好きな漫画に料理シーンが出てきたので、ウキウキ紹介しちゃう回です!
2019年の「マンガ大賞」を受賞した、山口つばさ先生の「ブルーピリオド」。
リア充で成績優秀。「少し高めの社会のレールの上」を目指し要領よく生きてきた高校生・八虎が絵を描くことに出会い、東大より難関とされる東京藝大を目指すストーリー。
美大受験という知られざる世界を描き、美術を一般目線でわかりやすく解説してくれる業界モノ漫画でもありますが、何よりアートを通じた思春期の物語としてもすごく面白いのです。
明け方の渋谷の街を美しいと感じたことを、生まれて初めて誰かに伝えたくなった八虎の「好きなものを好きっていうのって怖いんだな」というセリフ。
八虎と対照的に自由を貫く女装男子ユカちゃんの「世間が良いっていうものにならなきゃいけないなら俺は死ぬ」という叫び。
自分自身や世間の価値観と向き合い格闘する彼らの姿に、「なぜ人は古今東西何かを表現せずにいられなかったのか」の答えさえ見出しそうになります。
普通のマンガだと主人公が天賦の才能を持っているのが一般的ですが、天才・異才がゴロゴロいるアートの世界では、シンプルな「人一倍の努力」を武器にする八虎こそ、異色の存在に見えてくるのも面白い。
さて、今回の料理が登場するのは美大入学編。個性的な同期キャラも増え、受験編とはまた違った美大カルチャーの面白さが描かれます。
夏休みを使って1年生総動員で作る、文化祭名物の神輿。受験という個人戦を戦い抜いてきた彼らが初めて体験する共同制作の場でもあります。
台風のトラブルで遅れた進捗を取り戻すため、八虎たちは神輿のデザインを担当した田無さんのアパートで作業することに。
そこでふるまわれた即席つまみ3品がこちら。
※【コマ引用】「ブルーピリオド」(山口つばさ/講談社)8巻より
・鯖缶としめじのアヒージョ
・キャベツサラダ
・ネギと油揚げ炒め
安い、早い、うまい、と三拍子そろったおつまみで、みんなの心をわしづかみ。
しかもどれも包丁を使わない調理で簡単そう!
勝手なイメージですが、美大出身の人って料理でも独創性があったり、手際がいい人が多いように思う。田無さんもきっとそのタイプなんだろうな。
鯖缶としめじのアヒージョ:
材料は鯖缶、しめじ、ニンニク、以上!
迷ったのが「鯖缶」と一口に言っても、いろんな種類があること。
ほかの材料が安価なものばかりなので、自然と100円前後で買える水煮缶を選んでしまったけど、アヒージョというからには、オイル漬け缶なのかなあ……という気もする。
でもオイル漬けの鯖缶って、あんまりスーパーに置いてないしなあ。というわけでひとまず水煮缶で作ってみます。
にんにくを1~2かけスライスし、耐熱皿にしめじ、鯖缶と一緒に乗せます。もりもりですがしめじは縮むし、意外に大丈夫。
レンジに5分かけたら完成です(途中破裂音がしたのでラップしたほうがいいかもしれない)。
キャベツサラダ:
キャベツにごま油、鶏がらスープの素をあえただけ。キャベツは手でちぎると包丁使わなくて楽です。
ネギと油揚げ炒め
ネギは丸ごと1本、青い部分も一緒にキッチンばさみでカット。油揚げも同様にカットします。
フライパンにごま油を入れて熱し、ネギと油揚げを入れて炒め、しんなりしたら味の素とめんつゆ、黒コショウで味つけ。
そして今回の再現で、どうしても用意したかったのがこれ。
琉球名物・ハブ酒です。
※【コマ引用】「ブルーピリオド」(山口つばさ/講談社)8巻より
田無さんが持っていたのは生ハブ入りのハブ酒。
↑これを買うべきか迷ったけど、私も家人も爬虫類は苦手。飲み切ったあとの瓶の処理の押し付け合いになることを考えただけでも辛い……。というわけで、今回はエキスだけのハブ酒です。
ひとまず開栓して匂いをおそるおそるかいでみたところ、
あれ、思ったよりすごくいい香りがする…。
ハブだけでなく薬草も入っているからでしょうか。西洋系のハーブ酒よりも好みかも(意図しないシャレ)。
グラスにハブ酒と氷を入れ、炭酸をそそいでいただきます。
飲んでみると、やはり思ったより全然飲みやすい。むしろこれ好き!といえるくらい。
こんなに気に入るなら、思い切って生ハブ入りを買ってみてもよかったかもしれない。
ハブ酒と三種の圧倒的スピードおつまみで宴スタートです。
まずは鯖缶のアヒージョ(風)から。
水煮缶だとどうかな~~と思ったけど、ニンニクのパンチが効いているので、思ったよりアヒージョ感出てます。
鯖缶の旨味+しめじの旨味がダブル美味しい。このままパスタにもできそう。油っけもないので、罪悪感なく食べられるのもうれしい。
気になったので後日、オリーブオイル漬けタイプの鯖缶でも作ってみました。
1缶400円近くするので高級品…!
当然ながらよりアヒージョらしくなりました。
バゲットにオイルごとつけて食べたり、ご飯にのっけてしょうゆかけて食べても美味しい。
ネギと油揚げ炒め。おつまみとしてもいいけど、ご飯のおかずにもなりそう。甘辛は正義ですね。
キャベツサラダ。鳥貴族でおかわりしてるいつものあれだ!
8巻はほかにも写生旅行で班対抗カレー対決のエピソードがあったり、グルメ度高めの内容でした。合成着色料ナシで青くなるカレー、気になります……。
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