P1140089-2



ずっと家にいることもあり、例年以上に季節の変わり目を感じにくくなっていたのですが(最近ようやくコタツをしまいました)、急に蒸し暑くなりましたね。

暖かくなったら作りたかったのが、「何食べ」16巻に登場する夏豚汁の献立。
シロさんの事務所の同僚、山田さんのレシピです。

幼い子供2人を抱える共働きの山田家にとって、夏休みは修羅場の季節。
給食がなくなり、学童用を含めて毎日お弁当を4人分作るという試練が待っているのです。

この「夏休み=修羅場」という概念、子供がいないと想像しづらかったのですが、休校&外出自粛で「毎日が夏休み」状態の今、お子さんのいるご家庭の苦労を漏れ聞く機会も増え、このエピソードが以前より理解できるようになりました…。


仕事から帰った山田さんを待っていたのは、家のなかで倒れた夫と子供たち。

プールと学童疲れでぐずる子供たちをなだめて疲労困憊の夫は、予定していた焼き餃子とトマトサラダの準備もできず、力尽きてしまったことを妻に謝ります。

そんな夫の無念を引き継ぎ、山田さんが急遽作ったのがこの献立。
(このときの山田さんの覚悟を決めた表情は16巻で一番カッコいいので必見)

koma
※【コマ引用】「きのう何食べた?」(よしながふみ/講談社)16巻より

・夏豚汁(豚肉とトマトとニラのみそ汁)
・卵かけごはん


土井善晴先生も提唱する「一汁一菜」のシンプルな献立ですが、餃子の材料を流用して一気に作り上げる山田さんのこの応用力、やはり仕事できる人だ…!と思わせるシーンです。

健康や家計のことを考え、効率的に、できる範囲での手作り食を頑張ってきた山田家。
だからこそ

「ママ…こ…こんなんでいいの…!?いいのか…!!」
「ええ…ちょいちょいこんなんでいいのよ…」


というやりとりは、「ちゃんとしたご飯」のプレッシャーに押しつぶされそうな人にとって、救いになるシーンかもしれません。

(ちなみに私の限界時の「こんなんでいいのよ…」はペヤングとかどん兵衛にお湯を入れることなので、山田家に比べたらアレですが…いいんですこんなんで…)

作り方:(※分量は作品を参考にしてください)

002003
豚汁の具材は豚バラ、ニラ、トマト。
トマトはくし切りにします。

004005
ニラはざく切り、豚バラはひと口大に。

006009
鍋にごま油を入れて熱し、豚バラに火が通るまで炒めます。
そこに水を入れて煮立たせ、アクをとってから顆粒和風だしを入れます。

トマトとニラを入れてさっと煮て、火を止めて味噌をといたら完成。
(トマトはすぐ煮崩れるので、あまり煮込まないほうがよいようです)

P1140063
チンした冷凍ご飯、生卵と醤油、夏豚汁で一汁一菜献立の完成。

P1140069
彩りもきれいな夏豚汁。

012
豚バラのコクが染みた味噌汁に、トマトの酸味とニラの風味。
ひと口飲むだけで「ああ」となる、腹にすとんと落ちるような美味しさ。

私はもともとトマト入りの味噌汁が大好きなんですけど、家人はそうでもないようなので、今回の献立もちょっと反応を心配してたのですが、予想に反して大好評でびっくり。

豚バラ+ニラのパンチが効いてるおかげかなあ。
これでトマト入りの味噌汁を遠慮なく食べられるかと思うとうれしい。


もうひとつのメインディッシュは卵かけごはん。
010
ご飯に先にお醤油をたらしておくのがポイント。

011
お醤油ご飯の上に溶き卵をかけていただきます。

P1140114
山田さんの言う通り、先にご飯に醤油をかけると、それぞれの味が際立つようで新鮮。
ただの卵かけごはんも、食べ方を工夫するだけでわくわくする食べ物になるのが面白いですね。

しかし手抜きといっても、よく見ればタンパク質も野菜もしっかりとれる、バランスのいい優秀な献立ではないでしょうか。卵かけご飯+具だくさん汁物、の組み合わせはいろいろ応用ききそうでいいな…!と開眼でした。

面倒なとき、しんどいときのために、自分なりの「こんなんでいいのよ」の選択肢をいくつか持っておく。まだまだ続きそうなこの生活ですが、うまく気をゆるませて乗り切りたいですね。



▽読者登録するとLINEで更新通知が届きます


▽Twitter(@pootan)はこちら


▽Instagram(@mangashokudo)はこちら
instagram_bn

▽YouTubeはこちら