ずっと家にいることもあり、例年以上に季節の変わり目を感じにくくなっていたのですが(最近ようやくコタツをしまいました)、急に蒸し暑くなりましたね。
暖かくなったら作りたかったのが、「何食べ」16巻に登場する夏豚汁の献立。
シロさんの事務所の同僚、山田さんのレシピです。
幼い子供2人を抱える共働きの山田家にとって、夏休みは修羅場の季節。
給食がなくなり、学童用を含めて毎日お弁当を4人分作るという試練が待っているのです。
この「夏休み=修羅場」という概念、子供がいないと想像しづらかったのですが、休校&外出自粛で「毎日が夏休み」状態の今、お子さんのいるご家庭の苦労を漏れ聞く機会も増え、このエピソードが以前より理解できるようになりました…。
仕事から帰った山田さんを待っていたのは、家のなかで倒れた夫と子供たち。
プールと学童疲れでぐずる子供たちをなだめて疲労困憊の夫は、予定していた焼き餃子とトマトサラダの準備もできず、力尽きてしまったことを妻に謝ります。
そんな夫の無念を引き継ぎ、山田さんが急遽作ったのがこの献立。
(このときの山田さんの覚悟を決めた表情は16巻で一番カッコいいので必見)
※【コマ引用】「きのう何食べた?」(よしながふみ/講談社)16巻より
・夏豚汁(豚肉とトマトとニラのみそ汁)
・卵かけごはん
土井善晴先生も提唱する「一汁一菜」のシンプルな献立ですが、餃子の材料を流用して一気に作り上げる山田さんのこの応用力、やはり仕事できる人だ…!と思わせるシーンです。
健康や家計のことを考え、効率的に、できる範囲での手作り食を頑張ってきた山田家。
だからこそ
「ママ…こ…こんなんでいいの…!?いいのか…!!」
「ええ…ちょいちょいこんなんでいいのよ…」
というやりとりは、「ちゃんとしたご飯」のプレッシャーに押しつぶされそうな人にとって、救いになるシーンかもしれません。
(ちなみに私の限界時の「こんなんでいいのよ…」はペヤングとかどん兵衛にお湯を入れることなので、山田家に比べたらアレですが…いいんですこんなんで…)
作り方:(※分量は作品を参考にしてください)
豚汁の具材は豚バラ、ニラ、トマト。
トマトはくし切りにします。
ニラはざく切り、豚バラはひと口大に。
鍋にごま油を入れて熱し、豚バラに火が通るまで炒めます。
そこに水を入れて煮立たせ、アクをとってから顆粒和風だしを入れます。
トマトとニラを入れてさっと煮て、火を止めて味噌をといたら完成。
(トマトはすぐ煮崩れるので、あまり煮込まないほうがよいようです)
チンした冷凍ご飯、生卵と醤油、夏豚汁で一汁一菜献立の完成。
彩りもきれいな夏豚汁。
豚バラのコクが染みた味噌汁に、トマトの酸味とニラの風味。
ひと口飲むだけで「ああ」となる、腹にすとんと落ちるような美味しさ。
私はもともとトマト入りの味噌汁が大好きなんですけど、家人はそうでもないようなので、今回の献立もちょっと反応を心配してたのですが、予想に反して大好評でびっくり。
豚バラ+ニラのパンチが効いてるおかげかなあ。
これでトマト入りの味噌汁を遠慮なく食べられるかと思うとうれしい。
もうひとつのメインディッシュは卵かけごはん。
ご飯に先にお醤油をたらしておくのがポイント。
お醤油ご飯の上に溶き卵をかけていただきます。
山田さんの言う通り、先にご飯に醤油をかけると、それぞれの味が際立つようで新鮮。
ただの卵かけごはんも、食べ方を工夫するだけでわくわくする食べ物になるのが面白いですね。
しかし手抜きといっても、よく見ればタンパク質も野菜もしっかりとれる、バランスのいい優秀な献立ではないでしょうか。卵かけご飯+具だくさん汁物、の組み合わせはいろいろ応用ききそうでいいな…!と開眼でした。
面倒なとき、しんどいときのために、自分なりの「こんなんでいいのよ」の選択肢をいくつか持っておく。まだまだ続きそうなこの生活ですが、うまく気をゆるませて乗り切りたいですね。
コメント
コメント一覧 (16)
塩分も補給できるし栄養も摂れるし
一石二鳥ですね、にしても写真から見てわかる
美味しそうな食べ物達!お腹が鳴っちゃった…!
カルピスさん
ありがとうございます!
夏だけといわず、時間のない時にぴったりの献立ですよね。
卵かけご飯+具沢山汁ものの組み合わせは、いろいろ応用できそうです。
ここ一か月以上、ブログもSNSも更新無しなのですが、お元気でしょうか?
ブログに関係の無い書き込みで申し訳ありません。
心配で、たまらずツイートさせていただきました。
また新しい更新を心待ちにしてます。
ゆのっこさん
ご心配おかけしてしまって申し訳ありません&温かいお言葉ありがとうございますmm
引っ越しや仕事でしばらくネットの活動から遠ざかっておりました…。
更新準備中ですので(勘が取り戻せずなかなか書き進みません;)しばしお待ちください~!
>「ええ…ちょいちょいこんなんでいいのよ…」
冷凍ご飯+てが空いた時に作った冷凍おかず+冷凍野菜と刻んだ豚肉で作ったみそ汁
他にも常備の総菜があれば、億劫な日はささっと済ませれますね
しんどさを無理して作って、ストレス作って不和を家庭内に産む位ならこれでいいんです
出来るなら手作り、無理なら次善の料理で
これでいいんです
まーむさん
そうなんですよね、無理して雰囲気が悪くなるくらいならうまく手を抜くことを覚えたい、と思ったエピソードでした。
山田さんはそういう乗り切り方がとてもうまそうで、今後の話も期待しちゃいますね。
は、恥ずかしすぎる…!(mangashodo...)
ご指摘いただかなければずっと気づかなかったと思いますw
助かりました、ありがとうございます!
漫画衝動、あながち間違いとも言い切れないか?
ちょうどトマトもニラも豚バラもあるので今日のお味噌汁決定です!いつも素敵なブログありがとうございます😊
まるこさん
こちらこそコメントありがとうございます!(遅い返信で申し訳ありません…)
どれも夏に常備してることの多い野菜なので、すぐ作れるのがありがたいですよね。
夏の豚汁美味しそう…♡明日作ろうと思います。
更新楽しみにしています!
Aさん
そうなんです、山田さんの鬼気迫る表情もあって、これが今回の巻のMVPかもしれませんw
「夏豚汁」というネーミングもいいですよね。
そうなんですよ、世の中「時短」だ「ズボラ飯」だといろいろ流行りはしましたが、まだまだ「お手本」通りの献立が良しとされてる空気・・・。
「ちょいちょいこんなんでいいのよ」は作る側よりもむしろ食べる側に持っていただきたい意識です。食べる側のハードルが低ければ低いほどいいんです。
野菜・タンパク質・炭水化物があれば充分なんです。
山田さんの息子さんがリクエストしてたようにたまごかけご飯を納豆ご飯に変えてもおいしそうですね。
共働きだった私の実家の「こんなんでいいのよ」飯はうどん・焼きそば・お好み焼きでしたが、私の夫は夕飯に麺類と粉物を出すことを是としない人でしたので、我が家の「こんなんでいいのよ」飯はダンナの大好物カレー一択となりました・・・さびしい・・・。
麻さん
あああ、ほんとそれ確かに!>食べる側に持っていただきたい意識
作る側はもういつでもハードル下げる準備はできてるのでw
「こんなんでいいのよ」の基準は各家庭で異なるので、誰かと一緒に暮らすとすりあわせる作業も必要になりそうですね~。
(うちも実家がおかず一杯並べる主義、家人は1品で十分派なので、最初とまどいました…)
今後も山田さんにはぜひともお手軽・ローコスト・栄養満点メニューを期待したいです。
佳代子さんはオールマイティ、小日向さんはセレブ風などなど、なに食べは献立にしっかりとキャラクター性が反映されているのがすごいですよね。
わさびさん
山田さんの夏豚汁、ヒットですよね!
シロさんが昔作った、トマトと長芋のみそ汁も美味しかったけれど、こちらの豚汁はちゃんとメインを張れるのでありがたいです。
何食べ、キャラクターが増えたことで、料理ってパーソナリティが表れるんだなあ、と気づかされますね。