蘊蓄系食漫画の傑作「めしばな刑事タチバナ」最新刊(22巻)、そのメインテーマは「ワンタンメン」。
即席ワンタン界における勢力構図を明らかにしたり(エースコックは西、マルちゃんは東で住み分けされているなど)、最近ラーメン屋のメニューから見なくなったワンタンメンどこ行ったんだ問題、さらには「ワンタン」自体のアイデンティティーの希薄さを突く問題提起など、今回もさすがの読み応え。
そういえば最近食べてないな、あのビロビロが美味しいのよね……と、頭のなかがワンタンで占められそうになったところで、オリジナルレシピのエピソードも挟まれるのが憎い構成。
「ワンタンタンタンきしめん」は、城西署の美人警官・村中さんと代々木さんで結成された「辛味部」による激辛クッキングメニュー。
※【コマ引用】「めしばな刑事タチバナ」(坂戸佐兵衛/旅井とり/徳間書店)22巻より
その名のとおり、タンタン風スープにワンタンを浮かべ、さらに?はラーメンではなく「きしめん」を使うというもの。最後にたっぷりと花椒(ホアジャオ)をかけるところも、食欲をそそります。
辛味部のレシピは、以前作った魚肉ソーセージのアマトリチャーナも絶品だったので、今回も期待大。
作り方:(分量は作品をご確認ください)
白ネギ、青ネギ、しょうが、にんにくをみじん切りする。
ボウルに豚ひき肉と白ネギ、しょうが、しょうゆ、砂糖、塩、コショウを入れて、粘りが出るまでよく混ぜる。
ワンタンの皮に肉だねを少量入れ、包んでいく。
作中の代々木さんの方法に従って、まず三角形に包み、そのあと両端を中に折り込む形で。
「これだと皮のはじっこのビロビロ感が わりと出るのよね……」
となにげにこだわりがあるようです。
包み終わったワンタン。折り紙っぽい。
店で食べると数枚しか入っていないので「貴重品」だけど、自宅ならたくさん作れば存分に食べられるハッピー。
次はスープ作り。
鍋にごま油を入れて熱し、ニンニクとしょうがのみじん切りをいため、豚ひき肉と白ネギのみじん切り、豆板醤を入れてさらに炒める。炒め終わったら、半量は後乗せのトッピング用に別皿に取り分けておきます。
その後鍋にお湯と豆板醤、顆粒の鶏ガラスープを入れ、しょうゆ、酢、砂糖、みそ、中華スープの素で味付けする。
仕上げに練りごまを入れてしっかり溶かしたら、タンタンスープの完成。
スープが仕上がったら、別の鍋できしめん、ワンタンをそれぞれ茹でます。
(ワンタンは、ざるにあけたあと放置しておくと、お互いにくっついてしまうので注意)
どんぶりに茹でたきしめんとスープを入れ、トッピング用に取り分けていた肉みそ、青ネギ、ワンタン、それから花椒をたっぷりのせます。
「ワンタンタンタンきしめん」の完成!
タンタンスープって難しいようで、意外と簡単に自宅で作れるんだなー。練りごまが決め手とわかる味。
食べた感想:
がっつり入れた豆板醤と花椒、タイプの違う辛さが容赦なく押し寄せて、さすが辛味部謹製レシピ。汗かくほど辛い。
ワンタンメンって店で食べると醤油スープの場合が多いけど、こっくりしたタンタンスープにもこんなに相性いいのだな。
タチバナも「結局のところワンタンメンってラーメンの味なんです」と言い切るとおり、スープに依存する存在、言い換えれば麺類をより美味しくするプラスアルファの愛、それでいいじゃない、と思える美味しさ。
ワンタンがビロビロなら、きしめんもビロビロ。口唇のカイカン。
トリプル炭水化物になっちゃうけど、最後にご飯を入れても当然美味しい。
※【コマ引用】「めしばな刑事タチバナ」(坂戸佐兵衛/旅井とり/徳間書店)22巻より
韮沢課長が異論は認めない勢いで力説するとおり、世の中で一番うまいのは炭水化物だもの。
ライザップにはコミットできないけど、この主張にはコミットしたい。
コメント
コメント一覧 (4)
ワンタン麺は私もエースコックが一番好きかもです(^^)
麺少なめ、ワンタンたっぷりって理想形かも…!
麺少な目、ワンタンたっぷりで今度作ってみようかな♪
おお、見つけていただけてうれしいです!
婦人画報のお弁当特集、ほかのページはさすがの美しさで、同じ特集内におさまっていいのだろうか…と気後れする気持ちもありますが、いい体験ができました^^;
坂本龍一さんのお弁当を作っている南風食堂というのに興味を持ちました。坂本龍一さんをたまに最寄り駅の駅近ビルで見掛けていたからです(特にファンだとかいう訳では有りません)。
その次に出てきたのが『めぞん一刻』とか漫画の頁で…。
でもその時まだ私、梅本さんと繋がっていませんでした。顔写真も無かったし。
このブログを読んで「あーっ!」と思いました。