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一人飯の世界をハードボイルドに描き、いまだ根強いファンを持つ「孤独のグルメ」。モデルになった店は現役で営業しているところもたくさんあり、聖地巡礼として訪れる人も多いようです




わたしも実際に訪問したひとのレポートを見ては、「おおー、この料理ほんとにあるんだ」と感動しつつ楽しませていただいてます(いつか自分でもめぐってみたいなあ)。

ただ、なかには作中の描かれ方があいまいで、実態がよくわからない料理もあります。

第14話の閉店してしまった銀座「ブラジリア」のハヤシライス、そして第10話の自然食料理店のいわしと大根のカレーライスなどがそう。

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※【コマ引用】「孤独のグルメ」(久住昌之/谷口ジロー/扶桑社)より

苦手意識を感じながらも、空腹のあまり入ってしまった西荻窪の自然食レストラン。

店員が客を見下ろしてる気がする、テーブルがペトペトしてる……と、言いがかりに近いw文句を(心の中で)たれつつ、五郎は850円のおまかせ定食を注文する。

ところがいざ食べてみると、味噌汁やホウレン草の素朴な美味しさにビックリ。ただボリュームが足りなかったので、追加でいわしと大根のカレーを大盛りで注文する……というところで、この話は終わります。

説明すると「だからどうした?」と言われそうなストーリーですが、実際読むとふるえるほど面白いのがこのマンガのすごいところ。

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※【コマ引用】「孤独のグルメ」(久住昌之/谷口ジロー/扶桑社)より

このカレー、2つの謎があります。冒頭シーンでは「鰯と野菜のカレー」となっているのに、最後のシーンで五郎が注文する時は「いわしと大根のカレー」といきなり具体的になってるのが1点。

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※【コマ引用】「孤独のグルメ」(久住昌之/谷口ジロー/扶桑社)より

さらに、実際に描かれてるのは→のコマ部分だけ。右の平皿? 左のスープ椀? それとも両方? とどれがカレーを指してるのかも、よくわかりません。

モデルになったレストランも閉店して別の店になってしまったようで、手がかりは皆無。

逆に考えれば、自由に作っちゃえばいいんじゃない? うん、そですよね(自己解決)。

ということで、今回は想像上の漫画飯としてチャレンジしてみよーと思います。

作中の描写からわかってるのは、具材はいわしと大根、さらにご飯は玄米、という2点だけ。

これにプラス想像の余地を加えるなら、ここの店主は多分元ヒッピーなので、和風・欧風のポッテリ系カレーじゃなくて、サラサラの本格エスニックなカレーのはず。

といっても私はカレー初心者で、スパイスの調合から考えるのは到底無理なので、なるべく無難にすすめたい。あと仕事帰りなのでラクしたい(←かんけいない)。

というわけで今回のコンセプトは ・サラサラのエスニック系カレー ・工程を省いた簡単なレシピ でいくことにしました。



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ここからやっとこさレシピです。

材料(2~3人前): 
・いわしの水煮缶(なるべく薄く味付けされてるもの) 
・カレーペースト 
・大根1/3本 
・トマト1個(なくてもOK) 

ちなみに今回の材料はほぼ全部近所の自然食品の店で買いました(やっぱ高くつくのねえ)。RIMG1139_20090819110016.jpg 
カレーペーストは、カレー好きの間で名高い、マスコットフーズの「印度の味」をつかってみます。炒めた玉ねぎもあらかじめ入ってて、使うペースト量の2倍の水で煮るだけでOK、という超便利アイテム。 

ただ推奨はチキンカレーらしいので、青魚と合うのかがちょっと心配なところですが、果たして。

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1.大根を一口大サイズに乱切りし、7?8分下ゆでします。

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2.別の鍋にカレーペーストと倍量の水を入れ、火にかけます。ここはお好みですが、湯むきして種をとったトマトもくずしながら一緒に煮込みます。あと白ワインもちょっと入れてもいいかも。

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3.2が煮立ったら、イワシの水煮缶を投入。缶の汁も、しょっぱすぎないようなら、一緒に入れちゃっていいと思います。

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4.下ゆでした大根もここで投入。15~20分程度煮込んで大根が柔らかくなったら出来上がり。あとは炊いた玄米(今回は雑穀も入ってるやつ)と一緒に盛りつけます。 

なんか思ったよりあっという間に出来てしまって、お手軽版を目指したとはいえ、手抜きすぎ……?

食べた感想:
見た目は彩りもなんかアレだし、イワシの小骨は浮いてるし「うへーっ」という感じですが、食べてみると 「マズくない! けっしてマズくないぞ!!」 

欧風じゃなく、インドカレーで仕上げたのは正解かも。スパイスの香りのおかげで、魚臭さが気になりません。

大根は、実は普段からジャガイモ代わりにカレーに入れてたので違和感はなかったんですが、青魚とカレーがこんなに合うとは思わなかったな。 

もうちょっと本格的にするなら、水煮缶じゃなく、生いわしを圧力鍋で骨がやわらかくなるまで煮込んで、スパイスもシーフードに合うものを探して……という感じになるのかな。

でも予想以上に美味しかったから、このままでもいっか。自宅で手軽に五郎さん気分を味わいたい方にはオススメです!

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