
1巻から丁寧に積み上げられたエピソードが開花して、今めちゃめちゃ読み時だと思う「ゆりあ先生の赤い糸」。
「倒れた夫に愛人(男)発覚」など、さまざまな修羅場に巻き込まれても、尊敬する父にならって「カッコ悪くなること」を何より嫌い、豪胆に振る舞ってきたゆりあさん。
そんな彼女が、親子ほど歳の離れた男に恋をし、寝たきりの夫の介護よりもデートを心待ちにし、生まれて初めて眉毛を整える。
それは、これまでのゆりあさんの信条的には「カッコ悪い」姿そのもの。でもここに行きつくまでの過程を見てきた読者の誰が彼女を責められるだろう。
バレエ発表会で悪役ミルタを踊り切った少女が、50歳をすぎて恋するヒロインのジゼルになる。1巻のあのエピソードがあったからこそ、彼女の新しい恋を見守りたくなってしまう。
最近は導入から展開までがスピーディな漫画が増えているけれど、ゆっくり助走してから爆発する作品はやっぱり最高だな……。これが可能なのは、入江先生が編集部や読者から信頼されているからだろうなとも思います。
さて、6巻にバレンタインにぴったりのお菓子が登場するので再現してみました。

※【コマ引用】「ゆりあ先生の赤い糸」(入江喜和/講談社)6巻より
バレンタイン直前、この日を
「愛の告白&念押しもレジャー感覚でお手軽にやって許される日」
だと気づいたゆりあさん。
これまで世間の浮かれたイベントに斜に構えてきた彼女も、この機会に伴ちゃん親子にバレンタインのブラウニーを作ることを思い立ちます。
ただのブラウニーではなく、バナナ、マシュマロ、チョコクッキー、クルミと「全部盛り」の豪華ブラウニー。

※【コマ引用】「ゆりあ先生の赤い糸」(入江喜和/講談社)6巻より
一緒に暮らす幼い姉妹、まに&みのんを楽しませることも視野に入れてのブラウニーづくり。
ゆりあさんのあふれるような愛…というか漢気が、この盛り盛りブラウニーに象徴されているかのようです。

もりもり具だくさんブラウニーだけに、材料ももりもりです。
材料(12x10cm型2個分/15cm正方形型なら1個分)※分量は参考まで
・板チョコ 2枚
・ココア 15g
・無塩バター 70g
・グラニュー糖 70g
・小麦粉 50g
・卵 2個(溶いておく)
・アーモンドプードル 30g
・バナナ 小1本
・クルミ 40g
・チョコクッキー(今回はブルボンのブランチュールにしてみた) 4枚
・マシュマロ(普通サイズ) 8個

作り方:
作中にならって型もアルミホイル+クッキングシートで手作りしてみました(動画の最後で説明しているのでご覧ください)。
ただ工作苦手勢には(こんなシンプルなやつでも)つらい作業なので、市販のスクエア型があればそっち使った方がおすすめです。


まずは事前準備。
バナナは刻んでフォークでつぶし、ペースト状にしておきます。
クルミはフライパンで乾煎りし、ざくざく刻みます。


小麦粉+ココアパウダーは一緒にふるっておきます。
板チョコとバターは細かくしておく。


ボウルに刻んだ板チョコとバターを入れ、湯煎で溶かします。
チョコが溶けたらグラニュー糖を加えて混ぜながら溶かします。
ボウルを湯煎から外し、溶き卵を3回に分けて加え、泡だて器でツヤが出るまでよく混ぜます。


アーモンドプードル、ふるった小麦粉+ココアを加え、練らないように粉けがなくなる程度にさっくり混ぜます。
ある程度混ざったら、刻んだクルミ、バナナペースト、砕いたチョコクッキーを加え、引き続き全体をさっくり混ぜます。

型に生地を入れ、上から何度か軽く落として平らに整えます。
(手作り型の場合、崩れないように注意)
180度に予熱しておいたオーブンで25分~30分焼きます。


ブラウニー作りを見ていたりくのアドバイスを参考に、マシュマロは最後に後乗せします(最初に生地に混ぜると溶けてなくなってしまうらしい)。
一度焼いた生地を取り出し、マシュマロを半分に切り、切り口を下にしてブラウニーに乗せ、追加で3分程度焼きます。
後乗せのマシュマロですが、焼きすぎると冷めたときにしぼんでべちゃっと広がってしまうので、形を残したいなら長く焼きすぎないほうがいいです。
あとトッピング時も、包丁がマシュマロの部分にあたると、水飴のように伸びて刃にくっついて非常に切りづらかったので、配置した間をカットできるようにしました。

焼きあがったのがこちら。
冷めてから切り分けます。


クルミやクッキーが見える楽しい断面、テンション高まります。


食べた感想:
バナナの香りがふんわりする、しっとりブラウニー。クルミとクッキーのざくざく、上にのせたマシュマロのふわふわ。一切れでいろんな味わいと食感が楽しめて、まさに欲張り仕様。
伴ちゃんも感激してくれたようですが、このプレゼントがきっかけで、その後りくと一波乱起きてしまう展開からすると、因果なスイーツ…といえるかもしれません。
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