※【コマ引用】「きのう何食べた?」(よしながふみ/講談社)11巻より
「きのう何食べた?」11巻に、シロさんのお母さんの十八番として登場するシフォンケーキ。
パンケーキパーティ用に買ったものの、案の定余らせてしまったベーキングパウダー。これを消費する目論見で、子供のころからの定番おやつの作り方を母親に教えてもらうことに。
当時のシロさんはこのケーキにあまりありがたみを感じていなかったようですが、一緒にキッチンに立つなかで、母親の創意工夫が詰まったレシピだったことに気づきます。
同じケーキが、よしながふみ先生の「こどもの体温」にも登場します。ただ分量は書かれておらず、数年前、独自に再現したときはパサパサした仕上がりになってしまい(当時は今よりもさらにお菓子スキルが低かった…)、詳しいレシピを知りたかったので、今回のエピソードは個人的にもうれしい!
過去記事でもご紹介しましたが、インタビューによると、お母様が実際に作られていたケーキだったようで、よしなが先生にとっても思い出深いレシピなんでしょうね。
作り方:(※分量は作中の記載を参考にしてください)
卵は黄身と白身を別々のボウルに分ける。どちらも大きなボウルにしたほうが扱いやすいです。
黄身の入ったボウルには、砂糖、小麦粉、サラダ油、水、塩、バニラエッセンスを追加します(まだ混ぜなくてOK)。
白身の入ったボウルを、しっかりツノが立つまでハンドミキサーで泡立てます。
泡立ったらビーターについたメレンゲを落とし、そのまま黄身のボウルにミキサーを移して粉っぽさがなくなるまでよく混ぜます。洗い物が少なく済む、主婦の知恵ですね。
黄身の生地を白身のボウルに移し、メレンゲがつぶれないように全体をさっくりと混ぜます。
パウンド型(同じサイズがなかった…)2本分に生地を流し、180度に予熱したオーブンで30~40分。 焼きあがったら逆さにして金網の上に型のまま乗せ、上に濡れふきんをかけて30~40分冷ます。
粗熱がとれたら型の四辺に包丁を入れてケーキを取り出し、表面のくずを払っておく。
フロストシュガー(溶けやすいように加工された砂糖)をボウルに入れ、冷たい牛乳でのばしてアイシングを作る。混ぜ始めは固いですが、だんだんねっとりしたクリーム状になります。
焼きあがったケーキの上面にアイシングをたっぷり塗り、固まったら完成。
(「上面」が、焼き上がった時の膨らんだ面か、平らな底の面を示すのか迷いましたが、写真では平らな面に塗っています) 型のサイズが違うので、大小の2種類になっちゃいましたが……。
切り分けて、ホイップクリームを添えていただきます。
食べた感想:
シフォンケーキのふわふわに、カステラのような卵の風味としっとり感が加わったスポンジ。
これにシャリシャリのアイシング部分と生クリームの組み合わせがたまらんです。素朴な見た目に油断していると、びっくりさせられるおいしさ。
食べさせた家人も、シロさんの小学生時代の同級生の「うお~~うんめ~~!」と同じ反応をしていました(40代)。
パウンドケーキ2本分は多いように見えますが、食感が軽いのであっという間になくなります。 なにより素晴らしいのが、ケーキ作りの「イラッとしがち」な工程が絶妙に省かれているところ。 粉をふるったり(台所が汚れる)、バターを使ったり(調理器具がベトベトする)、ケーキ型にシートを敷いたり(面倒くさい)……といった作業が一切ないのは、ズボラな人間にはありがたいです。
そして自分も歳をとってしまったせいでしょうか、親のレシピは、お互いが元気なうちに聞いておくべきだなあと、とこのエピソードを読んでしみじみ思いました。教えてもらうなかで、意外な裏話とか出てきたりしますしね。今度実家に帰ったら、母親にいろいろ聞いてみよう。
よしなが先生の後書きにあった、イチゴを添えたショートケーキ風バージョン。クリスマスケーキにもよさそうですね。(※こっちは膨らんだ焼き面にアイシングをしたもの)
コメント
コメント一覧 (16)
何食べのお菓子回はテンション上がりますよね!
どれもハズれなくおいしいのがまたスバラシイ…。
このシフォンケーキも、最初たしかに「パウンドケーキ2本分もどうしよう」と途方に暮れたのですが、食べるうちに「やばい、2本じゃ足りない」と途方に暮れますw
モーニングで読んで、単行本化が待てずに本誌買ったぐらい作りたい!と思ったシロさんママレシピのシフォンケーキ。
私も作ってみましたが、好評でしたよ~!
味がマーラーカオにちょっと似てる気がしますが、作るとあっという間になくなりますよねw
クリスマスに作られたんですね! うまくいきましたでしょうか(ドキドキ)。
ほんとに合理的に考えられてるケーキで、さすがよしなが先生(&お母様)のレシピだ…と感動しました。
見当違いのアドバイスだったらすみませんTT
成功することをお祈りしています!
クリスマスということで、今回このケーキにチャレンジしました!
ほんとーに簡単で驚きです⭐️
ただいま粗熱取り中。
うめさんみたく、先生みたく、上手にできるかドキドキです、、、
なるほど、、黄身の方は気にしてなかったです。。リベンジしてみます( ´ ▽ ` )
コメントいただきありがとうございます!
私もお菓子作りは経験値が低いもので、アドバイスにならなかったら申し訳ありません。
もしかしたら、黄身の生地の混ぜ方が足りないのかもしれません。
小麦粉やサラダ油をしっかり馴染むようにハンドミキサーで混ぜてみてはいかがでしょう?
(繰り返しになりますが、見当違いのアドバイスだったらすみません!)
最近だと専門店も出てきて、けっこうデコラティブなシフォンケーキも増えてますよね!
でも確かに、シンプルにあのふわふわ感を楽しみたいときもあります。
両方叶えるなら、パンケーキパーティのときみたいに、トッピングは各自で、が正しいのかな?
(書いててやってみたくなっちゃった、シフォンケーキパーリー…)
バターナッツのかぼちゃプリンを作る時点ですんばらしい女子力じゃないですか!
(私はこういう再現でないかぎり、「お菓子は金で買うもの」が信条の乙女力ゼロの人間です…)
お菓子って失敗するとヘコんじゃうのに、ちゃんとリカバリーするまるまるさんのステキ女子力こそ見習いです[絵文字:i-189]
こちらこそ情報いただいてありがとうございました&麻さんもさっそく作っておられたんですね!
ケーキ作るときって、後片付けが大変なのがブルーなのですが、これはめちゃくちゃラクで私も驚きました。
確かにふつうのシフォンケーキよりも、食べごたえがありますよね。
冷蔵庫で冷やしたら、カステラっぽい感じになりました。
(旦那様の「シフォンケーキはつまんない」というコメント、なんかツボですw)
親の料理って、見よう見まねで作ってもなんか違ったりしますよね。
うちもちゃんとレシピを聞き出してまとめておこう…!とこれ読んで思いました。
そうなんです、私もシフォンケーキって色んなコツがあって面倒くさそう・・・と思ってたんですが、
このケーキはめちゃくちゃラクでした(「簡単」というよりは「ラク」!)。
そしてオーブンレンジ導入おめでとうございます!
このケーキだけでなく、お菓子作りいろいろ楽しんでください~^^
(うちも10年以上使ってるので、そろそろ新しいのが欲しい!)
ケーキについて質問です。。
シフォン、2回トライしたのですが、2回とも下半分が羊羹みたいに固まってしまいます…。もし、コツがあれば教えて欲しいです!
一度、シフォンケーキにたっぷりといちごを盛りつけて食べてみたいなぁ
シフォンケーキってそのままだけでいい、何か添えるのは邪道って感じと、いやたっぷりトッピングしたいって感じに別れてそうです……食べ方が
急いで本屋に駆け込んでいます。
このシフォンケーキ、きっと再現してくださると思ってました!
こんなに早く見られるとは!
お菓子スキル、女子力高い!
私なんぞは、先日バターナッツかぼちゃのプリンに
盛大にスが入ってしまい、泣く泣くザルでこして
水切りヨーグルトのように水を切り、翌日
「かぼちゃプリン味のムース」と思い込み完食しました。
私とumebonさんとでは、更地とチョモランマくらいの
女子力高低差を感じます。
高くて登れる気がしない今日この頃です。
単行本買ってすぐに作ってみたのですが、このケーキは今まで作った中で一番手間要らずでびっくりしました。
材料計って混ぜたらもうオーブンの中。スタートボタン押して「あれ?もう待つだけ?」と戸惑いました(笑)。さすがです久栄さん!主婦の知恵!
うちの旦那は普通のシフォンケーキが苦手なのですが(曰く「ふわふわ過ぎて食べた気がしない、つまんない」らしいです。シフォンケーキ全否定です)、このケーキは食べ応えがあっておいしいと言ってくれました。簡単だし、今度からはうちもこれをシフォンケーキにしようかな・・・。四角いから冷蔵庫にも入れやすいし・・・。
最後の「親のレシピはお互いが元気な内に」という一文がサクッと胸に刺さったので、今度いなりずしの作り方を聞きに行こうと思います。
今度作ってみようかな・・・
私事ですが、ついに我が家にオーブンレンジが来ることに相成りまして。
焼き菓子もオーブントースターで焦げの心配をしながらチマチマ焼いてたのにはもうおさらばです!
これでこのシフォンケーキも焼いてみるんだ☆