「かしましめし」5巻を読んだら、美味しそうな作り置きメニューが6種類も。
小松菜と油揚げ煮、キャベツとコーンのさっぱりあえ、もやしのナムル……千春がデザインの仕事をこなしつつ、合間にキッチンに立ってどんどん惣菜を作っていく様子が描かれます。
調理器具もなるべく使わず、ほとんど市販の密閉袋(いわゆるジップロック)で仕上げてしまうという効率の良さ。
【コマ引用】「かしましめし」5巻(おかざき真里/祥伝社)より
千春の仕事のスタイルと没頭ぶりがよくわかるシーンです。
1巻でも描かれたように、キャベツの千切りのような、無心に手を動かす作業は彼女にとって自分のリズムを整えるリハビリのようなもので、これがあったからこそクリエイティブな仕事に一歩ずつ戻れたのかもしれない。
グルメ漫画として、「かしましめし」は「集って食べるご飯」というテーマがありつつ、「仕事と食」も描いている作品だなあと思うのでした。
(※いずれも分量は作品をご確認ください)
その1:小松菜と油揚げ煮
主な材料は小松菜、油揚げ。
5cm程度に切った小松菜と、油抜きして短冊切りした油揚げを、水、昆布だし、みりん、醤油で煮る。
水分が少なくなったら密閉袋へ。
その2:キャベツとコーンのさっぱりあえ
主な材料はキャベツ、ホールコーン、お好きなドレッシング(私のお気に入りはキユーピーのレモン)。
ざく切りにしたキャベツを鍋でさっと茹でる。
茹で上がったキャベツをザルにあけて湯切りし、熱いうちに密閉袋へ。ホールコーン、ドレッシング、塩コショウを加えて、袋の中でよく混ぜる。
完成〜。
1番かさばるのがこの品でしたが、意外と他と同じジップロックのMサイズで大丈夫でした。
その3:もやしのナムル
もやしは耐熱皿で2分加熱。
熱いうちに密閉袋に入れ、ごま油、すりごま、鶏がらスープの素、チューブにんにくを入れて混ぜれば完成。
その4:カリフラワーの酢漬け
カリフラワーは塩をれた湯で2分半茹でてザルにあけ、粗熱が取れたら小房に切り分ける。
暑いうちに密閉袋に酢、砂糖、塩、鷹の爪(小口切り)と一緒に入れて混ぜる。
(調味料の部分は簡単酢でもOK)
その5:キノコ炒め
エリンギ、しめじ、えのき、マッシュルーム。
石づきをとり、カットまたはほぐしておく。
フライパンにオリーブオイルを入れて熱し、キノコを入れて炒める。
調味料(チューブにんにく、醤油、鶏がらスープの素)を加えてさらに炒めていく。
炒め続けると水分が飛んでかさが減り、しんなりします。
密閉袋に詰めて完成。
おかざき先生曰く、バターを足すとさらに美味しいらしいけど、冷やすと固まってしまうらしい。そのまま食べるなら、オリーブオイルのみでいいかも。
その6:ポテトサラダ
皮をむいたじゃがいもは1cm程度の厚さにカットする。
耐熱皿に入れて少量の水を振り、ラップしてレンジにかけ、やわらかくする。
じゃがいもの粗熱がとれたら、密閉袋に薄切りにしたきゅうり、短冊切りにしたハム、調味料(マヨネーズ、塩コショウ、フレンチドレッシング)とともに交互に少しずつ入れ、つぶしながらかき混ぜる。
作ると意外に面倒なポテサラも、ボウルなどを汚さず簡単にできちゃいました!
合計6品。
なんだこの心が満たされていく気持ちは…。
冷蔵庫にストックすると、さらに「もう今週は何が起こっても大丈夫だ」という万能感に満たされます。これが作り置く喜びか。
千春がこの仕事の合間にこなす作り置き作業を、クライアントからの返事待ちの間の素材作り、と表現するのがデザイナーらしくユニーク。
(ほかの職種でも、こういう「時間のある時に手を動かしておく、やっといて損はない作業」ってありそうですよね)
さて、この作り置きの品々が真価を発揮するのが、「シンプルなメインディッシュ」との合わせ技です。
蓮井先生が、ぶらりと家に来た際に持ってきた牛タン。
これをさっと焼くだけでも…
副菜の品々を並べれば、めちゃくちゃ豪華な食卓に。
ポテサラと牛たんの組み合わせ、意外に合う〜。
キャベツとコーンのさっぱりあえ。
マヨネーズなしの、あっさりしたコールスローという感じです。
朝食ならトーストに添えるだけで豪華になりそう。
カリフラワーの酢漬け。
茹でてから漬けるので、短時間でも味が染みています。
カリフラワー、一株買ってもなかなか使いきれないことが多いけど、こういう常備菜なら食べる頻度が上がりそう。
もやしのナムル。
これはお馴染みの美味しさ。インスタントラーメンや冷やし中華の付け合わせに良さそう。
小松菜と油揚げ煮とキノコ炒め。
どちらもクセがないので、「もう一品欲しい」時に活躍してくれます。
キノコ炒めは、ベーコンと一緒にパスタにしても美味しかった。
今回はもたもた撮影しながら作ったので時間がかかったけれど、慣れれば多分1時間程度で6品作れちゃうんじゃなかろうか。それくらい一品一品は楽ちん! 特にジップロック内で調理しちゃう、というのはこれだけの品数を作っても洗い物が少なくて感激でした。
そして何より、その後の食事の準備がめちゃ楽。
作中のエピソード冒頭のように朝食のパンに添えるほか、コンビニのおにぎり、レトルトカレー、焼き魚……などなど、和洋中のどんな献立にも合わせられるのが素晴らしく便利でした。
作り置きのデメリットとして「食べ続けて飽きる」というのがありますが、6種類を2〜3種類ずつローテーションで食べれば、意外と飽きませんでした。
そして
「作り置きあるからいつでも来てください」
という千春の台詞で、そうか、作り置きって自分のためだけじゃなく、誰かと一緒に過ごすためにも便利なものなんだな…と気づきました。
コメント
コメント一覧 (2)
こちらの記事を読んで、かしましめしを読みました(まだ1巻のみ)。大人らしく事情を抱える現実がありながらも、優しいあたたかいお話だと思いました。そしてめっちゃおいしそう・・・続きも読んでいきたいと思います。
個人的に、英治の「多数派と違う人間は、楽しそうにしてないと許されない」というようなセリフがぐっさり刺さりました。たしかに・・・自分もそう思っている節があるかも・・・楽しそうに生きられたらそれが一番だと思うけど、人間楽しい時もガッツリへこむ時もうまくいかない時もあるもんな・・・幸せを望むのは自由な優しさかもしれないけど、それが押しつけになって本人への圧力になっては逆効果だよな・・とか思いました。
いつも料理と漫画の世界を広げていただいているので、私もご紹介したいです。『半助喰物帖』全6巻:幕末の侍がタイムスリップしてきて、なりゆきで一人暮らしOLさんの家で台所番をする話。料理がおいしそうで、みんないい人で、大変癒されます。あたたかい信頼関係を築きながらも恋愛感情ゼロなところも個人的に安心して読めました。
なごさん
保存だけでなく、調理もジップロック内でやっちゃうのが斬新ですよね!
「かしましめし」働く世代にとっては、独身・既婚にかかわらずぐさぐさ刺さるセリフが満載ですよね。
そしておすすめマンガのご紹介までありがとうございます!(私もいつも皆さまのおすすめで、マンガの世界を広げていただいてます)
「半助喰物帖」、連載雑誌で読んでましたが、確かによくある男女の恋愛に発展しないのがよいですよね。今度まとめ読みしてみます~。