4月頭に母方の祖父母の墓参りを兼ねて熊本を旅行したばかりだったので、今回の地震のニュースは驚きました。熊本の街並みと、被災された方々の生活が早く元通りになることを願います。
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※【コマ引用】「クッキングパパ」(うえやまとち/講談社)85巻より
「クッキングパパ」は、九州各地の郷土料理もたくさん登場します。
金丸産業のアイドル・ルリちゃんが、のちの結婚相手の原口さんと出会うエピソードに登場するのが、熊本の「いきなりだご」と「いしがき万十」。
出会って間もなくいい雰囲気なルリちゃんと原口さん。それを複雑な気持ちで見る江口。3人で出かけた星座ウオッチングは、江口にとってモヤモヤな展開になりますが、ルリちゃんが持参したこの手作りのおやつでほっこりと「一時休戦」。
「ひともじのぐるぐる」とか「しょんしょん」とか、熊本は面白い名前の郷土料理が多いですが、「いきなりだご」も一度聞いたら忘れられないネーミング。
昔は家で作るおやつのイメージが強かったけど、冷凍販売するメーカーも増えて、今は熊本土産の定番にもなってます(中の餡も色々バリエーションがあって、楽しい)。
「いしがき万十」はこれを読んで初めて知りましたが、大分県の郷土菓子のようですね。
いきなりだご(いきなり団子):(※分量はコミックをご確認ください)
さつまいもは1cm厚にスライスし、水にさらす。
強力粉にぬるま湯を加え、生地にダマがなくなり、なめらかになるまでよくこねる(好みで砂糖も少量加えてOK)。こねた生地は10分ほど寝かせる。
いきなりだごの中身は、スライスしたさつまいもとあんこが基本ですが、クッキングパパではそれに「スライスチーズ」がプラスされます。
「さつまいも+こしあん」「さつまいも+チーズ」「さつまいも+こしあん+チーズ」の3パターンを作ってみます。
生地はピンポン玉大にまるめ、平べったくのばし、あんこ(orチーズ)を下にしてさつまいもを生地で丁寧につつんでいきます(生地が破れないように注意)。
蒸し器にならべて、20分蒸します。
(さつまいもの厚さ・種類によっては、30~40分蒸したほうがいいかも)。
いしがき万十:
続いていしがき万十。さつまいもは1cm角にカットし、水にさらします。
こちらは生地に黒糖で風味をつけます。黒糖は軽く砕き、お湯でしっかり溶かしておきます。
強力粉に冷ました黒糖水を加え、よくこねて10分ほど寝かせます。
ピンポン玉大にちぎり、平べったくした生地に、角切りしたさつまいも(水気はふきとっておく)をトッピングしていきます(生地に弾力があるので、強く押し込まないとうまくできない)。
蒸し器で15分ほど蒸して完成。
いきなりだご&いしがき万十、の2品。
大分県のいしがき万十は、写真で見る限りふわふわの蒸しパン風でしたが、こちらは強力粉を使うせいか、もっちりした食べごたえのある食感です。漫画の絵よりも若干色が薄めになりましたが、黒糖の量を多く調節すれば、もうちょっと濃い色に仕上がるかな。
さつまいも+チーズ+こしあんのいきなりだご。
チーズ入りのいきなりだごは初体験ですが、甘いさつまいもとあんこにとろけるチーズの塩気が加わって、意外や意外、これは相性ぴったり。
久々に食べたけど、冷凍できるし、腹持ちもいいので朝ご飯やおやつに◎。
ライトアップされた今年の熊本城の夜桜、きれいだったな。
私は大阪出身ですが、旅行や帰省で訪れるたびに、「真の『食い倒れの街』は、九州じゃないか」と思うほど、美味しいものにあふれた地域だと思います。
福岡で執筆されているうえやまとち先生の状況も気にかかりますが、先生が九州を元気づける物語を今後も発信できるよう、一読者として祈っています。
コメント
コメント一覧 (4)
貴重なお話ありがとうございます!
そうか、元祖いきなり団子はさつまいもだけのシンプルなおまんじゅうだったんですね。
(確かに昔のおうちで、あんこを常備してるとは考えづらいですもんね)
お土産用の派手ないきなり団子を見て複雑に感じるお気持ち、なるほどと思いました^^;
私もさっと思い出せないのが残念ですが、そのシーン、今こそ読み返してみたいですね。>がまだせ
銀座熊本館、いますごい行列のようですね。アンテナショップって単なる販売店以上の役割と意義があるんだな、と実感しました。
母が熊本出身なのでいきなり団子は昔から身近な存在でした(あ、今回の震災では親戚一同みな無事でした)
ですが、私が幼い頃に食べたいきなり団子はもっと不格好で、あんこが入っていませんでした。
いきなり団子は「粉と芋があればいきなりでも作れる」からその名がついたそうで、その由来からすればあんこなんて入る余地はない訳で。
私が初めて食べたいきなり団子は母の実家の近所のおばあさんが手作りしてくれたものでした。
当然、昔ながらの作り方のものでした(切った芋を練った粉で包んで蒸かしただけ)
しかしおばあさん、奮発して生地にヨモギを練りこんでくれまして。
その見た目はあたかも巨大なヨモギ大福そのもので。
草餅が大好物な私はそれはもう喜び勇んでかぶりつきました。
しかし中から出てきたのは薄ら甘くてほくほくのさつまいも。周りの生地も餠じゃない、何かねちねちした小麦の固まり…。
本気で泣きました。母に「ヨモギ大福じゃない、まずい」と泣きつきました。
母は笑いながら「あれはそういう食べ物だ」「本来ならヨモギも入れない、おばあさんは奮発してくれたんだ」となだめてくれましたが、いっそヨモギが入ってなければこんな悲劇は起こらなかったと思います。
それ以来、私はいきなり団子を口にしたことないのですが、最近は熊本名物ということでちょくちょく物産展やテレビでお目にかかります。
しかしそういうのに出てくるいきなり団子はとても洗練されています。
さつまいもは甘くしっとりした蜜芋で、きれいに丸く型抜きされていて。
あんこも芋と同じくらい入ってて。
生地もふかふかだったりもちもちだったりと工夫が凝らされていて。
そんなん見る度に思います。「こんなんいきなり団子じゃねぇ」と。
…長々と失礼しました。いきなり団子を見るとついこの思い出を語りたくなってしまうのです。
2012年の熊本豪雨の際、銀座熊本館の方と知り合いになり八代の寝ござを買いました
とにかく、このタイミングで熊本レシピは嬉しいです