先月6巻が出た「たそがれたかこ」ですが、今回再現するのは夏に発売された5巻から。
ほんとはもっと早く紹介したかったのですが、理想の「ふた付きの容器」を探すのに時間がかかり……。合羽橋の中華雑貨店でこれ見つけたときは思わずガッツポーズ。
若手バンド「ナスティインコ」にハマった45歳のバツイチ・たかこさんが、人生初のライブを経験するエピソードを描いた5巻。
いつもよりオシャレをして、電車に乗ってライブハウスに向かう。ただそれだけのことですが、人生を半ば諦めていた状態のたかこさんにとって、この日のひとつひとつのシークエンスが、どれだけ忘れられないものになったか。過去の自分を救ってくれるものになったか。彼女が過ごした劇的な一日の時間の流れが、丁寧に丁寧に描かれていて、圧巻です。
※【コマ引用】「たそがれたかこ」(入江喜和/講談社)5巻より
今回再現したのは、近所の飲み屋「美馬」の店主・修平さんが、たかこさんの「ライブ処女ソーシツ」祝いのために作った、一品。花のかたちに細工切りしたゆり根に、エビ、アボカド、銀杏をちらしたあんかけのお椀。
入江先生のインタビュー記事によると、火野正平がモデルというだけあって、女心をつかみまくる修平さんのセンス、さすが。
「たかこの夢は夜ひらく」という情念たっぷりの料理名がつけられていますが、「愛の水中花」も頭に浮かびましたw
作り方:
百合根は丸ごと使うので、黒ずんだ根っこの部分をスプーンなどでくりぬいておく。
汚れた燐片はむいて取り除き、外側の燐片から順にひとつひとつ包丁(小型包丁が扱いやすい)で切り込みを入れていくと、こんな花のような形になります。
私のヘタな説明では伝わりづらそうなので、詳しい作り方はこちらの動画をぜひ(こんなにきれいに出来てませんが…)。
鍋にお湯を沸かし、酢を少々入れてから百合根を3~4分ほどゆでます。煮崩れないように注意。
茹でた百合根は出汁に漬けておく。
百合根のあんかけに添えるのは、エビ、銀杏、アボカド。
エビは殻をむいて背ワタをとり、酒と塩少々を入れた小鍋で火が通るまで蒸します。
鍋に出汁にみりん、薄口しょうゆを加え、水とき片栗粉でとろみをつけます。
ここに百合根、エビ、銀杏を入れて軽く温めます。
皿に切ったアボカドを配し、中央に百合根、周囲にエビ、銀杏をちらし、あんをかけて盛り付けます。
おともはたかこさんがよく頼む梅酒をロックで。
やっぱりフタ付きの食器でないと、このサプライズ感は出せない。
作中は一輪花ですが、百合根が大きかったので今回は二輪。
食べた感想:
短時間でもほくほくに煮えたゆり根に、和風のあんかけだしがほっとするおいしさ。こんな華やかなお椀で心遣いされたら、もうキュン死せざるを得ない。神様、うちの近所に美馬を……美馬の店をください……。
ゆり根は年末年始あたりスーパーでよく見かけるようになるので、おもてなし料理にもいいかも。
コメント
コメント一覧 (4)
わー、どれも大好きなマンガなので、はまっていただけてうれしいです!
美馬、本気でほしい店です(今住んでるところは、いい飲み屋が皆無なので余計に・・・)。
ドイツご在住とのことで、日本にはないおいしいものがたくさんありそうで、うらやましいです^^
わー、ありがとうございます!
このお花の切り方、記事中でも紹介している動画がすごくわかりやすくて助かりました^^;(自分ひとりでは絶対できなかった…)
こういう和風のあんかけ料理にアボカドって、珍しいですよね。
彩りもいいし、食感も意外にマッチしてました!
美馬、こんな店、家の近くにあったら通うわ〜!と思っちゃいますね。おツマミとかつきだしとかの美味しそうなこと。
このユリ根のあんかけ、すっっっっごく気になっていました!
ドイツ在住なので絶対に自分では再現できないという辛さもあいまって……再現ありがとうございます。ほんとうに美味しそうです〜。
食べたい……(涙)
今年もマンガ食堂、楽しみにしています!
百合根でこんな素敵なお料理が出来ることにも
2輪の花を作る技量にも
驚き…!
素敵すぎて食べるのが勿体無いですが
とろーりあんかけとの相性もバッチリなんでしょうな…♡
私が無知なだけかもしれませんが
この和風な感じにアボカドを入れる、というのにも驚きました。
どんなお味なのでしょう?
気になるう…