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電子書籍のセールがきっかけでなにげなく読んだ、稲井カオル先生の「うたかたダイアログ」。
ショッピングモールのドラッグストアでバイトする高校生男女の青春ショートコメディです。

会話のボケとツッコミの妙、くっつきそうでくっつかない2人のもどかしい関係…ありふれた、でも二度と帰らない特別な日々……わーん、よい…!!

と、1巻でハマってその日のうちに全巻そろえてしまった。
(↓いまちょうどKindkeで1巻無料のようなので布教します)



稲井先生の作品もっと読みたい…
何か…何かねーがー…!
とナマハゲ化したところ、ちょうど目にとまったのが最新作の「そのへんのアクタ」。

SFっぽい表紙や、「花とゆめ」→「ヤングアニマル」の華麗なる掲載誌の変遷にちょっとドキドキしつつ読んだら、「うたかたダイアログ」と同様、そこには「日常」を描くことへの愛が詰まっていました。



「イズリアン」と呼ばれる地球外生命体が襲来した近未来、人類は死闘を繰り広げた。
しかし数年経つと、そんな非常事態も日常化。
伝説的な活躍で「終末の英雄」と呼ばれた駆除隊の芥(あくた)も、左遷されて鳥取支部に異動になってしまう。

おっとりした女性副隊長・百福が案内する鳥取支部は、人員不足のため駆除隊が食堂のスタッフも兼ね、仕事は犬の散歩に掃除などゆるっゆる
戦闘のために生きてきた芥はこの環境にとまどい、周囲も芥の「空気の読めなさ」にとまどう。

そんなある日、県内でイズリアンの接近が確認される。
ようやく本来の活躍ができると芥は奮い立つが、百福にきっぱり静止される。

かわりに任された仕事が、駆除隊の夜食用のピッツァトースト作り

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※【コマ引用】「そのへんのアクタ」(稲井カオル/白泉社)1巻より

地味極まりない裏方仕事を終えて、
これは戦闘ではない
と冷静に言い放つ芥。
それに対し、百福は穏やかにこう返します。
私達が暮らすのは言わば
「終わりそうで終わらない でもちょっとだけ終わりそうな世界」です

しかし私達はどんな時でも毎日を過ごしていかなくてはいけません
ピッツァトーストを焼いたり散歩に出かけたりしながら

それがこれからの戦いだと私は思います

どんな大災害の後にも、必ず「日常」はやってくる。

英雄として周囲から特別な目で見られてきた芥も、これからは「ありふれた存在」として生きていかねばならない。
そのことに初めて気づいたきっかけが、このピッツァトーストだったよう。

ちなみにこのピッツァトースト、けっして「ピザトースト」とは呼ばせない点含め、百福副隊長にとってこだわりのあるメニューのようで、その後も何度か登場します。

あとがきの稲井先生のコメントでは、具が「ピーマンとハムとキャベツ」と判明し、妙に作りたくなってしまう存在(キャベツが入ってるのって珍しい気がする)。

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※【コマ引用】「そのへんのアクタ」(稲井カオル/白泉社)1巻より

ピッツァソースも手作りっぽい瓶に入っているし(↑)、普通に見えて意外と作り甲斐のあるメニューかもしれない……と、チャレンジしてみることにしました。

ピッツァソースはあくまでも想像で作ります。
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ピッツァソースの材料:(※分量は参考まで)
・トマト缶 1個
・玉ねぎ 1/2個
・セロリ 1本
・にんにく 1片
・オレガノ 適量
・ローリエ 1枚
・オリーブオイル 適量
・塩、コショウ 適量

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フライパンにオリーブオイルとにんにくのみじん切りを中火で熱し、香りが立ったら玉ねぎとセロリを入れて透き通るまでよく炒める。

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トマト缶、ローリエを入れて煮る。
ソースが沸騰したら弱火にし、30分ほど煮詰める。

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トマトソースの水分が煮詰まったらオレガノ、塩、コショウで味を調える。
オレガノはなければ入れなくてもいいけど、入れたほうが「ピッツァ」感が出る気がします。

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煮沸消毒したビンなどに移し替える。

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ピッツァソース(ケチャップじゃないですよ)の完成です。
(パスタとかグラタンとかいろいろ使えて便利です)

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さてここからはピッツァトースト作り。
ほかに揃える材料は
・食パン
・キャベツ(千切り)
・ピーマン(タネをぬいて薄い輪切り)
・玉ねぎ(薄切り)
・ハム(いちょう切り)
・とろけるチーズ

ハムとか野菜の分量は「出し惜しみしてると思われない程度に」、とろけるチーズは「お心次第」とのことです。

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食パンにピッツァソースをたっぷり塗ります。
(その前にバターを薄く塗っておいてもOK)

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キャベツ→玉ねぎ→チーズと具を乗せて、

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ハム、ピーマン→さらに追いチーズ
の順に重ねると、見栄えがいい感じになる…かもしれません。

トースターでこんがり焼いて完成。
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食べた感想:
下に敷いたキャベツがいい感じにしんなりして、具がたっぷりでボリューミー。
オレガノがきいたソースも本格的でいい感じです。
戦闘後の夜食にこれを出す百福副隊長の「わかってる」感、信頼できる…!

このマンガに描かれた「『終末のはじまりの収束』と引き換えに始まった新しい終末」や「ゆるゆるアポカリプス(ゆるカリプス)」というテーマは、コロナとともにある今の状況を重ねてしまいます。
それだけに、非日常を日常として生きていく芥たちの物語の今後はどうなるのか…気になりつつ続巻を待ちたいです。




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