「きのう何食べた?」11巻に、シロさんの献立づくりの秘密が明かされるエピソードがあります。
法律事務所の同僚・志乃さんは新婚。
夫・周平さんは志乃さんの実家の老舗洋食店のシェフで、不規則な食生活のせいか太り気味に。
これではいかん、と常にナイスバディ―(語弊)を維持するシロさんにアドバイスを求めます。
そこで返ってきたのが
一汁三菜の献立の時は「少なくとも二品はノンオイルルール」例えば一汁三菜のうち、油を使わないみそ汁とおひたしを作ったら、残りの二菜では油を使ってもOK、というルールだそう。
こうするとメインが重いときは副菜が軽めになり、逆のときもバランスがとれて合理的。
それ以外に
「夜8時半以降は白飯を食べない」
「おかずは甘じょっぱい・しょっぱい・すっぱいのバランスを取る」
「必ず緑黄色野菜を入れる」
……と涼しい顔で怒涛のルールが。
細けぇ~~!
とその場の全員がドン引きしますが、その効果はシロさんのナイスボデ―が証明済み。
確かに過去巻を読み直しても、シロさんの献立はこのルールにのっとっているものが多いです。
※【コマ引用】「きのう何食べた?」(よしながふみ/講談社)11巻より
志乃さんが、さっそく筧ルールを取り入れて作ったのが、
・鶏わさ
・なすとししとうの揚げだし
・にんじんとツナのサラダ
・じゃがいもとわかめのみそ汁
の4品。メニューの文字だけでヘルシーな予感がします。
作り方:
ししとうは破裂しないように、穴をあける。
ししとうとなすの揚げだし:
ししとうとなすは素揚げし、濃いめのかつおだし+しょうゆ+みりんで作った汁に漬ける。
(欄外にも書かれてますが、めんつゆ酷使のシロさんと違い、志乃さんはきちんと出汁とる派のよう。こういった調理の流儀の違いが描かれるのも面白いです)
食べる前に小鉢に分けて、大根おろしとしょうがをそえたら完成。
にんじんとツナのサラダ:
千切りしたにんじんとみじん切りした玉ねぎをボウルに入れ、すりおろしたにんにく、ツナ缶の油だけをかけまわす。レンジで2分加熱したらツナを加え、お酢、黒コショウ、マスタード(+好みでしょうゆ)で味付け。
志乃さんいわく、栗原はるみさんのレシピのアレンジらしい。
鶏わさ:
ささみは片栗粉をかるくまぶし、沸騰したお湯でしっかり火が通るまで茹でます(筋とったほうがいいのかなー、と迷いましたが、そのままでも問題なさそう)。
ささみって昔は表面を湯引きすれば半生でもOK、という認識だったけど、最近はこういう注意喚起(※PDFファイル)もされてるんですね。鶏刺し大好きなのでちょっと残念……。
ひと口大に切り、大葉とわさび、しょうゆを添えて完成。
オイル2品(サラダ、揚げだし)、ノンオイル2品(鶏わさ、みそ汁)、
あまからすっぱいの味バランスに、緑黄色野菜たっぷり。
筧メソッドにもとづいた、隙のないヘルシーな献立。
片栗粉の衣がつるんとしていて、しっかり火を通したささみでも口当たりのいい食感に。
わさびとしょうゆで食べると、ほんとにお刺身のよう。
なすの揚げだしはもともと大好物だから、あるだけ食べてしまう。
油を吸った野菜を、大根おろしとしょうがでさっぱり食べるから、いくらでも箸が進む。
にんじん苦手なのですが、なぜかこういうキャロットラペ系は大好きでもりもり食べられる。
ツナの油がドレッシングのかわりになっているのも、さすがの知恵。
にんにくや玉ねぎが香味になって、パンチがきいたお惣菜風のサラダです。
みそ汁はじゃがいもとワカメ。
できれば多めに作っておきましょう。なぜなら……
※【コマ引用】「きのう何食べた?」(よしながふみ/講談社)11巻より
卵を落とせば、翌朝のおみそ汁にリメークできちゃうからです。
ひと晩たって味しみしみのなすの揚げだし、スナップえんどうのおひたし(※8巻の麻婆もやしの献立参照)、ちいさいおにぎり3つ(しゃけ、こんぶ、梅干し)。
忙しい朝にここまでやれるとは志乃さん、さすがデキる女。
おしゃれさも華やかさもないけれど、相手のことを100%考えた献立って自然とこうなるものかも。
お互いを思いやる新婚夫婦の姿に、きゅんとさせられたエピソードでした。
↓作り方は、動画でもどうぞ(音出ます)。
コメント
コメント一覧 (18)
はじめまして、コメントいただきありがとうございます!
私もブログをやってみて、自分と同じようにマンガの料理を美味しそうと思っていた方が多かったことに驚いています。
どんなマニアックなマンガでも、反応いただけることにネットのすごさを実感してます^^
ぼちぼち更新していきますので、どうぞよろしくお願いします。
最近このサイトを知り、見させていただいてます!
漫画も料理も好きだけど、まさかこんな風に実際に作っている方がいるなんて驚きと同時に嬉しくなりました(*^^*)
特に『きのう何食べた?』は料理は美味しそうなのに若干、描写が分かりづらく思っていたのでとても参考になります!
大変だと思いますがこれからも頑張ってください!
楽しみにしてます
おお、鶏肉も昔から「生は危険」が当たり前だったのですね…!
昔ほかのレシピで見た鳥わさは、さっと表面を湯通ししたものを、半生で食べる、というものだったので、火を通せばOKと思っていました@_@
九州旅行で「鶏刺し」を食べて大好きになったのですが、あれもほんとはダメなんだろうか…(もしくはお店のものは特殊な処理がされているのかしら)。
「豚肉と鶏肉が生っぽいのは危ない」と教えられてきたので、「『最近は』鶏肉も生は危ない」と書かれていたので逆に衝撃でした。
umebonさんの言う通り、ササミは大丈夫って事だったんでしょうか。
しのさんの家では新鮮なササミが手に入ったから大丈夫だったのかなー。
す、すみません!
スナップえんどうのおひたしは、8巻のマーボもやしの献立に登場していたのですが、記事アップしたつもりが、まだしていないことに気づきました(汗)。
写真はあるので、おりをみてアップしますね。
動画楽しみにしてくださってるとコメントいただけてうれしいです;_;
どうやったらもっと料理を美味しそうに見せられるかなー、と思った時に、ふと試しに撮ってみたのですが(普段使ってるカメラが動画撮影もできるので)、いまでは編集するのが楽しくて・・・!
まだまだお見苦しい出来と思いますが、時間に余裕があるときはブログとあわせて作っていこうと思います^^
にんじんサラダ、にんじん嫌いの私でもがんがん食べられるほどなので、おすすめです!
コメントいただき&うれしいお言葉ありがとうございます!
磯兵衛、漫画を紹介したいがために再現した部分もあるので、うれしいですw
何食べのトーストシリーズ、どれも名作ですよね。
コンビーフ玉ねぎトースト、チーズ足すアレンジもおいしそうです^^
ほんとわかりやすくて、マネしやすいですよね>シロさんルール
献立に迷ったときの参考になりそうです。
揚げだし、大好きなので作った分だけ当日食べてしまうことが多いのですがw、翌日のおいしさを考えたら残しておくべきですね!
なすの揚げたやつ大好きなのですが、「これ全部油吸ってるからこそのおいしさなんだよな…」と気づくと恐ろしくなりますよねw
ささみ→胸肉の改変版、おいしそうです!
ポン酢もあいそうだし、何食べ参考に自分のアレンジ加えるのいいですね^^
志乃さん、年齢に関係なく太りにくそうな印象ですよね。うらやましい・・・(ねたみ&そねみ)。
朝食作った後の「ほんとに足りる?これでいい?」と心配そうな表情、新婚ならではの愛を感じました…!
たしかに読者としても、ぽっちゃり周平さんを見慣れてしまったので、急にやせられてもとまどいそうですw
参照のところが分かりません。゚(゚´Д`゚)゚。
この動画が非常に楽しみでして、「先にUPされた動画を見る→ブログの記事がUPされるのを待つ」というこの期間を、すんごくワクワクしながら楽しみに過ごすのが好きなんですよ~!
これからもゆうこさんの無理のない範囲で動画も作ってほしいです。
もちろん記事と動画が逆になったって構いません。
今回は、理想的な家庭料理である「何食べ」動画で、これまでの非現実再現やイベント料理とはまた違う良さがありました。
「あ~シロさん(今回は志乃さんですが)はこんな風に作ってるのか~」と、漫画のコマの空白を埋めるような良さがありました。
にんじんのサラダは酒のつまみにもなりそうな感じですね。
機会があったら自分もつくってみたいです。
大好きですっ!マンガ食堂っ!特に何食べっ
先日感動したのが磯部磯兵衛の登場ですっ
他多数大好きなマンガを再現していて素晴らしいっ!と尊敬の嵐で拝見させていただいてますっ
あ~本当漫画はやめられませんっ
何食べ美味しいですよねっケンジのコンビーフ玉葱トーストいまだにリピっ+チーズ!
茄子の揚げ出汁は最高です。翌日のシミシミな味わいは翌日のすき焼きの残りに似たものがあります
シロさんはヘルシー志向である骨頂たるメニュー編成。毎回そうなのかと唸らせる構成は見てて楽しいです
揚げ焼というか蒸し焼きにしたんですがこっちの方が美味しそうですね
鳥もささみじゃなく胸でいいやw安いしwwと改変
そして皮も食べたのでシロさんルールからだと守ってないんだろうなあ…
(しかもわさび醤油じゃなくポン酢かけて食べたので別物…)
志乃さんの思いやる気持ちと周平さんの「家族ができたんだなあ」という
セリフが泣けました
志乃さんは相変わらずがっつり食べてますが働き者だから太らなさそうです
でも周平さんはぽっちゃりしていてもどこか魅力があるので、痩せてしまうと少しさみしいような気がしてしまいます…w
筧氏のルールで毎日ごはんを食べていれば、食費も医療費も倹約できそうな気がしますね!
申し訳ありません、お恥ずかしい…ぜんぜん違う料理ですね;
修正させていただきました、ご指摘ありがとうごさいましたm(_ _)m
キャセロールとは「蓋付きで厚手の鍋」、またはその鍋を使った「煮込み料理」のことですよ!