※2024/3/23
動画を追加しました
「ダンジョン飯」4巻が新展開でめちゃくちゃ面白かった!
興奮冷めやらぬうちに、レッドドラゴンの献立を(無理やり)作ってみましたを。
以前、比較的作りやすい野菜と鶏のキャベツ煮 を再現したことがありましたが(あと「このマンガがすごい!2016」の企画でも2品作らせていただいたんだった)、久々の料理です。
作ってみたいメニューはたくさんあるけれど、ほとんど非実在食材なので、「あ、あれ使えるかも」と自分のなかで代替食材がピンとこないと、なかなか再現できないのが悩ましい。
※【コマ引用】「ダンジョン飯」(九井諒子/KADOKAWA/エンターブレイン)4巻より
といっても、今回の食材はモンスター界の超大物・ドラゴンです。
どう考えても絶対手に入らないやつ……しかも大ガエルやバジリスク(鳥類)と違って、類似する生物もないので食材の代替も難しい。
でもこの献立が登場するシーンは(まだ読んでない方のためにネタバレ伏せますが)、これまでのエピソードのなかでも特に印象的だったので、どうにか作ってみたい。
そんなとき、作中のライオスの「魂の食レポ」的なセリフ
「なぜ他の生物で竜の味を表現する必要がある!?」
にハッとしました。
竜は竜でしかないし、現実に手に入らないのだから、あくまでも勝手に妄想でやっちゃうしかないのだ。
ローストレッドドラゴン
最初は「モンスターっぽいのがいいなあ」とワニを候補にしていたのですが、通販できるワニ肉は白っぽく鶏肉に似ていてどうもイメージと違う。キャラクターたちの食レポを要約すると「赤身でしっかりした歯ごたえ」「独特の風味」、そして「牛でも豚でもない」というセリフもあります。ここから消去法的に「鹿肉」を使うことに決めました。
鹿のモモ肉を1キロ。
充分に解凍したら、一番厚みのある部分を残しながら、長方形のブロック状にカットし、塩コショウします(残りはミンチにしてミートソースにした)。
これをローストビーフ風に調理していきます。
作中のセンシの作り方を整理すると
1.燃える竜から肉を切り出す(→この時点である程度肉に火が通っている?)
2.熱した竜のウロコを鉄板がわりにして肉の表面を焼く
3.調味料に漬ける
という工程。
ということで、まずは肉をじっくりローストします。
うちのオーブンレンジは性能的に頼りないので、今回は「めしにしましょう」のときを参考に、お湯につけて3時間放置する低温調理を再び。
鹿肉は作中のキレイなブロック型に近づけたいので、型崩れを防ぐために長方形の容器にぎゅぎゅっと押し込んでおきます。
大きな鍋に湯を沸かして、ジップロックにくるんだ肉を入れ、鍋ごと保冷バッグと毛布にくるんで保温して放置。
さて次は、肉を焼く「竜のウロコ」です。これはタマネギのピザパンを焼くときにも使っていたので、鉄板&ピザストーンの性能を兼ねる調理器具が必要です。
今回使うことにしたのは、溶岩プレート。天然の溶岩を加工したもので、高い蓄熱性が特徴。バーベキューでも人気のアイテムのようです。
これなら直火で肉も焼けるし、ピザストーンとしてオーブンにも放り込める。しかしめちゃくちゃ重いです、これ。90年代のノートPCくらいの重量はある。
よく熱した溶岩プレートには網を斜めに敷いて、作中のような格子の焼き目がつくようにしました。
焼いた肉は、調味料(赤ワインと塩コショウ)にしばらく漬け込みます。
ローストビーフって漬けこんでから焼くレシピが多いけど、逆もあるんですね。
ローストレッドドラゴンの完成!
ローストビーフを作るときは、毎回切ってみるまで火加減がうまくいったか心配なのだけど、なんとかきれいなピンク色に。
ドラゴンテールスープ
さて次はドラゴンの尾身を使ったスープ。これは、先日「空挺ドラゴンズ」の再現で余っていた牛テール肉を使うことにします(よく考えたら2回目の偽装龍肉料理ですね)。
テール肉は水から茹でこぼし、アクなどの汚れや余分な脂を掃除します。
香味野菜として、ニンニクやネギを入れたいところですが、作中通りにするなら使える材料はタマネギとカブだけです。今回は新タマネギの薄皮の部分と一緒に煮込むことにしました。
2~3時間ほど弱火で煮込んだら、ざく切りにしたタマネギ、カブを加えて火が通るまで煮込み、塩コショウで味をととのえて完成。
タマネギのピザパン
最後に作るのは、タマネギとチーズだけのシンプルなピザパン。強力粉と塩、水(ぬるま湯)、酵母(今回はイースト)をよくこねて1時間ほど一次発酵させ、ガス抜きをして濡れふきんをかぶせ、15分ほど寝かせ二次発酵させます。
生地を20cm程度に伸ばし、フチを残してフォークで穴をあけておく。
とろけるタイプのチーズを散らし(私は砕いたラクレットを使いました)、薄く小麦粉を振った溶岩プレートに乗せてオーブンで焼きます。
食べてみた感想
使っているのはどれも普通の食材だけど、ぜんぶ並べてみるとなんだか冒険者の食卓っぽく見えて楽しい。
焼きたてのせいもありますが、ピザパンはタマネギとチーズだけと思えないほど美味しい。これに薄く切ったローストドラゴンをのっけて食べるシーンがたまらなかったので、マネしてみた。
ローストドラゴンは、厚めに切ると「しっかりした歯ごたえ」が味わえます。
みんなで食べているシーンのコマをよく見ると、肉にソースがかかっているので、残った赤ワインの漬け汁に調味料を色々足して煮詰めたものをかけてみた。
最後にテールスープ。コムタン風に白濁させるか迷ったけど、今回は洋風っぽく澄んだスープに。
少ない材料で作るシンプルな一品だけど、野菜の甘みがしっかり出ていてほっとする味でした。
物語が進むにつれて、キャラクターだけでなく背景となる世界観が深堀りされていくのにワクワクします(4巻でなにげにツボだったのは、チルチャックの「共通語は罵倒の語彙が少なすぎる!」でした)。緻密なファンタジー(ここまで設定が濃密だとSFにも思えてくる)としてもすごい漫画。
コメント
コメント一覧 (6)
コメントいただきありがとうございます!
最近ようやく写真をちゃんと撮ろうという意識が芽生えてきたので(勉強中ですが・・・)、もったいないお言葉いただけてうれしいです~。
うれしいお言葉ありがとうございます!
食卓コスプレっぽくて自分自身も楽しめました^^
4巻はほんとに予想外の展開で、今後がものすごく楽しみになりました>ダンジョン飯(しかし娘さんと一緒に語れるってすてき…!)
ハクミコのラズベリージャム、作られたんですね!
バジルってお店で買うと高いし、大量に使うの躊躇しますよね…(ジェノベーゼとかも…)。
ただ再現しているだけでなく、食器や写真のアングルにもこだわりと作品への愛を感じて、見ているだけで幸せな気分になりますね。
孤独のグルメ再現の記事、自分は単行本を持っているにもかかわらず、メニューがいきなり具体的になっていることにすら気付いていませんでした…凄いですね。
見てるだけでも冒険者気分味わえました
ダンジョン飯は最初普通のグルメマンガかと思っていたので、娘と二人「予想の斜め四十五度ぐらいの内容だった」と話し合ったものです(あれ?書いたかなコレ)
そうそう、ハクミコ料理作りましたよ(娘が)
ラズベリージャムにバジル入れた物!
食べた感想「バジルはもっと入れるべき」でした(笑)
(でもバジル高いのよねえ)