝する「二種類の味のステーキ丼」。お得意様用の料理のようで、洋風と中華風の2種類のタレの味付けを楽しめるのが特徴のようです。

大きな器にドーンと盛りつけて、各自茶碗によそって食べるスタイルも、気取りがなくてJACK&ROSEらしさ溢れています。

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※【コマ引用】「その女、ジルバ」(有間しのぶ/小学館)2巻より

実はこの料理、過去に2回ほど作ったのですが、私の腕がイマイチなせいであまり満足いく仕上がりにならず、お蔵入りにしておりました。

今回3度目の正直でやっと自分なりに再現できたので、ご紹介します。原作で料理の説明はそこまで詳しくないので、素人の自己流レシピですがご容赦くださいmm

作り方:
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ステーキ肉は2種類のうち1つを網焼きにする予定なので、焼いたときに脂がたれにくい牛もも肉(シンタマ)にしました。2~3人分で、300~400gくらい。

タレは
(A)洋風漬け汁(マリネ液)
(B)中華風たれ

2種類。マスターがアララに台所で説明しているシーン(下図)を参考にします。

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※【コマ引用】「その女、ジルバ」(有間しのぶ/小学館)2巻より

(A)洋風漬け汁(マリネ液)
・白ワイン 適量
・レモン 1/2個
・セロリ 1/4本
・パセリ 適量
・タイム 適量
・玉ねぎ 1/4個
・りんご 1/4個
・クレイジーソルト 適量
・チンザノロッソ 適量

野菜系の食材はスライス&カットし、ステーキ肉と一緒に保存容器に入れ、白ワイン&チンザノロッソをひたひたに注ぎ、クレイジーソルトを振ります。

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フタをして冷蔵庫で一晩寝かせます。

チンザノロッソは↓こんなお酒です。白ワインベースのチンザノのほうが有名ですが、これはその赤ワイン版。赤ワインにハーブやスパイスなどが漬けこまれたものです。




ただ独特の苦みがあるので、入れすぎはおすすめしません。
マリネ液を作るときは白ワインを多めにして、チンザノロッソは香りづけ程度にしたほうがいいかも。


こちらが一晩漬けた肉。
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キッチンペーパーで汁気をぬぐい、焼く30分前には冷蔵庫から出して常温に戻しておきます。


肉を漬けたマリネ液がけっこうたくさん余ってしまったので、原作には描写はありませんが、この一部をタレに流用してみることにします。

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マリネ液はレモンとタイムの固い枝の部分を取り除き、ハンドミキサーですりつぶします。

これを小鍋にとりわけ、アルコールを飛ばすように煮詰めてみました。味見すると白ワインの酸味が強めだったので、みりん、しょうゆを加えて少しマイルドに。

(ミキサーにかけたマリネ液の残りはその後、骨付き鶏もも肉を煮込んで白ワイン煮風にしてみたら、なかなか美味しかったです)

さて、もう一種類のタレも作っておきます。

(B)中華風たれ
・紹興酒
・しょうゆ
・はちみつ
・黒砂糖
・黒酢
・すりおろししょうが

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こちらは目分量で混ぜ合わせるだけ。

まずは紹興酒、しょうゆ、はちみつ、黒砂糖を等分で混ぜてみて、味をみながら甘辛くなるよう調整しました。最後に黒酢とすりおろししょうがで整えます。

このあと刷毛で肉に塗りながら焼くので、塗りやすいようにちょっととろみがつくまで煮詰めておきました。

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それから白髪ねぎの準備も忘れず。
ネギを2cm程度に切り、中の黄色い芯の部分を取り除いてなるべく細く切ります。白髪ねぎは水にさらして水気をよくしぼり、塩とごま油で味つけしておきます。


いよいよ肉を焼いていきます。焼き方も2種類試してみることに。

(A)のマリネ液に漬けた肉は、フライパンで焼きます。焼く直前に塩コショウも忘れず。
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牛脂をしいて熱したフライパンに肉を入れ、強火で1分。

裏返してさらに1分焼いたら、取り出してアルミホイルで包み、5分ほど休ませます。
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さて、(B)のほうは、マスターのセリフに「タレを刷毛で塗りつつ照りよく焼く」という説明があります。

フライパンだと↑(A)のように両面で合計2分くらいしか焼けないので、タレでじっくり焼くには不向き。

そこで、網焼きにしてみることに。網焼きなら、タレを塗りながら時間をかけて焼けそうだ。

七輪があれば最高だけど、今回は焼き網+ガスコンロで挑戦してみます。

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熱して油をなじませた網の上に、塩コショウした肉を置いて、じっくり焼いていきます。

ただ、最近のガスコンロは焼き網器を使うと、センサーが反応してすぐ火が消えてしまうんですよね。

うちもそれが悩みだったんですが、↓この過熱防止センサー対応の五徳使ったら解決しました。これで餅も焼ける…!




タレを刷毛で塗りつつ(楽しい)、両面を合計10分くらいかけて焼きました。
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網で焼くステーキ、なかなか美味しそう!
(ただこの後、焼き網にタレの焦げがこびりつくので掃除が大変でした……)

こちらも焼き終わったあと、アルミホイルに包んで5分ほど落ち着かせます。

肉をアルミホイルから取り出し、サイコロ状にカットします。
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どちらもいい焼き加減!

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器にご飯を盛ります。

用意した白髪ねぎは最後に肉の上に盛りつけるか、ご飯の上に敷くかしばし悩んだのち、両方作ってみることに。

(A)ご飯→ステーキ→白髪ねぎ→オニオンチップ(ニンニクチップでもOK)
(B)ご飯→白髪ねぎ→ステーキ→大根おろし→黒コショウ


という構成で、二種類の味のステーキ丼の完成!
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作中では、黒織部の大きな長角鉢に盛りつけられていて、それが素敵で真似してみたかったのですが、いい器が見つからず……結局手持ちの重箱で代用しました。

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タレはさきほど作った、マリネ液をベースにしたものと、甘辛中華風の2種類。


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こちらは(A)の洋風&フライパン焼きバージョン。

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そしてこっちは、(B)の網焼き&中華風だれバージョン。

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茶碗によそっていただきます。

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洋風味は、そのまま食べてもマリネ液のフルーティな味がしっかり感じられます。
マリネ液をベースにしたタレも、おろしポン酢風になってなかなか美味しい(でもタレなしでも大丈夫かも)。

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中華風だれのほうは、甘辛でご飯にぴったり!

ステーキ丼というだけでも贅沢なのに、2種類の味を同時に楽しめるなんて。こんなおもてなしされるお店があったら、そりゃ通うよね…!と思える料理でした。


(おまけ)
ちなみにお蔵入りにしていた過去2回の再現はこんな感じでした。
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↑初回(5年前くらい?)。このときはサイコロカットではなく、格子状に切り込みを入れてみる形。

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↑2回目(わりと最近)。器が浅すぎて丼に見えないですね……。


Yahoo!クリエイターズで書いた「ちーぶらげ」紹介記事もどうぞ。



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