すごく久しぶりに「美味しんぼ」から再現。2巻「手間の価値」に登場する、東坡肉(トンポーロー)です。
「美味しんぼ」の現行巻を前期、中期、後期に分類すると、もっともハードボイルド色が強かったのが前期。
山岡さんが一番ソリッドで、思春期の中学生級に触るものみな傷つけていた時代です。
それだけに、この時期のエピソードは名言・名シーン盛りだくさんですが、これもそのひとつではないでしょうか。
※【コマ引用】「美味しんぼ」(雁屋哲/花咲アキラ/小学館)2巻より
この豚バラ煮込みは出来そこないだ、食べられないよ。
休日にみんなで中華街の人気店の行列に並び、やっと食事にありつくシーンで、店員に放つこの一言の破壊力といったら、、、しびれるー!(しかもこれ二店目ですからね)
マンガだからしびれるーとか言えますけど、大人になってみると、団体旅行に絶対誘ってはいけないタイプとわかりますね…。
※【コマ引用】「美味しんぼ」(雁屋哲/花咲アキラ/小学館)2巻より
この豚バラ煮込みをめぐり、のちの主要キャラにもなる周大人の豪邸で料理勝負が行われます。中華街の店主が作ったものと、山岡のトンポーロウを食べ比べた差は歴然。
勝敗を分けたのは、「皮つきの豚肉」「根気よく蒸し煮する」の2点でした。
ほんとにそれだけで激変するの?
長年疑問でしたが、ちょうどスーパーで珍しく皮つきの豚ばら肉が手に入ったので、再現してみます。
作り方:
皮つきの豚バラブロック肉は、皮の表面の毛をきれいにする。
カミソリで皮の表面をそり、コンロの火であぶる(スーパーで売ってるものはもともと処理されてる場合も多いので、きれいな場合は省いていいかも)。
皮つきの豚バラブロック肉は、皮の表面の毛をきれいにする。
カミソリで皮の表面をそり、コンロの火であぶる(スーパーで売ってるものはもともと処理されてる場合も多いので、きれいな場合は省いていいかも)。
ブロック肉を軽くゆでる。このときの茹で汁はあとでスープとして使うので、しょうが、青ねぎと一緒にゆでました。時間は書いてないけど、今回は4~5分くらい。
ゆでた肉はしょうゆと酒を混ぜたボウルに漬ける。表面が色づく程度でOK。
豚肉を油で揚げ、焦げないよう注意しながら、表面がきつね色になったら引き上げる。
豚肉の皮を下にして深めの皿に置き、しょうゆと酒(上で漬けた残りでOK)、しょうがのスライス、スープ(これも上の茹で汁)、それから八角を入れる。
皿ごと蒸し皿に入れて、2時間じっくり蒸す。
蒸し終わったのがこちら。何かに似てると思ったら、台湾の故宮博物院で見たあの肉だわ。
食べやすい大きさにスライス。下に茹でたチンゲン菜などの青菜をしいて、煮汁をかけたら完成。
てりてりの皮の部分が、なんともおいしそう。
食べた感想:
皮の部分はねっちりもちもち。その下の脂身はとろとろ、赤身はホロホロ。確かにこの3層の味を楽しめるのは、「皮つき」の肉だからこそ。本州のスーパーではあまり置いてないけど、なぜもっとメジャーにならないのか…。
じっくり蒸すおかげか、鍋で煮込む普通の角煮よりも、格段にしっとり仕上がる気がします。温めなおすときも、皿ごと蒸し直したほうがおいしいです。
あと、今回の味付けはしょうゆのみですが、本場のトンポーローは砂糖をたっぷり使うよう。ただ、しょうゆのみでも十分おいしく、あっさり味が好きな人にはこちらのほうがおすすめかも。
じっくり蒸すおかげか、鍋で煮込む普通の角煮よりも、格段にしっとり仕上がる気がします。温めなおすときも、皿ごと蒸し直したほうがおいしいです。
あと、今回の味付けはしょうゆのみですが、本場のトンポーローは砂糖をたっぷり使うよう。ただ、しょうゆのみでも十分おいしく、あっさり味が好きな人にはこちらのほうがおすすめかも。
山岡さんの言う通り、難しい工程は何もなく、時間をかければおいしく仕上がるというのも納得。
そのまま食べても、ご飯にのっけてどんぶりにしても、ラーメンに入れてもよし。意外と普段使いできる家庭料理かも。
そのまま食べても、ご飯にのっけてどんぶりにしても、ラーメンに入れてもよし。意外と普段使いできる家庭料理かも。
コメント
コメント一覧 (14)
魚の絵までは気づきませんでしたが、「美味しんぼ」の絵、けっこう変遷激しいですよね。
わたしは中期あたりが一番好きです。
(女性キャラがみんなかわいくて色っぽい!)
おお、同じお鍋をお持ちなのですね。
蒸し器ですが、うちはこういうフリーサイズのものを使っています。
鍋の大きさにあわせて使えるので、なかなか便利ですー
https://www.google.co.jp/search?q=%E8%92%B8%E3%81%97%E5%99%A8%E3%80%80%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%BA&rlz=1C1SNJC_jaJP447JP448&espv=2&biw=1366&bih=596&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwiJyorQo5XMAhWjg6YKHVNLDcwQ_AUICCgC
見やすくなったというお言葉いただけて、ほっと安心しました!
(集中線、ぼーっとしてるときについ何度も押してしまいますw)
ドイツでは、皮つきの豚バラがふつうに売られているんですね。さすがソーセージの国!(?)
ドイツ料理ではどんなレシピに使われるんだろう・・・と気になりました。
初期の山岡さん、ほんとにハードボイルドですよねw
巻が進むにつれキャラがおちゃらけ方面に崩れていってますが、初期のままだったら感情移入はできなかったかもしれません…。
「いぶり暮らし」って燻製マンガなんですね(おもしろそう)。海外にお住まいと思えない、berlinbauさんの漫画情報収集力、脱帽です!
以前からトンポーローを作ってみたかったのですが蒸し器がなくて困ってました。
同じ形の鍋がうちにあるのですが、皿の下に何か置いて下に水をしいて蒸しているのでしょうか
しかしこの東坡肉ものすごくおいしそうです。圧力鍋で手間を短縮してはダメなんでしょうね、、、きっと。檀流クッキングでも、「1日棒に振ってみるがよろしいだろう」って書いてありました。ドイツのお肉屋さんでは豚バラは大抵皮付きなので、いつかは1日棒に振ってみたいと思います。
実はほとんど美味しんぼを読んだことがなかったんですが、このブログを見て2巻を買って読んでみたら山岡さんハードボイルド!おもしろかったです。
そういえば、「いぶり暮らし」というのをネットで読んだらはまってしまい、すっかり燻製やりたい病に♪ 待つ時間がまた楽しそうなんですよ〜
ありがたいお言葉ありがとうございます!
初めての引っ越しでどうなることかと思いましたが(作業で三連休全部つぶしました^^;)、新しい機能がいろいろ使えるようになって嬉しいです。
新天地で再びがんばっていこうと思うので、気が向いたときにでものぞいていただければうれしいです!
読み返すと、ほんとにピリピリしてますよね…>初期
山岡さんであんなに面倒なんだから、海原先生と一緒にご飯なんて、超ハードモード必至ですね(ブルブル)。
近所で皮つきの角煮が食べられるなんて、うらやましい!
はずれの時は、ぜひ山岡さん風に店主にケンカを売ってきていただきたいですw
はじめまして、コメントありがとうございます!
ブログの引っ越しは初めてのことだったので色々不安だったのですが、見やすくなったとおっしゃっていただけて、ほっとしました。
私もこのブログをはじめてから、いろんな作品を教えていただけるようになったので、うれしいです!
インスタについては、料理を作ってからブログで記事にするまでかなりタイムラグがあるので、速報(?)的に写真や動画だけ出していきたいな~、と思って開設したのですが、不慣れなこともあり、まだまだ活かせてませんorz
早く慣れるよう活用していこうと思うので、どうぞよろしくお願いします^^
引っ越しを考えた大きな理由のひとつが、タグ機能をスマホで使いたいことだったので、活用いただけてうれしいです!!
私もこのブログを始めたおかげで、みなさんに教えていただいたマンガが愛読書になったことが多々あります^^ 今後もぼちぼち更新続けていければと思いますので、よろしくお願いします!
初期の山岡さん、たしかに子供のころはいかにも「クールなヒーロー」という感じであこがれていましたが、大人になって読み返すと「究極のメニューの担当者に任命される前って、仕事何してたの…?こんだけグータラって、周囲に相当しわ寄せいってるんじゃないの…?」とか色々もやもやしますw
そして、ブログ移転されたんですね!お疲れ様でした。作品名で検索できるのが嬉しいです。きのう何食べた?のレシピを楽しみにしているので。。
これからも楽しみにしてます。
紙越しに見てるブンには愉快かもしれませんが、一緒に飯食いに行くのは御免被りたい、実に
近所の中国人経営のラーメン屋さんでは分厚い皮付きの角煮を出してくれます
美味しいのですが、これにも当たりとハズレがありまして、当たりは記事のような脂肪もとろけるような感じで、ハズレだと固くて油っぽさが口に出てしまう感じです
煮込みの手間を惜しむかどうかで味が全然違うってのは同意です本当に
好きな漫画も(勝手にですが)一緒のものが多いのかな?と思っています。教えていただくこともありますし、「これ登場しないかな〜」と思っていた漫画が登場したときは本当に嬉しいです(笑)
ブログ移行お疲れ様でした。ますます見やすくなって、ついつい読み返してしまいます。インスタもはじめられるのでしょうか?なかなかコメントもできずにいたので、インスタでも見られるのであればとても嬉しいです(^ ^)
これからも楽しみにしておりますので、お体第一で、美味しいごはんライフをお過ごし下さいませ(*^^*)
こちらのブログを拝見するようになってから、梅本さんが紹介される漫画が幾つか私の愛読書にもなり…更新されるのを日々楽しみにしております!
美味しんぼのトンポーロウ回、とても懐かしくて思わずコメントしてしまいました。子供の頃は、態度の悪い店員に一発かましてくれた山岡さんかっこいい!でしたが、大人になるとまた感じ方も変わるものですね…美味しいものを教えてくれるけども、一緒にご飯を食べには行きたくない系のお方ですねw