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猛暑のなか、こってりスイーツの再現ですみません。
「きのう何食べた?」のパウンド型で焼くフィナンシェです。今月発売される14巻におそらく掲載されるはず(ネタばれ避けたい方はすっ飛ばしていただければ)。

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※【コマ引用】「週刊Dモーニング」2017年11月16日発売号「きのう何食べた?」(よしながふみ/講談社)より

一度別れた元カノの千波さんとヨリを戻すことになったタブチくん。
過去のエピソードでも描かれていましたが、千波さんは料理が苦手。正確に言うと、手際はいいけれど味付けが苦手のようです。

タブチくんも本人を目の前に遠慮なく「美味くない」と公言する一方、「作ってくれればそれでラッキー」というタイプで実際気にしていないようですが、再び恋人になったなかで、千波さんは「本当においしいものを作れたらいいのに」とぽつりとつぶやきます。なんといじらしい。

それを聞いたケンジが提案したのが、お菓子作り。料理はダメでも、お菓子なら彼女の手際のよさを発揮できるのでは……というアドバイス。

これはほんと、私の周囲でも
「お菓子作りが趣味だけど、料理はあまりしない」という人もいれば、その逆で
「料理は得意だけど、お菓子作りは苦手」
という人もよく聞きます(もちろん両刀の人もいますが)。

対応力重視の「料理」と正確性重視の「製菓」は、スキルも別モノなんでしょうね。私はテキトーな性格なので、製菓はいまだに苦手意識強いです……。

さて、お菓子作りをリクエストされた千波さん。最初は「ホットケーキだって焼いた事ないのに」と拒否しますが、材料を買いそろえてきたタブチくんの勢いに押され、しぶしぶチャレンジすることに。

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材料:(※分量は作品を参照してください)
無塩バター、砂糖、薄力粉、アーモンドパウダー、ベーキングパウダー、卵白3個分、はちみつ、バニラオイル。フィナンシェは通常、金塊風の専用型で作りますが、今回はパウンド型なので手持ちの道具や、使い捨ての型で作れるのがありがたいですね。

パウンド型は100円均一で売っている、長さ12.5cm×幅6.3cm×高さ4.5cmのアルミ型2個を使います。
私が見たときは、ダイソーにズバリなサイズのものが売っていました。アーモンドパウダーも売っているので、あわせて買うといいかも。
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作り方:
まず小鍋に無塩バターを入れて火にかけ、弱火で熱します。

フィナンシェはこの「焦がしバター(ノワゼット・バターとも言うらしい)」が風味のポイント。
火にかけていくと泡立って、次第に色づいていきます。同時に細かな茶色いチリが出てきますが、気にしなくてOK。香ばしい匂いが立ち、茶色くなったら火を止めます(余熱でも火が通るので注意)。

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ボウルに卵白と塩を入れて、卵白を切るように泡だて器でよく溶きほぐします。
続いて砂糖、はちみつ、バニラオイルを入れ、もったりと白っぽくなるまですり混ぜます。

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ふるっておいた小麦粉&アーモンドパウダー&ベーキングパウダーを投入し、粉っぽさがなくなるまでよく混ぜます。
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ここでさっき作った焦がしバターを、少しずつ糸をたらすように入れ、よく混ぜます。
パウンドケーキのようにまぜ過ぎに注意する必要はないので、あまり気を使わずこなせます。
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型2本分に等分に流し入れ、机の上に何度か軽く落として空気を抜き、220度に予熱したオーブンに入れます。
220度で5分→180度に落として20分→さらに160度に下げて10分焼いたら完成。
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めっちゃいいにほひ……。
粗熱がとれたら型からはずします。
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完全に冷めたらラップにくるんで保存……ですが、当然焼きたても味見します。
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食べた感想:
焼きたては皮がガレットのようにカリカリで香ばしく美味しいですが、1日たつと全体がしっとりして、これもたまらない。

食べると香ばしい香りが広がって、ああ、フィナンシェのおいしさって、焦がしバターの工程やアーモンドプードルのおかげだったのか、と納得。お菓子を自分で作ると、「なぜ美味しいのか」の理由が因数分解的に理解できて、それも楽しさのひとつかもしれない。

千波さんも
自分で作った食べ物をこんなにおいしいと思ったの初めて…!!
と感激の表情。
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ちなみに事後は卵黄がこんなに余ることになりますが、これであのタブチくん特製カルボナーラも出来てしまう……というオチ。

しかしマイペースに自分のワガママを通しているようで、実はなにげに周囲も幸せにしているタブチくん、彼こそ人生の達人って感じがします。



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