※【コマ引用】「にがくてあまい」(小林ユミヲ/マッグガーデン)1巻より
「にがくてあまい」のレシピはマクロビ系で材料に特殊なものが多いため、「作りたい!」と思ってもすぐに挑めないことがあるのですが、念願の食材がようやく手に入ったので久々に再現してみました。
1巻に登場する高キビのキーマカレー(菜々もちもちキーマカレー)です。
こちらがずっと憧れていた、高キビ。普段馴染みのない食材ですが、モロコシ、コーリャン、ソルガムという名前でも呼ばれ、世界中で栽培されているイネ科の穀物(「紅いコーリャン」って映画もありましたね)。
ベジタリアンの間では、その食感から肉の代用食材として定番になっているようで(別名「ミート・ミレット」)、栄養価も豊富だそう。
雑穀というと総じておとなしいイメージがあるけど、こんな「肉」の称号まで手にするパワー系もいるんですね。
この高キビをひき肉がわりにして、キーマカレー風に仕上げたのが今回のレシピ。 マキがお肉と信じて疑わなかったこの穀物の味がずっと気になっていたので、うきうきと再現してみます。
作り方:
高キビは同分量の水と塩少々と一緒に圧力鍋にかけて10~15分加圧、そのまま冷まします(ひと晩浸水すれば、炊飯器でも炊けるみたい)。 炊けたのが右の写真。
味見してみると、「なんだこれ…!」と衝撃を受けたほど美味しい。お肉というよりは、モチモチ、シコシコしたお赤飯のような味で、今まで食べた雑穀のなかで一番好きかも。
鍋に油を入れて熱し、しょうがとにんにくのみじん切りを炒める。香りが立ったら玉ねぎのみじん切りを入れ、しんなりするまで炒める。
すりおろしたニンジン、高キビを入れて炒め、全体が馴染んできたらトマト缶と昆布だしを入れ、弱火で煮込む。煮込んでいくと高キビのデンプン質のせいか、鍋のなかのカレーがとろみをつけたように、もったりとしてきます。
カレーパウダー、ココアを入れる。ココアはコクと色に深みを出すのに必要なようです。最後に塩で味を調えます。
丸く盛り付けた玄米の横にカレーを添え、パセリを散らして完成。
見た目はまさにキーマカレーそのもの。
食べた感想:
ひき肉、というより豆カレーに近い印象ですが、高キビのもっちりシコシコ、玄米のプチプチの食感がなんとも楽しい。 調味料は塩だけなのに、トマトや昆布だしのおかげで、ちゃんと深い味わいのカレーになっていることにも感動。
野菜嫌いのマキがパクパク食べたのも納得です。 基本的にヴィーガンの「にがあま」には反しちゃうけど、チーズをトッピングしても相性抜群でした。
偏食の塊のようなマキが渚の料理を毎回ものすごくおいしそうに食べるのを見ると、料理の作り手と食べ手にも「相性」ってあるのかも、と思う。
「気持ちよく食べてくれる相棒」ってのは、作り手にとって何より得難い存在で、「何食べ」のシロさんにとってのケンジもそうだけど、「料理が得意な主人公」だけじゃ成り立たないのが、今の料理漫画なのかも。
いやー、しかし高キビがこんなに美味しいとは思わなかった。もう第二の主食にしたいくらいスキ(自然食の店で買うと、わりと高いのが難ですね……)。
小林先生もお気に入りのようで、作中には高キビを使ったレシピが何度か出てくるので、今後もちょくちょく試していこうと思います。
コメント
コメント一覧 (8)
雑穀の品ぞろえって、店によって異なりますよね~。
私はいま「ひえ」を探してるんですんが、なかなか近所では見つかりません…orz
ヴィーガンの方の生活は、不規則な私にはまぶしすぎて、同じく萎縮しちゃう感じになりますw
「にがあま」の渚は、お説教感がないのがすばらしいですよね!
野菜っておいしそう~、と単純に楽しめます。
確かにどのレシピも、野菜だけと思えないくらいの味ですよね…!
珍しい食材が多くてそろえるのに一苦労するのですが、逆に未知の食材との出会いにもなっていてワクワクします^^
カレー、おすそわけできる方法があるならぜひしたい…!w
昔の自分は市販のルーから作るカレーしか知らなかったのですが、いろんな作り方のカレーを漫画から教えてもらっている気がします^^;
≫ブイヤベース鍋
またおいしそうな解説が…!
ブイヤベース憲章はまーむさん独自のものなのか気になりますw(それともイタリアの常識?)
おー、なんというタイミング!>読了中
ワカコ酒、武田梨奈さん好きなのでドラマ版もよかったけど、アニメはさらにイメージどおりで、気軽に見られて面白いですね。
≫マンガ絵だと伝わりきらない料理も、こうして伝えてくれるのですから
なんともったいないお言葉…;;
同じファンの方と共有したい思いで続けてこられたので、そう言っていただけれるとうれしいです!
近所のスーパーには全く置いてない・・・
代わりと言っちゃあなんですがキヌアをよく使うようになりました。
これも通販で手に入れているのですが・・・w
「にがくてあまい」って確かにメニューがほぼ完全なヴィーガン仕様になってますよね。
偏見で申し訳ないのですがヴィーガンの方って若干怖いイメージが。
でもこの漫画に出てくる登場人物は普通の食生活を送っている人に対して否定的な意見がほとんど(マキの初期の食生活以外)ないので、楽しく読めます。
にがくてあまいはわたしも再現したことありますが、
野菜だけのお料理なのに満足度があって
物足りないということがないのが素晴らしいと思ってます。
珍しい食材が多いためそろえるのが大変ですが
それでも作ってみたいと思うものが多いのもこのマンガの魅力だと思います。
私にもカレー食べさせてくださいw
味付けも昆布出汁が旨味だし、この間の薬膳っぽいカレーと同じ感じの驚きを感じました
まぁ、こっちは普通にカレー粉使っていますけどね
>イタリアン鍋のブイヤベース風
味付けにハーブ系のスパイスを追加
ざく切りの完熟トマトをたっぷりとニンニクを追加
ブイヤベース憲章に基づき、カサゴ、オコゼ、ホウボウ、マトウダイの切り身を入れる(代わりにエビは撤去
おこのみでアイオリソースを添える
あれ、これじゃイタリアンじゃなくて南欧鍋じゃ……(汗
ちなみに、ここに触発されて「きのうなにたべた」も入手
「ワカコ酒」もTVドラマ+アニメ放送で盛り上がってる
家族が揃っての食事は大切と、先日「中国嫁日記」の作者のツイートにありましたが、食って大切ですね
マンガ絵だと伝わりきらない料理も、こうして伝えてくれるのですから、管理人さんには感謝しきれません!