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きくち正太先生の食エッセイ漫画「あたりまえのぜひたく。」最新刊(シリーズ4巻)に、ちょっとびっくりなうどん料理が掲載されていたので、気になって再現してみました。

その名も「究極のシンプル天ぷらうどん うち風」。
イブニング連載中の「瑠璃と料理の王様と」のうどん編の取材で、伊勢と讃岐でうどん三昧してきたきくち先生。「うちでもぜひうどんネタを…」という編集者・高松氏の泣き落としリクエストで、出てきたのがこの料理。

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※【コマ引用】「あたりまえのぜひたく。 ─きくち家 渾身の料理は……。─」(きくち正太/幻冬舎)より

「天ぷらうどん」といっても、天ぷらが乗ったうどんではありません。
エビは揚げない、かき揚げも揚げない。揚げるのはうどん」つまり、うどんを天ぷらにしたうどん…。
なんだそれは、どういうことだ。

うどんの前に、まずはきくち先生指南のかけつゆ制作から。
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昆布、厚削りかつお節、そしていりこを水から一緒に火にかけ、アクをとりつつ弱火で40分煮出して漉します。

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讃岐風なので味つけは塩がメイン、淡口醤油を少量。いりこの風味がきいた、さっぱりした出汁です。
それから薬味にたっぷりの大根おろし、しょうがおろし、ネギのみじん切りを用意しておきます。

さて、いよいようどんを揚げます。
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揚げるのは、袋入りのゆできしめん。
きしめんは袋に直接水を入れてほぐし、ざるにあけて水気を切っておきます。
いろいろなうどんで揚げてみた結果、この袋めんのきしめんがベストの食感だったそう。本格手打ちうどんでは逆に固い食感になってしまうらしく、手間をかければ何でもよい、というワケではないのですね。

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ボウルに小麦粉と氷水を入れてさっくり混ぜ、ここにほぐしたきしめん(ひとつかみ分)をさっと絡ませます。

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170~180度程度の油にきしめんを入れ、途中で裏返しながらほんのり色づくまで揚げます。
油に入れると、うどんがプワーッとふくらむのが面白い。

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油をよく切り、どんぶりにほぐし入れて盛りつけ(1人分で袋麺半量でOK)、かけつゆを注ぎます。

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大根おろし、しょうが、ネギをたっぷり添えて完成。

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揚げたうどんが出汁を吸っていくので、すぐに食べましょう。

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食べた感想:
なんじゃこりゃあ!?
エビ天もかき揚げも入ってないのに
味も香りも天ぷらうどんになっちゃってる――
という高松氏の感想どおり、味は天ぷらうどんそのもの!
普通のうどんとどう違うのかといえば、揚げたきしめんが外側サクサクの中身もちもち、つゆに浸せばモロモロと、いろんな食感に変化して、なんだこりゃ、と夢中になるおいしさ。揚げ出し豆腐のうどん版、ともいえるかも。

さっぱりした讃岐風のかけつゆに、たっぷりの薬味、そして「麺半分」という絶妙な分量のおかげで、後味もしつこくありません。麺にコロモを絡ませているせいか、腹持ちもそこそこいいです。軽く飲んだあとのシメに食べたいうどん、という感じかも。

ちなみに最後には、この揚げうどんのおつまみ版も紹介されています。
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コロモに青海苔をたっぷり混ぜて揚げる、うどんの磯部揚げ
仕上げに塩を振れば、ビールにぴったりのおつまみに変身。
(今回はきしめんの残りで作ってみたけど、作中の絵からすると、通常のゆでうどんでやってもいいかもしれない)

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試しに残ったこのうどんの磯部揚げを、かけうどんの上に乗せてみたら、タイ料理のカオソーイ(※揚げ麺がのったココナッツカレーラーメン)和食版、という感じになって、なかなか美味しかった。

料理エッセイだけでなく、夫婦マンガとしてもほっこり楽しめます。

きくち先生が讃岐と伊勢を取材したうどん料理は「瑠璃と料理の王様と」8巻に掲載されています。これも気になるレシピ。

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