※【コマ引用】「へうげもの」(山田芳裕/講談社)2巻より
マンガ飯の記事もぼちぼち作ってようやく30本目。節目となる(?)今回は、大好きな漫画「へうげもの」2巻に登場する「安土盛り」に挑戦してみました。
上京した徳川家康のための饗応で、古田織部が考案した異国風デザート。「南方の果実(パイナップル)に桃・枇杷・美濃柿を酪・醍醐で和えましてござる」と自信満々にアピールするも、ゲスト(家康)の反応は……。名シーンがありすぎて選べない「へうげもの」ですが、このオチも大好きですw
今回のレシピは簡単そう?と思いきや、材料集めから意外と苦労しました。何せこの時期、どのスーパーや青果店を見ても柿がない!
あんぽ柿や干し柿で代用しようと思ったけど、それも見つからない…。というわけで今回は柿は省略です; 枇杷と桃は丁度シーズンだったので無事手に入りました。
パイナップルは丁度ハーフカットのが売ってました。果物ナイフとフォークを駆使して、中身をくりぬいていきます。気をつけないと、外皮を破ってしまいそうでコワイ。
パイナップルの実と、別にカットした果物を詰め込みます。おお、見た目からトロピカル。
次に悩んだのは、「酪と醍醐」の材料の部分。
それぞれ乳製品のようですが、解釈に諸説あるようで、チーズなのかヨーグルトなのかバターなのか、でんでんわからず。
「酪=ヨーグルト」「醍醐=チーズ」ってことでFAしようかと思っていたところ、昔モーニング本誌で「安土盛り」再現企画があったらしく、そのときのレシピ「練乳」と「ヨーグルト」を採用することにしました。いやー、思わぬとこで勉強になってしまった(この先使う機会なさげな知識ですが)。
というわけで、フルーツ盛りに練乳とヨーグルトを混ぜたものをかけて完成。なんか寂しいと思ったら、パイナップルの葉っぱがなかったΣ(;゚*゚)
※【コマ引用】「へうげもの」(山田芳裕/講談社)2巻より
食べた感想:
←……というちゃぶ台返し状態にはもちろんならず、普通にフルーツヨーグルトとして美味しくいただきました。
しかし当時としてはアヴァンギャルドすぎるデザートを出された家康さんの怒り、現代に例えると、どんなもんだったんでしょう……。
「へうげもの」に登場する食事でもうひとつ気になるのが、明智光秀が部下にふるまった「荒縄の味噌汁 ~早咲きの桔梗添え~」。 な、縄食べるんですか!?と最初は驚愕しましたが、実は芋茎の縄で戦場の携帯食としてはメジャーだったみたいですね。さすがにこれは再現難しそうですが、ちょっと食べてみたいな。
コメント
コメント一覧 (10)
あああ、NHK-BSの「熱中人」ですね。覚えていてくださった方がいたとは…!
私も念願のへうげものの味噌汁を再現できて(縄ない名人の方にお会いしに岩手に行ったり)、今でもすごく思い出に残っている番組です。
偶然の再会、とても嬉しいです。今後もぼちぼちですが更新していきますので、こちらこそどうぞよろしくお願いいたします。
返信が遅くなり申し訳ありません。
荒縄の味噌汁、実はNHKの番組に出演させていただいた際に、機会をいただいて再現することができました!わたしも意外とおいしく感じましたw
しかし昔の人の知恵って、ほんとにすごいですね。
出汁いれないと現代人としてはそう美味しくないかもしれませんが戦場で塩分と水分が取れて具も食べられる夢のような逸品ですな。
私はすいきが好きなので美味しいと思いますが食べ慣れない方には厳しい味なのかもしれませぬ。
はじめまして、コメントありがとうございます(遅い返信で申し訳ありません…)。
味平やへうげものに反応してくださって、うれしいです!
今後も個人的に好きな作品の気になった料理を、ぼちぼち続けていければとおもってます。
裂けた旅券
↑こちらの作品、初めて知ったのですが、ハードボイルドな感じで面白そう!
個人的には、包丁人味平のメニューを再現して下さったのには感涙です
へうげもの 安土盛りの再現も素晴らしいですし、今後も楽しみです!
これからはどの料理に着目なさるのでしょうか
信長の料理人 裂けた旅券 青の祓魔師
過去に選択された作品から推測すると、この辺のが来るのではと
これからも発表を楽しみにしております
はじめまして、コメントありがとうございます!
なんと、フィリピンのデザートだったんですね~!
そういえば、織部が利休から贈られたルソン島の生地の着物を着るエピソードもありましたね。
なるほど、そういう繋がりなのか~、とちょっと感動してしまいましたw
そして本場の「安土盛り」も、とっても美味しそうです。
ココナッツの果肉の蜜煮、どんなものなんだろう…と興味津々です。
果物の酵素と乳製品の組み合わせ、そんな効果もあるんですね>カッテージチーズ
自分で読んだだけでは絶対気づけなかったところに、色々情報いただけて大変嬉しかったです。
ありがとうございました!
自炊の参考の為いつも楽しく拝見しております。
近い話中にルソンの陶器?が登場しておりましたので、
フィリピン料理の「フルーツサラダ」ではないかと思いました。
主な材料は、
各種南国果実(缶でも可。良~く水気を切る)、
ココナッツ果肉の蜜煮(ナタデココやパームヤシ等その他ビン詰製品でも可)、
練乳、そして生クリーム(南国ですので現地ではパック製品が少なく、缶エバミルクを使用していました。濃いほどそれらしくなる)
となります。
南国果実の酵素と生クリームが反応するのか、分量が成功すると甘いカッテージチーズの様な不思議な味の乳製品デザートとなります。
特色の捉えにくい国なのか日本ではあまり認知されいませんが、現地では日常的なデザートです。また、必ずと言って良いほどの頻度で祝いの席にも並んでいました。
思い入れのあった好物でしたので、長文失礼しました。
はじめまして、コメントありがとうございます!
なんと! きっどさんも安土盛り再現されてたんですね[絵文字:e-451]
さっそくサイト拝見しましたが、最後の「スポッ」ってとこまで再現されてて感動しましたw
あと、パイナップルに織田家の紋まで彫ろうと試みられたなんて、私はそんな細部まで気がまわりませんでした! すごいです[絵文字:i-189]
私の時はおっしゃるとおり、柿が全然見あたらずorz
きっどさんの、ビワゼリーから採取した、というのもすごいですw
しかしよく考えたら、柿とビワが同時にそろう時期ってあるのかしら……といま疑問に思いました……。
検索からたどり着きました。
「へうげもの 安土盛り」で検索したところ、
再現されておられるとのことで、見に来ました。
実は私もブログをやっており、その中で、
安土盛りを再現して作ったことがあったので、
「パイナップルの外皮が破れそう」などというところが全く同じで、
あるあると共感しながら、楽しく読ませていただきました。
そういえば柿が無かったとのことですが、
私のときはビワがなかなか見つかりませんでした。