「舞妓さんちのまかないさん」で楽しみなのが、キヨちゃんが作るまかないにたびたび登場する、青森の郷土料理の数々。
7巻に登場したのは「あずきばっと」というスイーツ。東北各地で愛されているおやつで、「あずきはっと(ばっとう)」と呼ぶ地域もあるようです。
キヨちゃんとすーちゃんの故郷では、田植えの時期の定番おやつがこのあずきばっとだったよう。きしめんを茹でて、やわらかく炊いた甘いあずきに絡めるだけ。できたての熱々はもちろん、冷蔵庫で冷やして食べるのもOK。
田植えを熱心に手伝うあまり、いつも冷えたあずきばっとしか食べたことがないすーちゃん。舞妓になってからも、ビッグイベント「春のをどり」を前に、人一倍練習に励みます。努力家な性分は幼少のころからのものだったのですね。
それを常にそばで見ていたキヨちゃんは、このあずきばっとが何よりも「ごほうび」と知っているのでしょう。
小豆はたっぷりの水で茹でこぼし、その後小豆の分量の4~5倍の水で再度茹でる。煮立ったら弱火で1時間ほどくつくつと。小豆が煮汁から出ないように、途中で差し水を加えつつ。
台所仕事にはさまざまな「ひと時」があるけど、小豆を煮るのは好きな時間のひとつ。キッチンで別の用事をしつつ、たまに鍋の様子を見守る。このざっくりさがいい。小豆の素朴な香りもほっとする。
鍋の豆を何粒か取り出して味見して、芯までやわらかく煮えていればOK。
小豆と同量の砂糖を、2~3回に分けて加えながら弱火で煮詰めます。余熱でも火が通るので、汁気が残っている程度で火を止めます。
市販のきしめんを茹で、ザルにあけたら小豆を炊いた鍋に投入。熱いうちに全体をからませます。
熱々のあずきばっとは熱いうちに。残った分は冷蔵庫で冷やしていただきます。
まずは熱ばっとから。
きしめんにあんこ。名古屋っぽいけど、東北のスイーツです。
幅広の麺はまるでくずきりみたいで、デザートとして違和感なく受け入れられてびっくり。つるつるした温かい麺の優しい食感にほっとします。
続いて冷やしばっと。こちらはスプーンで。
冷やしたきしめんはもっちりとして、お団子のような食感。これは確かにスプーンが食べやすい。熱いお茶が合う。
黒蜜やきなこも合いそうだし、フルーツを添えてあんみつ風に食べても美味しいのでは。
今回は小豆から炊いてみたけど、市販の小豆缶+市販のきしめんで十分美味しくできそうだし、作り置きもできるし、普段のおやつとして優秀かも。
しかし「麺+あんこ」の構成要素は名古屋の魔境喫茶「マウンテン」の小倉パスタと同じなのに、あっちはイロモノ扱いになっちゃうのはなぜでしょうね……。
7巻は、百子姉さんとすーちゃんの喫茶店デートが尊すぎました。すーちゃんに「片思い」しちゃう百子姉さんの気持ち、この歳になるとよくわかる。努力家の若い子が、なんともかわいくなってしまうのよね。
コメント
コメント一覧 (16)
うちの実家では、主食としても食べるのですが、「おやつとしては大歓迎だけど、主食はカンベン(+_+)」と思っていました。ちなみに、♪あづきまんま煮立った♪ はわが地方では、♪あんづきばっとう煮だった♪でした。
「煮立った」ではなく、「煮ました」=「だった」は過去形を表す=だと思っていました。メロディもちょっと違ってました。
本式は小麦粉をこねるところからやるらしいですが、我が家でももっぱらきしめん=わが地方では、「ひもかわ」といわれる幅広麺の乾麺でした。
makiさん
おやつだけでなく、主食にもなるんですね!
そして童謡にもちゃんと反映されているあづきばっと、すごいw
NHKの「グレーテルのかまど」でも、ちゃんと生地から作ってましたね。
ひもかわはきしめんよりも薄い幅広麺でしたっけ。うどんの種類を変えても色々楽しめそう!
今度NHKEテレの番組で特集されるようで調べていました
予告を見て、あれこれは(既に上の方が書かれていますが)、小豆ぼうとうの亜種かな?と山梨県民としては思ったのですが、
実は小豆ぼうとうというものがあるのは知ってはいるものの、実物?はあまり食べたことがないんですよね…(峡北(北杜市の方)では祝いの日に食べる?)
味噌のは食べますが…(甲府市民なので)
家族と一緒に番組を見てみようかなと思っています
あさくら@甲府市さん
「グレーテルのかまど」の舞妓さん回みました!
青森のスイーツがたくさん出てきてどれも美味しそうでした〜。
(あとうどんから作っていて、さすが!と思いましたw)
甲府では味噌味があるんですね、どんな味なのか気になります。
ちなみにあずきはっとうはお取り寄せもできますよ!(岩手のメーカーですが) 地元のスーパーにも定番であります。
りとさん
おお、りとさんも!
なるほど、山梨から持ち込まれた説もあるんですね。
市販品もあるとは知りませんでした。機会があればお取り寄せしてみます!
♪あずきまんま煮立った♪ ではなく、♪あんずきばっとう煮だった♪と歌って遊びました。意味は「あんずきばっとうを煮ましたよ」という意味だとずっとおもっていました。音階も微妙に違う(^_^;)
maさん
わー、地元の方からのコメント参考になります!
主食にすることもあるのですね。
そして歌もかわゆい…。
現地で食べてみたいなあ。
美味しすぎるから「ご法度」、実際に食べてみたら「そうなのかも…」と実感できた説でした^^
「ほうとう」からきた説も、甲信越の料理が東北に伝わった経緯もまた面白いそうですね。
おお、実際に食べられていた方のコメント、参考になります!
名前も知らないほど、当たり前にあるお料理だったのですね。
東北は日本海側と太平洋側で食文化が分かれている部分もあって、そのへんも興味深いですね。
はじめまして、コメントありがとうございます!
「ばっと」と「ほうとう」の共通点、気になりますね。
wikiなど見る限り、語源には諸説あるようですが…。
使う麺がきしめんなので、案外うどんとは別物として違和感なく食べられました^^
リクエストありがとうございます!
家人がかぼちゃ嫌いなので、自分ひとりで食べる勇気が必要ですが、気が向いたら…w
こんな名前の料理だったんですねぇ。というか東北の郷土料理だったのも知らなかったです。(調べたら青森というか岩手の郷土料理なんですね)
いろいろ勉強になります。
あずきばっと、なんて初めて聞きました。
ばっと、は「ほうとう」が訛りでもしたんですかね。
うどん=塩気のある味が生まれながらなので
実際に食べると最初は違和感感じてしまうかも…
長細い饅頭と思えば納得できるかも???