うんちく系グルメマンガのなかで別格に好きな作品のひとつ「めしばな刑事タチバナ」。新刊読むたびに、B級グルメの着眼点と言語センスの良さに痺れてます。
39巻で、ひさびさに主人公のタチバナが作るB級レシピが掲載されていたので再現しました。最近、レシピ系のエピソードは辛味部の女子ふたりの担当だったのでちょっと新鮮ですね。
YouTuber風に登場したタチバナが、「個人的にはそこそこ自信作だけど世に出すつもりはなかったシリーズ」として紹介するのが、「炒めカレースパゲティ風の何か」。
※【コマ引用】「めしばな刑事タチバナ」(坂戸佐兵衛/旅井とり/徳間書店)39巻より
※【コマ引用】「めしばな刑事タチバナ」(坂戸佐兵衛/旅井とり/徳間書店)39巻より
このテロップの演出含め、だめなYouTuber風の進行がなんか妙にリアルで、動画で再現したくなったけど自分がやると本当にさぶい感じになりそうで諦めました……。
さてこのメニューですが、タチバナいわく
いわゆる“炒めスパ系”の店で俺がときどき食べてる「カレースパゲティ」を……というものらしい。
ウチでもと思って真似して作り始めた
「炒めスパ系の店」とは、具体的にどこを指すのか。
スパゲティのエピソードが中心だった13巻を読み返すと、「パンチョ」や「ロメスパバルボア」といった、新橋~神田発祥のガッツリ大盛系パスタのことを指すようです。
パンチョは最近チェーン展開活発なのか、うちの近所にもできてたな~。イタリアンからおしゃれという幻想をとっぱらって、カロリーの暴力で殴ってくるみたいな感じが好きです。
この炒め系スパを、スパゲティは茹でるのが面倒だからという理由でうどんに変えてしまったのが今回の料理。羊頭狗肉というべきか、換骨奪胎というべきか、果たして。
材料はシンプルで、
・ゆでうどん
・小松菜
・レトルトカレー
・サラダ油
のみ。
レトルトカレーのセレクトも、タチバナのおすすめ品に従います。
おすすめは「銀座カリー中辛」。
・エッジ系よりも王道路線
・具がごろごろしていない煮込み系カレー
がハマるようです。
※【コマ引用】「めしばな刑事タチバナ」(坂戸佐兵衛/旅井とり/徳間書店)39巻より
作り方:(分量は作品を参照してください)
レトルトカレーは湯煎で温めておきます。
小松菜はざく切り。
フライパンにサラダ油をたっぷり入れます。
ゆでうどんを入れ、少量の水を加えてほぐしながら炒めます。
ゆでうどんの水分と反応して、油がバチバチ飛んでコンロが盛大に汚れるのでその点は覚悟を……(男子の料理、大体コンロ汚れる説)。
その後、温めたレトルトカレーを半量だけ入れて炒めます。
カレーが全体にからんだら、「炒めスパジャンルのスター野菜」こと小松菜も投入。
ガンガン炒め続けると、カレーソースの「焦げカス」がうどんの表面に付着してきます。そのあたりが頃合い。
火を止めて皿に盛り、残りのレトルトカレーをかけます。
生卵を落として完成。
集中線エフェクト入れます
生卵を崩して…
うどんにからませつついただきます。
食べた感想:
こんがり焼いて香ばしくなったレトルトカレーに、もちもちのうどん。
炒め系スパ店のナポリタンも、油で煮詰まったケチャップから発生する「謎のうまみ成分」がハマり因子になる、とありましたが、これはそのカレー版かもしれません。
全体的にオイリーなところに加わった小松菜のシャキシャキ感もよし。
そういえばカレーうどんはメジャーなのに、焼きカレーうどんがそうでもないのは不思議よね……などと考えつつ完食。
期待通りの味、というレベルで「絶品」とまではいかないけれど、ゆでうどんとレトルトカレーがあれば、ちょっとひと手間かけてアレンジを楽しめる。食をミニマムに楽しむ天才・タチバナならではのレシピでした。
しかしシリーズということは、この後も第2弾があるってことなんでしょうか。続くってことに期待したいと思います。
コメント
コメント一覧 (2)
スーパーで特売価格で卸してる具の少ないレトルトカレーで食べるのが礼儀かもしれませんが、横須賀海軍カレーとかでも試してみたいものです……
まーむさん
B級料理に「絶品」までのクオリティはいらないんだよな…ということにあらためて気づかされましたw
客観的な評価よりも、自分がその時うまけりゃいい!というか。
私も思わず「ほかのカレーだとどうなるんだろう?」と好奇心がそそられました。