「ピリ辛の家政婦さん」の「ドルシネィア」のエピソードから、ミントを使った夏らしいドリンクを2品ご紹介。
S級家政婦・里の依頼人は、落ち目のシナリオライター・五十鈴。クリエイターらしく食に対し好奇心旺盛な彼女のために、里が腕をふるう料理の数々は、ほかのエピソードと比べても華やかで、女ごころに刺さるものばかり。
※【コマ引用】「ピリ辛の家政婦さん」(小池田マヤ/祥伝社)『ドルシネィア』より
一品目はメロンスムージー。
「ラストチャンス」として与えられた脚本の仕事を前に、ネガティブになっている五十鈴のために、里が作ったフルーツジュース。見切り品のメロンが見違えるように変身します。
材料は、カットして冷凍しておいたメロン(安いアンデスメロンでOK)、ヨーグルトドリンク、ミントの葉。これらをなめらかになるまでミキサーにかけるだけです。
凍らせたメロンの濃厚な甘みに、さっぱりしたヨーグルト。
これだけでも飲みやすいけれど、一緒に入れたフレッシュミントのおかげでちょっと大人の「カフェっぽい味」に。安価なのに贅沢な気分になるスムージーです。
昭和生まれの私はメロンといえばいまだに「高級品」なイメージがあるけど、最近はお手頃な品種もいろいろありますもんね。安くても味はちゃんと「メロン」なところがエライ。今後スーパーで見切り品を見つけたら、せっせと冷凍していこうと心に決めました。
もう一品もミントが効いたドリンクです。
※【コマ引用】「ピリ辛の家政婦さん」(小池田マヤ/祥伝社)『ドルシネィア』より
元恋人を激しく罵倒し、帰宅した五十鈴を待っていたのは、里が用意したこんなドリンク。
ミントシロップを水割りした「マンタロー」。
飲んだ五十鈴は
「口にしてしまった汚い言葉が洗い流される気がするわ」
とポツリとつぶやきます。
マンタローは夏のフランスのカフェで定番のドリンクだそうですが、里はミントシロップも手作りする本格派。巻末に小池田先生のレシピが載っているので、参考にして作ってみます(※分量は作品を参照ください)。
鍋に水を入れて火にかけ、沸騰したらフレッシュミントをたっぷり投入。すぐに火を消し、フタをして10分蒸らし、ザルで漉します(濃いミントティーを作るイメージ)。
ミントティーにグラニュー糖を入れて溶けるまで煮立たせ、火を止めます。
冷ましてから煮沸消毒した瓶などに入れれば、ミントシロップの完成。これは冷蔵庫で冷やしておきます。
グラスにミントシロップを入れ、水で割って氷とフレッシュミントを入れたら、マンタローの完成。
胸がすっとするミント味の、ほのかに甘いシンプルなドリンク。
一日の終わりの後悔や、自分の汚い部分を洗い流してくれそうな清涼感があります。
ミントシロップは水割り以外にも、炭酸水で割ったり、モヒート風にしたり、フルーツをマリネしたり、チョコアイスにかけたり、いろいろアレンジがきいて便利。
「ドルシネィア」は家政婦さんシリーズのなかでも、一、二を争うほど好きなエピソード。
この季節に読み返すと、ラストシーンの五十鈴のように、真夏の日差しのなかでもひとり背筋を伸ばして歩きたくなるような、前向きな気持ちになります。
コメント
コメント一覧 (2)
わー、同志が! 歳をとったせいか、余計にしみるものがあります…>ドルシネィア
里シリーズ、末永く続いてほしいですね。
しかもたまたま読み返してたりして(笑)
実はこれが初めて『家政婦さんシリーズ』をKISSで読み、里さんに一目ぼれしたお話だったりします。