「RUSH」5巻を読んだとき以来、ずっと気になっていた、あの「昭和のおやつ」を再現したのであります。
アキのはからいで、離婚後別々に暮らしていた実の父と再会した百合。
付き合っている年上の医者・住吉先生は父にそっくりだったり、釣りが趣味だった父の影響で突然船舶免許を取得したり。
大人っぽく自由奔放な百合も、ファザーコンプレックスにとらわれた思春期の子どもなのだ、と気づかされるエピソードでした。
父に会えた嬉しさと、それだけではない複雑な気持ちを抱え、寝込んでしまった百合の枕元に
「桃食べなさいね」
とママが置いていったのが、このおやつ。
※【コマ引用】「RUSH」(西村しのぶ/祥伝社)5巻より
おしゃれなカップに入っているのは、缶詰の黄桃、そしてカッテージチーズ。
読んだとき「なんてオシャンな組み合わせ…!」とうっとりしたのですが、びっくりしたのが百合の反応。
※【コマ引用】「RUSH」(西村しのぶ/祥伝社)5巻より
缶詰の桃とカッテージチーズ
変わらない…
この昭和の香りプンプンのオヤツ……
「は~~」といううんざり感たっぷりのため息とともに吐き出される、このセリフ。
え、これ「昭和のおやつ」なの……?
昭和のおやつってのはこう、バタークリームごってりのケーキとか、フルーチェとかシャービックとか、柚子味のあんこが巻かれた謎のロールケーキみたいなのとか、そういうのじゃないの…?
言われてみれば「風邪のときの桃缶」は昭和の養生スイーツの定番だし、カッテージチーズも珍しいものではないので、レトロといえばレトロではありますが。
これが神戸山手との文化格差か……と北河内の田舎出身の自分は戦慄を覚えた瞬間でした。
調べるとこの「桃缶+カッテージチーズ」のレシピは、イラストレーターの大橋歩さんのエッセイにも登場するらしく、元ネタはそこからかもしれません。
チーズケーキのような味わいになるというこの組み合わせ、試してみました。
作り方……というほどでもなく簡単ですが。
材料は黄桃缶、カッテージチーズ(つぶタイプ)、レモン。
カッテージチーズってフレッシュチーズのなかでも安価だしスーパーでも手に入りやすいけど、牛乳がたくさん余ってる場合は手作りしてもよさそう(牛乳+レモン汁or酢で簡単に作れます)。
黄桃は半割りのものをさらに2等分しておきます。
器に黄桃、カッテージチーズを盛り付け、レモンを絞って完成。
完成版を見ても、私にとってはけっして昭和ではない。
令和…令和のおしゃんなおやつよ。
百合ママの店(バー)では1200円のデザートだそうですが、表参道のカフェでもそれくらいで売れる(確信)。
食べた感想:
シロップ漬けの甘い黄桃とさっぱりしたカッテージチーズ。
一緒に頬張れば、確かにこの味わいは甘すぎない大人のチーズケーキ。想像以上においしくてパクパク食べてしまう。
アキくんのセリフどおり、カッテージチーズにレモンを絞ってとかしながら食べると、チーズがゆるんで口当たりがなめらかになって、二度楽しめます。
黄桃以外に、パイン缶も相性よさそうだなー。
(中年になると法事のおさがりとか防災用にフルーツ缶をもらう機会が増えるんだけど、子どもがいないと食べるタイミングもなかなかないのよね…)
クラッカーと一緒に食べたらさらにチーズケーキっぽさマシマシでさいこう!
朝ごはんにも手軽でぴったりだし、ワインのおつまみにもなりそう。
百合のような神戸の粋ガール気分を味わえる簡単レシピ、汎用性高くておすすめです。
▼以前作った百合のスコーンはこちら
コメント
コメント一覧 (5)
早速しらべてみました!
とても可愛いです。
買ったら桃とカッテージチーズのデザート早速作ります!
ところでゆず味のあんこのロールケーキとは、四国銘菓の一六タルトでしょうか……関西だと普通に売ってるのかな? 以前スーパーのフェアで偶然買って食べて以来ファンになってしまった蝦夷地の田舎者としては、そちらも憧れのお菓子です。またフェアとかしてくれないか、物産展などに来ないかと思っているのですがなかなか……(自分用の日常おやつに送料は……と躊躇ってしまう貧乏性です)。
かざみどりさん
はじめまして、コメントいただきありがとうございます!
そうなんです、モロモロのカッテージチーズがちょっとクリームチーズっぽい食感になって面白かったです^^
あんこロールケーキ、そうです、これです!>四国銘菓の一六タルト
(でも私が食べてたのはこんな高級品ではなく、無名メーカーのものだったはず)
子どものころは生クリームじゃないこの渋いロールケーキはあまりテンションが上がらなかったのですが、大人になったいまは大好きですw
今回もとても美味しそうです。
ところで、器も大変可愛らしいのですが、これはどちらのものなのですか?真似したくなりましたが、手の届くものなのだろうか...
らりるさん
器ほめていただきうれしいです…!
こちら雑貨店のキャトルセゾンで買ったもので、案外お手頃です(ひとつ1000円もしなかったはず)。
調べてみたら松尾ミユキさんというイラストレーターさんの絵付けらしく、「松尾ミユキ フリーカップ」で検索したらネット通販がいくつか出てきました!