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顧客を必ず満足させる、S級のスキルを持つ家政婦。
身長185センチ、「ブス」を自称するインパクトのある容姿ながら、男女問わずモテまくるバイセクシャル。

そんな家政婦・里が活躍するシリーズ最新作が、「令和の家政婦さん」としてかえってきました!わーい!



物語は「颯爽な家政婦さん」にも登場した多賀恵が、母親から独立して家政婦紹介所を新設するところから始まります。里はここに移籍して働くことに。

紹介所に集まったのは、金髪のジェンダーレス男子、ピンク髪のロリータ服女子など、個性バキバキの家政スタッフたち。1話目でさらっと描かれた彼・彼女たちが、その後のエピソードで里と絡んでいく構成になっています。

今回再現するは、「ビーチコーミング」のエピソードに登場するモルディブの料理、ガルディア。

派遣先でヘマをし、そのまま逃げた家政スタッフ、レンレン。彼を追ってきた里が、海辺で振る舞ったのがこの朝食です。

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※【コマ引用】「令和の家政婦さん」(小池田マヤ/双葉社)1巻より

ガルディアとは、カツオでとっただしをご飯にかけたもので、モルディブでは定番の料理のよう。

奄美名物の鶏飯のカツオ版、とは里の弁ですが、実際に食べた人の旅行記をネットで見ると、本当に素朴で、カツオだしということもあり日本食のような親しみを覚える味のようです。

そして気になったのが、このガルディアにトッピングするワサビの木の葉

小池田先生のあとがきによると、「モリンガ」というスーパーフードとしても最近注目されている食材のようです。

日本では生葉はなかなか市販では手に入らないようで(パウダー状にしたものはよく見かける)、小池田先生もなんとタネから栽培して育てたよう。

しかしたまたまネットで検索していたところ、生葉の通信販売できるサイトを発見!



いそいそと取り寄せて再現しました(私はミントさえ枯らす人間なので…)。



作り方は動画でもどうぞ。

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材料:
・カツオ
・ワサビの木の葉(モリンガ)
・赤玉ねぎ
・レモン
・米(今回はジャスミンライスにしてみました)

作中では里が海で釣ったソウダガツオが使われていますが、ソウダガツオの鮮魚は足が早く市販ではなかなか手に入らないようなので、今回はあきらめて普通のカツオで。

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さて、これがずっと気になっていたワサビの木の葉。
試しに生で食べてみると、青くささのあとにピリッとした辛み。この辛みが「ワサビの木」の名前の由来かしら。

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ジャスミンライスを炊いておきます。

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モリンガの葉は、枝からはずしておきます。
手間がかかるように見えますが、枝から一気にしごくようにすると、簡単にまとめてはずせませす。

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モリンガの葉を熱した油で揚げます。



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揚げ時間の差で色に違いが出ました…。

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カツオは表面をさっと洗ってキッチンペーパーで水分をぬぐい、ひと口大に切り分けます。

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鍋に700cc程度の水を沸かして小さじ2杯の塩を入れ、沸騰したらカツオを入れます。ここで日本酒とか入れてもよさそうですが、現地ではほんとにシンプルな調理法のようなので、今回はナシにしました(でも途中で唐辛子は追加してみた)。

アクが浮いてきたら丁寧にとります。

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カツオのスープ、スライスした赤玉ねぎ、カットレモン、揚げモリンガ、ライスが揃ったら完成。

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ライスに玉ねぎとレモンを盛り付け、カツオとスープを注ぎます。

さらにその上に揚げモリンガをトッピングしたら、モルディブの朝ごはん「ガルディア」の完成!
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異国情緒のある朝ごはん。

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紫玉ねぎが入ると、エスニックっぽさ出ますね。

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食べた感想:
スープにご飯をよく浸し、リゾットのように食べる……というのを何かで読んで、そのとおりにしてみました。

塩味とカツオの風味だけのシンプルなスープとご飯の組み合わせは、ほっとする味です。今回はジャスミンライスにしたけれど、ふつうの日本米でも合いそう。

カツオを煮ただけのスープなので、単品で食べるとさすがに少々魚臭さはあって、お酒を入れるか血合いの部分くらいとればよかったかしらと一瞬思ったのですが、紫玉ねぎやモリンガ、レモンと一緒に食べると、不思議と臭みも気になりません。

早朝の海辺独特の、あの肌寒さのなか、この温かい朝ご飯は冷えた体と一緒に心も温めてくれるだろうなあ、と実感できた再現でした。

そして気になっていた、揚げモリンガのふりかけ!
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香ばしさと、後からくるお茶っ葉のようなほろ苦さは、この素朴なカツオスープご飯にぴったり。

このふりかけが肝なんだよ」という里のセリフもわかる、味わい深さでした。代用できるとしたら何だろう……安直だけど、生茶葉とかでしょうか(それも手に入れづらそうだけど…)。


レンレンのエピソードは、「聖☆高校生」はじめ、性のグラデーションと奥行きを描かせたらほかの追随を許さない小池田先生ならではの読み応えでした。思わず多賀恵と同じく自分のセクシャリティを疑ってしまう読後…。



そして間髪いれず11月には2巻も出るとか!!



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