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グルメ漫画百花繚乱の時代ですが、最近の主流はそのまま献立のヒントになりそうなレシピ漫画でしょうか。ただ昔は「グルメ漫画」といえば、実用性よりアイデア重視のものが多かった気がします。

例えば90年代の伝説の漫画「OH! MYコンブ」は、市販のお菓子を大胆にアレンジした「リトルグルメ」レシピで、子供心をわしづかみにしました。

「コンビニお嬢さま」は、そんなリトルグルメ的チャレンジ精神を感じさせるグルメ漫画です。



京都のとある女子高に通う主人公の翠里は、誰もがあこがれる正真正銘のお嬢様。パーフェクトな彼女には、とある秘密がありました。

人目を忍び、ときには変装をしながら日夜コンビニに通っているのです。
親やクラスメイトにバレたら絶体絶命……そんな大げさな、と庶民としてはツッコミたくなるところですが、翠里は深窓の令嬢ゆえに本気です。

コンビニで買い物まではできても、「買い食い」となるともはや至難の業。そこで翠里は決死の努力で手に入れたコンビニ商品を、自宅で「コンビニグルメ」としてリメイクするのです。

この「わらび餅フォンデュ団子」も、どうしても食べたい、でも売り切れてしまったみたらし団子の味を再現するために、コンビニで調達した材料で作ったスイーツ。
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※【コマ引用】「コンビニお嬢さま」(講談社/松本明澄)1巻より


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材料はわらび餅、醤油せんべい、練り羊羹。
わらび餅は「国産の本わらび粉を使った…」とかそういう方向ではないほうのわらび餅です。

これがどうやったらみたらし団子になるのか。そもそもする必要があるのか…というところまでは考えてはいけない。
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醤油せんべいを粉砕して、お団子を作ります。
せんべいで団子、そんなこと可能なのか。いや、でももとはうるち米だし、ということは潰せば上新粉みたいなもんだし……と、作る前から頭のなかはぐるぐる。

翠里ちゃんと同じく、最初はすりこぎで試してみたけど確かに潰しづらい……。フードプロセッサーを使えば一瞬で完了します。せんべいの食感が残ったほうがいいのかなーと、このときは粒が残るように挽いてみました(後述しますが、たぶん全部パウダー状に細かくしたほうがいいかも)。
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粉砕したせんべいに少しずつ水を入れ、手でまとめられる程度にします。

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一口サイズに丸めたせんべい団子を竹串に刺し、

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表面に焦げ目がつくまで炙ります。
(作中では炭火だったけど、今回はガスコンロで)

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一方で土鍋にはわらび餅と小さく切った羊羹を入れ、水を少量入れて(焦げ付き防止のため)火にかけます。

焦げないよう、鍋底に注意しながら熱していくと……
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なんかいい感じに溶け始め、

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ぷるんとしたディップ状になりました。

焼いたお団子をつけていただきます。
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食べた感想:
せんべいを砕いて作ったお団子は、濡れせんべいのようなモチっとした食感が面白いです。

ちなみに去年出演した「マツコの知らない世界」でこの料理を紹介した際は、TBSの調理スタッフさんが再現してくださったのですが、そのときはせんべいの粒を残さず細かな粉にしたようで、もっとプルプルしたお餅っぽさがありました。個人的にはTBSさんの再現のほうが好みだったので、細かく挽くのが正解かもしれません。

フォンデュのほうは、粘度の強い葛湯のような食感。わらび餅だけだと途中で飽きそうですが、羊羹の小豆のおかげで和菓子っぽくなっています。
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一緒に食べてみると、醤油団子の香ばしさと塩気+フォンデュの甘さ=確かにみたらし団子っぽい! 「完全にみたらし団子」というよりは、あくまでも「っぽい」レベルですが、プリン+醤油=ウニ的な面白さがあります。

番組で試食していただいたマツコさんには残念ながら不評だったのですが、本作の再現はこの「アイデアの面白さ」を楽しめるかによると思います(もちろん、普通に美味しいレシピもありますが)。
リトルグルメ好きには問答無用でおすすめできるので、ぜひ。


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