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※【コマ引用】「舞妓さんちのまかないさん」(小山愛子/小学館)1巻より

ゴールデンウイーク中に読んだマンガですが、すごくすごく好みだったのでご紹介。
小山愛子先生の「舞妓さんちのまかないさん」(てっきり青年誌の連載かと思いきや、少年サンデーなんですね…びっくり!)。

京の花街を舞台に、置屋で舞妓さんたちの食事を作る16歳・キヨの日常を描きます。



キヨはもともと、舞妓になることを目指して上京した少女。しかし芸の適性がなく、青森に帰されそうになります。

そんなとき、前任の「台所のおばちゃん」が倒れ、置屋の食生活は一変。体調を崩す舞妓も出るなか、ありものでさっとまかない料理をこしらえたキヨを見て、女将は幼い彼女に台所を託すことに。

同期の舞妓たちが古都の顔として華やかに活躍する一方、裏方になった自分を卑下することもなく、炊事場の「プロ」としての矜持を持つ。そんな穏やかで真面目なキヨの姿勢と、丁寧に描かれる京都の風景にじんわりさせられます。

そしていわゆるグルメ漫画と違うのは、キヨは天才料理人でもなんでもなく、その味も「ごく普通」という設定であること。なので料理も、特別変わったものは出てこないし、「料理対決」みたいな派手なイベントも発生しません。

あくまでも彼女らが暮らす風景のなかのひとつとして、ささやかに料理が登場します。

「パンプディング」は第一話に登場するメニュー。
楽しみにしていたプリンを横取りされて落ち込む舞妓さんのため特別に作った「みんなには内緒」の朝食。
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※【コマ引用】「舞妓さんちのまかないさん」(小山愛子/小学館)1巻より

このパン、プリンの味する!!
とおどろく舞妓さん、今どきのルームウェア&眼鏡に日本髪というギャップがまた、よいです。

以前京都で、普段着(の和装)&日本髪で若い子向けのファッションブランドに入ってお買い物する舞妓さんを見かけたりしたけど、彼女たちも「普通の女の子」なんだなあ、と思わされます。

長々と語ってしまいましたが、この朝食を早速再現してみます。
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材料:
食パン、卵、牛乳、砂糖、バニラエッセンス。


久しぶりに動画も作ってみました(※パンを切るシーンで「8等分」とありますが「16等分」のミスですm_ _m)。

分量は作中には載っていないので、あくまでも参考まで。

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食パン(今回は6枚切りを使いました)は16等分する。

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ボウルに卵(1個)、牛乳(100~150cc ※固めのプリンにする場合は100ccに)、砂糖(大さじ1)、バニラエッセンスを加えよく混ぜる。

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小鍋にグラニュー糖(60g)を入れて、水をひたひたに入れ火にかける。
3分ほどで色づいてきます。
余熱があるので、仕上げたい状態より手前で火を止めます(加熱しすぎた場合は、熱湯を少量ずつ加え調整)。

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オーブン皿に食パンを並べ、プリン液を漉しながら注ぐ。

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上からカラメルソースを注ぐ(もうちょっとゆるめでもよかったかな…)。

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天板に湯を張り、180度に予熱したオーブンで20分程度焼く。

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その間に、カラメルがこびりついた小鍋に牛乳をそそぎ、弱火で温めます。

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鍋のカラメルがキレイに溶け、ミルクが色づいていきます。
これで「がんばって作った人のみが飲める」カラメルホットミルクの完成。

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そうこうしている間に焼きあがりました。
甘い匂いが立ち込めます。カラメルって砂糖を焦がしただけなのに、なんでこんなにそそるんだろう……。

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熱いうちにいただきます。

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食べた感想:
上はサクサクでほろ苦、底はしっとりなめらかでまさにプリン。
パンに卵、牛乳、砂糖。いつでも台所にあるシンプルな材料で、こんなにテンションの上がる朝食ができるなんて、すてき…!

牛乳を少な目(つまり卵を多め)にすると、プリンが固めになって食感も変わるので、いろいろ配合を試してみてもいいかも。

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おともはカラメルホットミルク。
牛乳にしっかりカラメルの甘みがついて、鍋のお掃除ついでと思えない一品。
コーヒー党の人は、インスタントコーヒーを足してもいいかも。

↓読んだきっかけはこの表紙に一目ぼれしたからでした。赤いエプロンのキヨさん、かわいい。


小山先生、過去作の「ちろり」も面白そうなので、次に読んでみよう。


そして京の暮らしを描いたマンガといえば、これも名作です。
酒場ミモザ(1) (アフタヌーンコミックス)
ほうさいともこ
講談社
2019-04-01


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