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オノ・ナツメ先生の新作「レディ&オールドマン」は、1960年代のロサンゼルスを舞台にした男女のバディもの。

主人公のシェリーがデートの帰り道に出会ったのは、「100年間刑務所に入っていた男」。
父の経営するダイナーに連れて帰り、ボロボロの身なりと蓬髪を整えてやると、現れたのは老人ではなく若々しい顔の青年。

傷を負ってもすぐに回復する特殊な体質を持つ「ロブ」と名乗るその男に、なぜか興味をひかれていくシェリー。

この2人がひょんなことから「レディ&オールドマン」の通り名を持つ「運び屋」となり、事件に巻き込まれていく……というストーリー。



オノ先生が海外を舞台にした作品を描くと独特の空気感が生まれますが、この作品もセリフまわしがステキで、外国映画のような小気味いい会話が楽しいです。

「ホット・オールドマン」は、面倒見のいいシェリーの父が、ロブのために作った飲み物。
ホットミルクにお酒を少量入れたもので、酒に慣れないロブは最初驚いたようですが、次第に気に入ったようで、その後もたびたびこれを飲みたがるシーンが登場します。

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※【コマ引用】「レディ&オールドマン」(オノ・ナツメ/集英社)1巻より

元になっているのは「ホット・カウボーイ」という実在するカクテルで、ホットミルクにバーボンを加えたもの。ただしこちらはバーボンの比率がもっと高いようです。

1巻でダイナーの常連・ミッチが、ロブが飲むホットミルクにバーボンを注ぎながら、こんなセリフを言う場面があります。

しかし酒もこれっぽっちじゃ全く「カウボーイ」と呼べないな
ああ「オールドマン」がいいね
君専用の「ホット・オールドマン」召し上がれ

米国男子の理想像であるたくましく野性的なカウボーイではなく、枯れた「オールドマン」こそ、見た目は若いのにどこか老成したロブのキャラクターにふさわしい、ということなのでしょう。

(しかし英語サイトで「hot cowboy」を検索すると、カウボーイハットの半裸マッチョな兄貴たちの情報で占められるのはなぜだ……)

まずはこちらから作ってみます。
牛乳を温めてホットミルク(好みで砂糖も入れる)を作り、バーボンをひとたらし。
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私は牛乳が苦手でそのままは飲めないのですが、バーボンの香りが立って乳臭さも消えているので、これならイケる。お酒も香りづけ程度なので、就寝前に飲むのもよさそう。

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ちなみにミッチによると、カカオクリーム(カカオのリキュール)を入れてもいいらしい。今回は製菓用のクレーム・ド・カカオを入れてみましたが、さらに甘くて飲みやすくなりました。


さてもう一品です。こちらは2巻から。
シェリーのもとを離れ、行くあてもないまま風変わりな運送屋・ナットの事務所を訪れたロブ。
何が食べたいか聞かれ、市場で目が釘付けになったチョコレートサンデーのことを話します。

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※【コマ引用】「レディ&オールドマン」(オノ・ナツメ/集英社)2巻より

100年間刑務所にいたロブは「現代のアメリカ」をまったく知らず、ドーナツやホットドッグなどに目を丸くするシーンがありましたが、色とりどりのアイスや生クリーム、チェリーが乗ったサンデーには特に心を奪われたよう。

そこでナットが即席で作ったのが、マグカップにアイスクリームをどっさり入れ、ちぎったバナナとチョコシロップをトッピングしただけの簡素なサンデー。

飄々としてつかみどころのないナットのキャラと、このマグカップで作る即席サンデーが妙にマッチして、印象に残るスイーツでした。

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というわけで作ってみました。
作り方は上で説明したのがすべて…なので割愛。

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インスタント麺やコーンスープもそうだけど、マグで食べると妙においしく感じるのはなぜだろう。他の食器と比べて「自分のもの」という所有意識が強くなるからですかね。

ちなみにこのバナナ柄のマグカップは、熱川バナナワニ園で買ったものです(どうでもいい情報)。



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