
年末に発売された「3月のライオン」15巻。
新キャラの「元天才」あづさ棋士の愛すべきこじらせぶりもよかったけど、心の声で会話する田中七段のキャラは前々からめっちゃツボだったので、棋士としての深堀りエピソードが読めて満足。
「3月のライオン」は零の成長という本筋だけでなく、棋士という「一見地味なスーパーマン」たちのそれぞれの生きざまの描き方にも魅了されます。
今回再現するのは、巻末の特別編「あかりの銀座物語」に登場する料理。
このエピソード、もともとは数年前に池袋で開催された羽海野先生の原画展の来場記念冊子に掲載されたもの。早速単行本に収録されて、入手できなかった人には嬉しいはからいですね。
叔母・美咲さんが経営する銀座のクラブをたまに手伝う川本家の長女、あかりさん(零との出会いもこの仕事がきっかけでしたね)。
お店の常連のお客様にも大人気なのが、彼女の作る特製ポテトサラダ。

※【コマ引用】「3月のライオン」(羽海野チカ/白泉社)15巻より
たっぷりマヨネーズ、刻んだらっきょう、そこに半熟卵、ゴロゴロの厚切りベーコンが入った、カロリー限界突破のポテトサラダ。
そして常連客も美咲おばさまも見抜けなかった、「どこかで味わった」「クリーミーで甘いやさしさ」の美味しさの隠し味は、なんと練乳。
食べる前から「絶対美味しいやつ」と確信するこの悪魔的メニュー、再現してみました。
ずっとさぼってた動画もひさびさに再開しました。
材料:(分量は参考まで)

じゃがいも 4~5個
たまご 3個
きゅうり 1本
玉ねぎ 1/2個
らっきょう 15粒くらい
厚切りベーコン 8~10cm
酢 大さじ1
塩、コショウ 適量
マヨネーズ たっぷり
練乳 大さじ1~1.5


じゃがいもは皮つきのままたっぷりのお湯でゆでます。竹串がすっと通るまで、30分くらい。
ゆで卵はやや固めの半熟に仕上げます。冷蔵庫から出したてを沸騰したお湯で9~10分ゆで、冷水にとっておきます。
(卵のゆで時間は8巻の角煮丼のシーンで復習)


じゃがいもを茹でている間に具材の準備。
薄切りにしたきゅうり、みじん切りした玉ねぎは塩もみしておく。
らっきょうはみじん切りにしておく。


厚切りベーコンはゴロゴロの角切りにして焦げ目がつくまで焼く。
ちなみに厚切りベーコンは銀座仕様で、川本家ではふだんウインナーを入れているのだとか。


ゆであがったじゃがいもは熱いうちに皮をむいて、ボウルに入れて軽くつぶし、酢、塩、コショウで下味をつける。
続けて塩もみして水気をしぼったきゅうりと玉ねぎ、らっきょうを加えてざっくり混ぜます。

さてここから必要なのは勇気。
マヨネーズのボトルを「そっと目を閉じて」ためらわずに思いっきり絞り出します。そう、ぶりぶりっと!
合計何グラム?とかそんな些末なことは考えなくてよいのです。とにかくもう「あ、やっちまった」という気持ちになる程度にぶりぶりと。

続いて練乳を大さじ1~1.5くらい投入。
マヨネーズでやっちまった感が出たので、もう練乳にも抵抗はなくなっているはず。
あとはじゃがいもをつぶしすぎないように混ぜて、半分に切った半熟たまご、焼いた厚切りベーコンを加えて完成。

これ一品ですごいご馳走感!


食べた感想:
「これこれ!」と言いたくなる、外食やお惣菜店で食べるようなバシッと味の決まったポテトサラダになって感動。これまで自分で作ると「どうも味がぼんやりしてる…」となることが多々あったのですが、やはり「マヨのためらい」が原因だったのか……。
あと練乳のおかげで、マヨの酸味がおさえられほんのり甘くてミルキーなのも新鮮です。
ぷちぷち食感が残るらっきょう、ゴロゴロベーコンに半熟卵の食べごたえもあって、お酒のおつまみとして十分存在感があるのも呑兵衛には嬉しい。
無慈悲なカロリーの女神・あかりさんの暴走は止まりません。
続けてお客様にご提案するのがポテトサラダ入りのホットサンド。

※【コマ引用】「3月のライオン」(羽海野チカ/白泉社)15巻より
ポテトサラダ(炭水化物)をバターをたっぷり塗ったパン(炭水化物)で焼く(そしてさらにチーズもインする)、悪魔超人な食べ物。
これを食べて許される人類は思春期の運動部員だけじゃないでしょうか……。

でも作ります。
ここまで来たら見たいじゃないか、カロリーの地平線の向こう側を。
材料はポテトサラダ、食パン(6枚切り)、バター、ピザ用チーズ。


ホットサンドメーカーにバターを塗った食パンをのせ、ピザ用チーズ、ポテトサラダを乗せる。
もう1枚のパンをのせてフタを閉じ、両面をこんがり焼いて完成。

絶 対 美 味 奴~~~~。

クリーミーなポテサラにチーズ、バターたっぷりさっくりトースト。
もう鉄板、極厚鉄板なうまさです。
耳ができるタイプのホットサンドメーカーも持ってたので、再び焼いてみた。

こっちのほうが具材が中央に寄るせいか、切った断面が映えますね。ばえばえ。

このページ内の総カロリーを計算してはいけない。
しかし前々から思ってたけど、ポテトサラダ、マカロニサラダ、卵サラダ。お前たちはマジでそろそろ「サラダを名乗ったらあかん3兄弟」だよ……。
そういえば去年は14巻のカジカのフライを作りたくて秋にカジカ釣りを計画してたのですが、週末の台風襲来で実現できなかったのが心残り……。今年こそ行けるといいな。
Twitterでもご報告があり、15巻でもあとがきに描かれましたが、羽海野先生の愛猫・ブンちゃんが天国に旅立ったようです。ブンちゃんの存在はファンにとってもなじみ深かっただけに残念でなりません。大変ななか最新刊を読者に届けていただけたことに感謝でいっぱいです。
コメント
コメント一覧 (18)
いつも楽しく拝見しています。ポテトサラダやマカロニサラダなど、「デンプン系」(とあるフードスタイリストさんの表現)のサラダ、私も大好きです。味わいのための工夫、皆さんすごいですね。本で見たのだと、おイモが熱いうちにまずお酢、そして塩、スープのもと、顆粒だし等でしっかり下味をつけると、マヨ控えめでもおいしいそうです。
あと、お酢とマヨを混ぜたあと仕上げに豆乳を足すと、お酢の作用でクリーミーになってなかなかいいです。
カナカナさん
はじめまして、コメントありがとうございますmm
「デンプン系サラダ」、なんて的確な表現…!さすがフードスタイリストさん。
豆乳を入れるテク、ヘルシーそうだし真似したくなりました~。
774さん
アヒージョレベルに油ビッタビタなんでしょうか、気になります…。
最近は脂質が気になってドレッシングの量にも気をつかうお年頃ですが、豪快な歴史を聞くともはやヘルシーさとかどうでも良くなりますねw
体に悪いものは美味しいですよね……_(´ཀ`」 ∠)_
サラダの語源、知りませんでした。まさか野菜ではなく調味料の方だったとはw
海原雄山先生も「人は生野菜が好きではない」と断言してましたしね…。
私はとある施設で入居者の食事を作っていますが、約200人前ともなると一回で業務用の1kg入りのマヨネーズ一本は軽く消費します(場合によっては足りない事も)
栄養士さんの献立の通りに作るとどうしても味が薄いので増やしてます。
またマヨだけだとボヤけた味になるので塩胡椒で味を整える必要がありますね。
カロリーが気になるなら、マヨを減らしてヨーグルトを入れると良いと聞いた事があります。
実際家で作ってみた所、それ程違和感無く仕上がりましたのでお薦めです。
あと名乗ったらあかん3兄弟にツナマヨも加えてやって下さい。
市販レベルの味になるよう調理してみたら、マヨの使用量の多さに慄きました。
それ以来ツナマヨを気軽に食べることが出来なくなりました。
HightMasterさん
業務用でも足りない場合が…!でも200人前となるとそうなるのも想像つきます^^;
わたしもヨーグルト入り、試したことあります!
が、ヨーグルト嫌いの家人は敏感なようであまり大っぴらに入れられないのが悲しみ。
そうだ、ツナマヨもあかんやつですねw
あいつも市販レベルの満足度にするにはマヨ大量が正解なのですね(オソロシイ・・・けど試したくなってしまう)。
成分的にはマヨネーズご飯と同じですよ彼らは。
もうそろそろ別の名称を与えた方がいい気がすれども、じゃあ何と呼べばいのか思いつかず・・・。
ポテマヨとかマカロニマヨとか?うーん、しっくりこない。誰か考えてー。
「これはサラダだから副菜で食べてOK!」と自分をごまかすのもそろそろ限界なのよー(年齢と体型的に)
麻さん
「ポテサラ」より「ポテマヨ」のほうが、「食べたらやばいよ」感が出ていいですね…!w
私事で恐縮ですが、家人にいつも「野菜ちゃんと食べて」と注意してるのですが、外食のサラダバーで自信満々にあの3兄弟をてんこもりにしてくるのを見ると(皿が白い)殺意を覚えますw
まるこさん
私もびっくりしました…!
ご本人にご覧いただくの、めちゃくちゃ嬉しいのとめちゃくちゃ恥ずかしい気持ち(例えるならカラオケしてたら後ろからご本人登場的な…)が混在してわーっとなりますw
このポテサラの作り方とっても気になってました!
特に練乳の配合がどのくらいなのかが気になって気になって・・・
ホットサンドなんて悪魔じゃないですか!!そんなの美味しいに決まってます!!
そりゃおねいちゃんの増量を加速させるワケですよw
ゆのっこさん
お久しぶりです、コメントありがとうございます!
私も練乳どれくらい入れればいいんだろう…と気になったのですが、↑のレシピ(大さじ1~1.5)より多めでもいいかも!と思うくらい美味しかったです^^
韓国料理屋さんに行くと、たまに突き出しでポテサラが出てくるけど、あれも甘めで美味しいんですよね(韓国や台湾はマヨネーズ自体が甘いらしいです)。
ごろごろとした芋、たっぷりのベーコン、素材の味を生かして……などという言葉に惑わされないマヨネーズの大規模投入
素材との調和なんて考慮しない痺れる程のマヨネーズの刺激的な味わいがポテサラの醍醐味であると
半熟卵の黄身の塩梅が「柔すぎて黄身の味を主張し過ぎない」点も心憎い
ホットサンドにしてみましたがこれも実に美味い
ただ、ハンバーガーの温くなったピクルスがダメな自分としては、ホットサンドverではキュウリを避けて作ってます
物足りないならキュウリのピクルスを仕上げに添えて、ってな感じですね
まーむさん
そうなんですよね、いつも自分で作るとき「素材の味を生かすのよ…!」とマヨ控え目にしちゃうのですが、やはり物足りなくなるという…。
ホットサンド、たしかに温かいキュウリはちょっと抵抗ある人もいるから、抜きで作ってもよさそう!
このポテサラ!近々やってやろうと決めていました!
やはり美味しそうです☆
意欲高まりました
しかしウチにはホットサンドメーカーが無いのです…これはもう買っちまうしかないかしら…
サラダ名乗ったらあかん三兄弟に笑いました
ほんこさん
あのポテサラのエピソード、読んだら絶対まねしたくなりますよね。
ホットサンドメーカー、あると朝ごはんのバリエーション増えて楽しいです~(背中押し)。