

※【コマ引用】「その女、ジルバ」(有間しのぶ/小学館)5巻より
今年4月「その女、ジルバ」が手塚治虫文化賞を受賞した、というニュースを目にして、思わず心が飛び上がってしまった。
2000年代に生まれた新しいマンガ賞は(自分もいくつか参加してますが)、広い層から票を募る選考方法がとられていて、そのシステムのなかでは不特定多数におすすめできる絶対的エンタメ作品や、勢いや話題性の強い作品が大賞になることが多いように思う。
対して手塚治虫文化賞は比較的クローズドで、最終的には選考委員内の審議で決まる方式。過去の受賞作を見ても、単純な投票方式ではスポットが当たりづらい作品が受賞する場合もある。
※手塚治虫文化賞の選考会の様子がわかる記事としては、ブルボン小林さんと山内康裕さんの対談(2015年)がめっちゃ面白いです
7年の連載中目立ってランキング入りしていなかった「その女、ジルバ」が、完結したタイミングで大賞受賞、というのは選考会の「推したい熱意」のようなものが伝わってきて、なによりこれをきっかけに「ジルバ」を手に取る人が増えるかと思うと、単純にうれしい(山田参助先生の「あれよ星屑」も新生賞を受賞したし、「戦後生まれの作家が描いた戦後漫画」が同時期に評価されたのも胸熱だった)。
というわけで3巻のちーぶらげに続き、最終巻を読んで作りたかった料理を再現してみます。
昼はスーパーの倉庫スタッフ、夜は高齢バーの新人ホステスと二足のわらじでやってきた主人公・新(あらた)は、ついにホステス1本でやっていくことを決意。そんなときバーのマスターから、店の二階の空き部屋に格安で住む話を持ち掛けられます。
引っ越し作業が終わったあとのお祝い会に登場したのが、このダイナマイト鶏団子鍋。
店一番の癒し系婆・ひなぎくプロデュースの鍋で、ネギ、しょうが、ゴボウ、レンコンが入った具だくさんの鶏団子が主役。
さらにもうひとつのポイントは「鍋の底に玉ねぎを沈めておく」こと。
ダシが美味しくなり、さらに最後にとある「お楽しみ」も待っています。
「モンキーパトロール」の香ちゃんレシピといい、有間先生作品に出てくるこういう料理の小ネタには絶大な信頼を寄せているので、ぜひ試してみたかったのです。

※【コマ引用】「その女、ジルバ」(有間しのぶ/小学館)5巻より
レシピはありませんが、作中の描写をヒントに自己流で再現してみます。


まずは鶏団子づくりから。
ボウルに鶏ひき肉、ゴボウ(ささがき)、レンコン(すりおろしorみじん切り)、ネギ(みじん切り)、すりおろししょうが、パン粉、塩、日本酒、味噌を入れてよく混ぜておく。


鍋に水を入れてだしこんぶを1時間ほど漬けておく。
大きめのくし切りにした玉ねぎ(中玉1個分くらい)を入れて火にかけ、沸騰したらだしこんぶを取り出し、大きめに丸めた鶏団子を玉ねぎの上から入れて火を通し、アクを取り除く。


肉団子が固まったら、白菜、しいたけ、ねぎ、えのき、ゴボウを並べて具材に火が通るまで煮込む。

関係ないけど↑の写真、湯気がいい感じに撮れた。


タレはポン酢と味噌だれの2種類。
味噌だれは、あわせ味噌に醤油、みりん、すりごま、すりおろしにんにく、一味など適当に混ぜてみた。

ゴボウとレンコン入りの鶏団子はふわふわなのに食べごたえ十分。鶏、根菜、そして玉ねぎの甘みがしみたスープも美味しい。
そしてひなぎく婆プロデュースの鍋の〆がまた魅力的なのです。
鍋底に残ったトロトロの玉ねぎで作るポタージュ!

※【コマ引用】「その女、ジルバ」(有間しのぶ/小学館)5巻より
鍋のシメといえば雑炊、麺類くらいしか思い浮かばなかったのに、ポタージュにするというのは新発想。


玉ねぎだけでなく根菜や白菜も残りましたが、スープごとまとめてハンドミキサーで攪拌。


これを牛乳でのばし、再度火にかけて温めます。味をみて必要なら塩コショウ。

玉ねぎポタージュの完成。

ゴボウや味噌の風味もほんのりする和風ポタージュで、お酒も飲んだ〆にしみじみ美味しい。
これならお腹いっぱいでも飲めるし、翌朝の朝食にもできる。さらに余った鶏団子があれば、肉団子シチューにもアレンジできる。さすがベテラン女子の知恵です。
そういえばこないだ「ジルバ」を実写化するなら配役は誰がいいか…という話で盛り上がったのですが、くじらママは美輪様しか出来る人いないよなーとか(若いころは北川景子なんてどうだろう)、チーママは当然梶芽衣子様一択、とかホステス陣のキャスティングを考えるだけでも楽しい。
一方で主人公・アララの適役がどうしても思い浮かばない…。40歳前後、美人ではないけれどだんだんそのやわらかな魅力が開花してく、というキャラクターを演じられるのって誰かなあ(こういうとき芸能に疎いともどかしい…)。
気がつけば鶏団子鍋のマンガ飯、いろいろ作ってたのであわせてご紹介。


まずは鶏団子づくりから。
ボウルに鶏ひき肉、ゴボウ(ささがき)、レンコン(すりおろしorみじん切り)、ネギ(みじん切り)、すりおろししょうが、パン粉、塩、日本酒、味噌を入れてよく混ぜておく。


鍋に水を入れてだしこんぶを1時間ほど漬けておく。
大きめのくし切りにした玉ねぎ(中玉1個分くらい)を入れて火にかけ、沸騰したらだしこんぶを取り出し、大きめに丸めた鶏団子を玉ねぎの上から入れて火を通し、アクを取り除く。


肉団子が固まったら、白菜、しいたけ、ねぎ、えのき、ゴボウを並べて具材に火が通るまで煮込む。

関係ないけど↑の写真、湯気がいい感じに撮れた。


タレはポン酢と味噌だれの2種類。
味噌だれは、あわせ味噌に醤油、みりん、すりごま、すりおろしにんにく、一味など適当に混ぜてみた。

ゴボウとレンコン入りの鶏団子はふわふわなのに食べごたえ十分。鶏、根菜、そして玉ねぎの甘みがしみたスープも美味しい。
そしてひなぎく婆プロデュースの鍋の〆がまた魅力的なのです。
鍋底に残ったトロトロの玉ねぎで作るポタージュ!

※【コマ引用】「その女、ジルバ」(有間しのぶ/小学館)5巻より
鍋のシメといえば雑炊、麺類くらいしか思い浮かばなかったのに、ポタージュにするというのは新発想。


玉ねぎだけでなく根菜や白菜も残りましたが、スープごとまとめてハンドミキサーで攪拌。


これを牛乳でのばし、再度火にかけて温めます。味をみて必要なら塩コショウ。

玉ねぎポタージュの完成。

ゴボウや味噌の風味もほんのりする和風ポタージュで、お酒も飲んだ〆にしみじみ美味しい。
これならお腹いっぱいでも飲めるし、翌朝の朝食にもできる。さらに余った鶏団子があれば、肉団子シチューにもアレンジできる。さすがベテラン女子の知恵です。
そういえばこないだ「ジルバ」を実写化するなら配役は誰がいいか…という話で盛り上がったのですが、くじらママは美輪様しか出来る人いないよなーとか(若いころは北川景子なんてどうだろう)、チーママは当然梶芽衣子様一択、とかホステス陣のキャスティングを考えるだけでも楽しい。
一方で主人公・アララの適役がどうしても思い浮かばない…。40歳前後、美人ではないけれどだんだんそのやわらかな魅力が開花してく、というキャラクターを演じられるのって誰かなあ(こういうとき芸能に疎いともどかしい…)。
気がつけば鶏団子鍋のマンガ飯、いろいろ作ってたのであわせてご紹介。
コメント
コメント一覧 (22)
大変に失礼しました。
池脇千鶴さんのアララ、初回のインパクトがスゴくて、今後の展開が楽しみで仕方ありません。
ドラマ内でマスターやジルバママのお料理も再現してくれるといいなぁ♪
のばらさん
ジルバドラマ化、めっちゃよかったですよね…!
実写ですてきな女優さんたちが演じることで、よけいに歳をとる楽しみが伝わってくるようでした。
ちーぶらげとかも登場するのか楽しみです~。
(コメント投稿、ダブルで承認してしまってすみません!のちほどどちらか削除しておきますね)
いつも楽しく拝見しております。
「この女、ジルバ」の大賞受賞は私もたいへん驚き、同時に受賞をきっかけに多くの人に読んでもらえたらと喜ばしく思いました。
本作を初めて知ったのも梅本さまの投稿がきっかけであり、興味が湧いて読み始めた次第です。
その他にも梅本さまの投稿をきっかけに読み始めた漫画が多数あり、いつも面白い漫画を素敵な文章と写真でご紹介いだき、ありがとうございます。
梅本さまのご無理のないペースで、今後の投稿も楽しみにしております。
もぐらさん
はじめまして、コメントありがとうございます!
いろんなマンガ賞があることで、いろんな作品にスポットライトが当たるようになっているいまの状況はすごくいいなあ、と思いました。
私もこのブログをはじめてからいろんな作品を教えていただいたり、出会えたりしたので、作品を読むきっかけになれるのが何よりうれしいです。
温かいお言葉ありがとうございます、今後もぼちぼち続けていきます^^
でジルバ役は山口智子さん?
実写とか考えもつかなかったので配役考えるの楽しいです(^O^)
ふもふもさん
永作博美さん、小柄で年齢的にもアララっぽいですね^^
(↓でも書きましたが、私はアララとジルバは1人2役希望します!)
魅力的な女性キャラがいっぱいなので、配役考えるの楽しいですよね…!
ちーこ様
コメントいただきありがとうございます!確認しまして、やはり設定がスーパーのようでしたのでこのままとさせていただけますでしょうか(スーパーも展開する百貨店、とすると電鉄系企業なのでしょうか…)。
梅本様、返信有難うございます。
仰るとおりです。記憶違いで誤った指摘をしてしまい、大変失礼しました。
わざわざ確認して頂く手間を取らせてしまい、申し訳ありません。
アララ、大久保佳代子さんなんてどうでしょう?
ちょっと愛嬌なさすぎ(失礼)かなあ…
島崎和歌子さんや、井森美幸さんもいいかも
アララより、ジルバを誰にするのか迷います
tomoさん
一晩でも語り明かせますねw>配役トーク
大久保さんのビフォー・アフター見てみたい!
大久保さんの声とか落ち着いててすごくきれいなので、ホステス役も似合いそうですよね。アララの同僚役でもいけそう。
ジルバとアララは似てる設定なので、1人2役はどうでしょう(難易度を上げるw)。
モンパトがバイブルの私にとっては少し複雑です。思えばこちらのサイトを信望するようになったのも、香ちゃんのカレーがきっかけでした。
今後もぜひ有間先生作品のお料理再現、よろしくお願いします。
saさん
有間先生の時代、来てしまいますね…!
コミックビームで新連載も始まるようで楽しみです^^
香ちゃんカレー、当時の再現は中途半端になっちゃったので(子牛の肉を使ってない…)また再チャレンジしたいです。
アララ…石田ゆり子さんとか(あれ?もう50歳か!)
最近の40代の女優さんって40代とは思えないから、「この人!」というのは難しいですよね~。
のばらさん
石田ゆり子さんのアララもよさそう!
そうなんです、最近みんな女優さんが若くてきれいなので、「ふつうの40代」を演じられそうな人をイメージするのが難しい…。女優さんなので、いざとなると切り替えて演じられるんでしょうけど。
同じこと思いましたw
めさん
多部ちゃん人気…!
ああほんと、想像するだけで楽しいw
うなぎさん
多部ちゃんいいですね!
ビフォー・アフターも演じ分けられそうです^^
(ちょっとスタイル良すぎなアララになりそうですがw)
ベジブロスとしていい出汁でますよね。
記事のお鍋とスープも間違いなく美味しそう。
NANASYさん
中世ヨーロッパでも玉ねぎはダシだったんですね…!
そりゃポタージュにしたら合うはずだ、と納得しました。