暑い日が続くようになってきたので、「何食べ」15巻の夏メニュー。エピソードとしても15巻で一番好きなのです。
ベトナムに単身赴任したヒロ店長にかわり、今の店を任されることになってしまったケンジ。
いち店員として気ままにやってきた状況から一変、お客の引継ぎにレジ締め、売り上げ報告……と、いっぱしの店長として多忙な日々に。
シロさんも残業しない主義で、ふだんは二人そろった食卓が当たり前だったのに、ケンジの連日の深夜帰宅で「個食」が続きます。さらには夜遅くに食べるせいでお腹まわりも大変なことに…。
こんな状況に絶望するケンジですが、面白くないのはシロさんも同じ。
鍋や鉄板焼きがやりづらくなるし、丼やパスタといった炭水化物メニューも作りづらくなる……と心のなかでつぶやきつつ、いつものように二人分の夕飯準備にとりかかります。
献立は
・油淋鶏(いんげんとかぼちゃ添え)
・大葉ときゅうりの塩やっこ
・エリンギと玉ねぎのみそ汁
いつもよりゆっくり調理してみるも音沙汰はなく、あきらめて鶏もも肉を揚げていたその瞬間……ケンジ帰還。
レジ締め作業ごと持ち帰りにして、一緒に晩ご飯を食べることを思いついたのです。
このときのシロさんの無言の嬉しそうな表情、ザ・プライスレス……(よしなが先生はこういう一コマの表情でキャラに語らせるシーンがほんとにうまいですよね)。
放送中のドラマを見てても思うけど、一緒に暮らすってこういうお互いの小さな努力が必須なんだな、と気づかされます。
※【コマ引用】「きのう何食べた?」(よしながふみ/講談社)15巻より
ちなみにこの油淋鶏、「フラワー・オブ・ライフ」のクリスマスエピソードにも登場しています。当時はレシピが載っていなくて想像で作ったのですが、ついに公式レシピが判明してうれしい…!!(フラワー・オブ・ライフも超名作です)
作り方:
まずは前日(調理の30分前でもOK)に鶏もも肉の仕込みから。
鶏ももは皮目の裏側をまな板に置き、分厚く盛り上がった箇所に包丁を入れて観音開きにし、均一な厚さになるようにします。
元の2倍程度の大きさになればOK。
ボウルに溶き卵、しょうゆ、コショウを入れて鶏ももを漬けこんでおきます。
ここからは当日の作業。
まずは塩やっこから。きゅうり、大葉を千切りにし、ボウルでかつお節、塩と一緒にあえる。
小鉢に豆腐を入れ、上からどばっと野菜をのせて冷蔵庫で冷やしておく。
次にみそ汁。
薄切りした玉ねぎは水から火にかけて、沸騰したらエリンギの薄切り、和風だし、仕上げに味噌を入れる。
ネギのみじん切り、種をぬいた鷹の爪のみじん切り、チューブしょうが・にんにく、しょうゆ、酢、砂糖を混ぜて油淋鶏のタレを作る。
つけあわせのカボチャは薄切りして2分、続けてヘタを切ったインゲンを1分素揚げする。
前日下味をつけておいた鶏もも肉に片栗粉をまぶす。肉の間まで、ムラなく片栗粉をつけるのがポイントのようです。これを7~9分カリっとするまでじっくり揚げて…
半分に切り分け、さらにひと口大に切り分けたら完成。
包丁をあてたときからザクザクと音がして、早く、早く食べたい…!
皿にレタス、揚げカボチャとインゲン、油淋鶏をのせたらタレをかけて完成。
ガッツリメインとさっぱり副菜、見るからにバランスが良さそうな夏の献立。
油淋鶏:
タレをたっぷりかけても、ザクザクした食感はそのまま!
唐揚げだけでも美味しいのに、油淋鶏ってさらに美味しいタレがかかっているんだもの。最強のおかずのひとつではなかろうか。これは確かに揚げたてを食べさせてあげたい。
大葉ときゅうりの塩やっこ:
「何食べ」の豆腐副菜シリーズ、なにげに毎回バリエーションが豊富で楽しみなのですが、「塩やっこ」!そういうのもあるのか…と思わず井之頭五郎になってしまった。
味つけはズバリ塩、それだけなのに、大葉の香りにカツオ節のうまみが加わると、こんなに風味が出るんだなあ、と驚き。
エリンギと玉ねぎのみそ汁:
玉ねぎの甘みがしっかりきいたお味噌汁。エリンギの食感も○。そういえばエリンギは平成になって普及した食材らしいですが、いまやみそ汁に入ってても違和感ないほど食卓になじみましたね。
ドラマもそろそろ後半戦突入ですが、この人気の勢いは二期あるんじゃないですかね…!(テレ東の方向に向かって期待のまなざし)
コメント
コメント一覧 (14)
今では私的トップ3に入るお気に入りマンガです
ドラマが大当り☆で毎週毎週、幸せな今日この頃
"なに食べ"の魅力を伝えてくれたumebonさまに、あらためて感謝です(*≧∀≦*)
ななぁしさん
ブログきっかけで「何食べ」読んでいただけたなんて、こちらもめちゃくちゃ光栄&うれしいです!
遅い返信となり申し訳ありませんが、ドラマほんとに毎週幸せにさせてくれましたね。
とっても嬉しいです😃。ここのブログも皆さんに見て欲しいくらい、
丁寧で色鮮やかだし、再現する上でレシピに誠実で、
めっちゃ美味しそう!
勉強になるよ〜。
マンガもいいけど、あなたが作ったのを食べて見たいな。
sさん
もったいないお言葉ありがとうございます!
よしなが先生のレシピがマンガの作中と思えないほどロジカルでわかりやすいので、私みたいな素人でもちゃんと作れるのがありがたいです^^
忘れがちなことですが、本当に大切なことですよね。いつも頭の片隅に置いておきたい。
インゲンは素揚げが一番おいしいと思ってます。なぜなら噛んでも口の中でキュッキュッって発泡スチロールをこするような感触がしないから(伝わるかな・・・)
天ぷらも好きなんだけど、衣のせいで量を食べられないから素揚げが好みです。
そしてこの塩やっこ、これはもう、庭のシソが育ったらすぐに真似する!
刻んだ梅肉も足す!
ホントおいしそう。
麻さん
相手を思いやること、思いやりをちゃんと受け止めること、両方大事なんだなと思わされたエピソードでした。
わたしも茹でたインゲンの軋む食感が苦手なのでわかります…。
素揚げだとしないの、不思議ですよね。
シロさん、冷奴のレパートリーも豊富ですごいなあと思います。
(レタスの後ろにあるよ)
名無しさん
(フォローありがとうございますmm/写真わかりづらくてすみません~)
@さん
すみません、レタスの陰に隠れてます…!
私が若い頃はエリンギ先生はまだ「変わりヒラタケ」とかそんな感じの名前で出てました。
何時頃からエリンギになったのかしら。
欧州の平原にたくさん生えてるとかで現地の方の写真見ると野生のエリンギにしろアスパラにしろ行者にんにくにしろほんとに大草原になってて摘み草的には羨ましいです。
nanasyさん
確かにエリンギが最初出たときは「なんじゃこら?」と思った覚えがありますw
最初食べたときも「なんじゃこの食感!」と驚いたな…。
欧州ではわらびやしいたけの代わりにエリンギ狩りとかアスパラ狩りができるんでしょうか?たしかにそれはうらやましい…!
私も15巻の中で一番好きなエピソードです♪
当たり前の日常が崩れる理由って、結構こう言う事情があること多そうですよね。
一緒に暮らしているからこその有り難みって、日頃忘れがちだわぁーと、ケンジとシロさんに毎回教わってます(笑)
双子のおかんさん
コメントありがとうございます!
あのふたりを見ると、ご飯の時間ってささいなことのようで大切にしなくては…と教えられますよね。