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※【コマ引用】「きのう何食べた?」(よしながふみ/講談社)14巻より

14巻に登場した、ケンジのひとり晩ご飯レシピ。
両親の終活(お墓の下見)付き添いのため、シロさん不在の休日。
店長と飲みに行く予定もつぶれ、ひさびさの「孤独のグルメ」となったケンジ。

シロさんとは絶対一緒に食べないような食事」をしようと決めるも、ファストフードはつまんないし……その最中、ふと目に飛び込んだのが、持ち帰りコーナーのあるトンカツ屋さんの特上ロースカツ。

このお惣菜トンカツに一手間加えて、夕飯にしようというわけです。
買ったお惣菜を家で食べることを「中食」と言いますが、さらに調理のひと手間を加えるとなると、これはどう分類するんでしょうね。中内食…?

どっちにしろ、これも確かにシロさんは絶対作らなさそうなご飯、というのは長年読んできた読者ならうなずけるはず。

会社帰りに「さぼてん」でちょっといいロースカツを見つけたので、真似して買ってみました。
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これをオーブントースターでこんがりと温めます。

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薄切りした玉ねぎを、水で薄めためんつゆに入れて火にかけ、煮立ったら弱火で2~3分。
温まったカツをひと口大に切って煮汁に投入。

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溶き卵の半量を流し入れ、火を少し強めます。

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卵が半分ほど固まってきたら、溶き卵の残りを流し入れます。半熟の状態で火を止めて、丼ぶりご飯の上へ。今回はこの「卵の半熟状態の見極め」が何よりもポイントかも。半熟職人たれ。

市販のお漬物と一緒に。あっという間にカツ丼の完成。
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ご飯はたっぷり2膳分!
取調室で出てきそうな、クラシカルな正統派カツ丼。
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食べた感想:
一応自炊したというのに……この罪悪感はなんだろう。そして罪悪感があればあるほど美味しくなるのが料理というもの。
サクサクのロースかつにトロトロの卵、甘辛のタレ。玉ねぎもたっぷり入っているとはいえ、この肉と炭水化物と油の暴力の前に、ヘルシー感は無力。

これをかっこむケンジの様子がまた食欲をそそりますが、しばらく食べて落ち着いたあと、我に返る(そして後半戦やや辛くなる)ところが中年のリアル……と思わず共感。

ひさびさのひとり飯を満喫したのち、心に思い浮かんだのはいちど一緒に食事をしたものの、それ以来疎遠になったシロさんとの両親のこと。今日も自分は呼ばれず、シロさんがひとりで出かけたことを、なんとなく気にしてしまったようです。
このときの心の中のセリフが、胸が締め付けられそうに切ない。

「大丈夫大丈夫
 俺は俺でおいしく食べたじゃんカツ丼
 上手にできたじゃん」

が、そんなケンジに嬉しい「お土産」が待っていました(続きは本編で)。

しかしめんつゆを使った卵とじは、一度コツをつかめば簡単だし、いろんなお惣菜に応用がききそう。コロッケ、チキンカツ、からあげ、焼き鳥……あれこれでアレンジしてみるのも楽しいかも。


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