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※【コマ引用】「ハクメイとミコチ」(樫木祐人/エンターブレイン)3巻より

「ハクメイトミコチ」3巻に登場する、蜂蜜館のジュレップを再現しました。

ボヘミアンが集う混沌のコミュニティ「蜂蜜館」を舞台にしたこのエピソードは、対立あり、喧嘩ありで、これまでのほっこりした世界観のハクミコではちょっと異色ですが、何度も読み返すうちにいつのまにか1、2を争うほど好きな話となりました。
新参と古参の住民で争いが絶えない蜂蜜館。

創始者の館主・ウカイが健在だったころは、喧嘩が勃発してもそれを丸く収める「魔法の酒」があったといいます。それは、ミントを使った絶品カクテル「ジュレップ」。しかし試行錯誤しても、同じ味はなかなか再現できません。

二代目館主のヒガキは、以前のような蜂蜜館を取り戻すため、ミコチの料理の腕を見込んでこの「ウカイのジュレップ」の再現を依頼します。
ウカイが書き残したレシピは
ミントは充実した幼少期を送った物のみを2分の1枚……糸繰車で目を回した蜂の蜜液を小さじ2杯用い……

と、彼らしいふざけた内容。

しかしミコチはここから、ウカイのジュレップの独特の甘みのポイントが「蜂蜜酒」であることを見抜きます。

蜂蜜酒!
大人になって多少はいろんなお酒を飲んできたつもりだったけど、これは未体験のお酒。
蜂蜜を発酵させて作る醸造酒で「ミード」とも呼ばれ、その起源はワインより古いとされています。

酒屋ではあまり見かけませんが、通販ならわりとすぐ手に入ります。
最初に取り寄せたのは、ドイツのメーカーの蜂蜜100%ワイン。




単にAmazonでこれが一番手ごろだったのですが、あっさりした甘さで、初心者でも飲みやすいです。貴腐ワインに近いので、デザートワインとしても楽しめそう。

蜂蜜酒うまい……と、すっかり味をしめていろいろ調べたところ、蜂蜜専門店ですんごく好みのボトルを発見。ポーランドの「クラシュトルヌィ」というお酒です。

しばらく迷ったけど、えいやっとお取り寄せ。
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※【コマ引用】「ハクメイとミコチ」(樫木祐人/エンターブレイン)3巻より

ウカイが遺した蜂蜜酒のボトルも、上のコマのように陶器っぽい素材なんですよね。
フォルムは違うけど、この白くてザラザラした手触りのアンティーク風のボトルは、ハクミコの世界観にぴったり……と、うっとり。

蜂蜜酒は「現代派」と伝統的な製法の「古典派」に分けられるそうですが、これは古典派にあたるそう。
前述のドイツ製と違い、色はブランデーのような琥珀色。味も風味が豊かで甘さもやや濃いめ。こちらも口当たりよく、飲む人をゆるりと弛緩させそうなお酒です。

この古典派蜂蜜酒で、いよいよジュレップを作ってみましょう。
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ロンググラスにフレッシュミントをひとつかみ入れ、蜂蜜酒を小さじ2杯。
マドラーで軽くミントとなじませます。

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ウイスキーを適量入れ、ロックアイスを投入、ミネラルウォーターを注いでステアしたら完成。

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おつまみはローストしたアーモンドです。

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飲んだ感想:
やわらかなハチミツの甘みとミントの爽快感が美味しくて、とても飲みやすいです。
フレッシュミントを使ったカクテルといえばモヒートが有名だけど、ラム酒があまり得意でない私は、ウイスキーベースのこちらのほうが好み。

ハクメイとミコチの活躍でウカイのジュレップの謎が解き明かされ、再現されたカクテルを飲んだヒガキたちは、意外な事実を思い出します。
彼のジュレップは絶品どころか、実はあまり美味しくなかったのです。

イマイチなカクテルが「魔法の美酒」として想い出のなかで補正されたのは、亡きウカイの存在が、蜂蜜館の住人にとってあまりにも大きかったからでしょう。喧嘩を丸くおさめていたのは、お酒ではなく彼の憎めない人柄そのものだったのです。余韻の残るラストシーンは、読み返すたびに切なくも温かい気持ちになります。

ハクメイとミコチ 3巻 (HARTA COMIX)
樫木 祐人
KADOKAWA
2015-01-15


蜂蜜館のエピソードに登場する「ブラウンマッシュルームのオイル煮」はアニメ公式サイトで再現していますのでご覧ください~。




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