ものすごーく久しぶりに「クッキングパパ」のレシピから再現してみました。
4月で連載開始から30周年を迎えたクッパパですが、その記念すべき号となる「モーニング」22・23号の掲載話が、30年前の第1話をなぞったエピソードになっていて、感動的だったのです。(単行本まで待ちたい方は読み飛ばしてくださいー)
※【コマ引用】「クッキングパパ」(うえやまとち/講談社)1巻より
「クッキングパパ」の第1話に登場するメニューといえば、かの有名な「イタリアン鍋」。 スライスした野菜やベーコンを鍋のなかで層状に重ね、チーズをたっぷり散らして火にかける、簡単かつ見た目も豪華なレシピでした。
初期の荒岩パパは「料理が得意なこと」を周囲に隠していたり(時代を感じますねー)、今よりちょっとツンデレ度が高かったり、あらためて読むと何だか新鮮。
※【コマ引用】週刊Dモーニング 2015年4月30日発売号「クッキングパパ」(うえやまとち/講談社)より
そして30年目を迎えた1323話(!)に登場するのも、やはりイタリアン鍋。しかし今度は自家製のラビオリが乗ったデラックス版になっています。そして作るのは、荒岩パパではなく成人した息子のまこと。
(ちなみにイタリアン鍋は過去にもまことが沖縄でアレンジ版を作っているようなので、通算3度目の登場?)
登場するメニューだけでなく、ストーリーも第1話を完全に踏襲。荒岩パパは現在も東山常務とランチと弁当の取り換えっこをしているようですw(あの1本丸ごとの卵焼きも健在)。最後の虹子さんとの「うふっ」なオチもまんまです。
でもよく見ると、当時はいなかったみゆきがいるし、田中くんは頼れる先輩になってるし、30年(作中では十数年?)の変化もきちんと盛り込まれているところに、何だか感慨を覚えてしまいました。
イタリアン鍋は再現している方がたくさんいて、「おいしそう!」と見て満足しまい、作ったことはいまだにないのですが、30年目のデラックス版はどんな味なのか。気になったのでこの機会に挑戦してみました。
作り方:(※分量は本誌をご確認ください)
まずはラビオリの生地づくり。 セモリナ粉、卵、オリーブオイル、塩を少しずつ混ぜ、まとまってきたらよくこねます。
セモリナ粉は粒子が粗く、こねると強力粉より硬さが出て、かなり力が要ります。ちょっとした運動レベル。 生地がまとまったら丸くして、ラップでくるんで半日~一日ねかせます。
ラビオリの具を作ります。 鍋にオリーブオイルを入れ、みじん切りしたニンニクを入れて熱し、香りが出たら合いびき肉を炒めます。
玉ねぎとセロリの茎のみじん切り(かなり細かくしたほうが後で包みやすい)を加えて炒め、しんなりしたらザク切りにしたトマト、ローリエ、オレガノを投入。
トマトペースト、塩コショウ、赤ワイン、みじん切りしたセロリの葉、粉チーズを加えて、水分がある程度飛ぶまで炒めたら完成。
ラビオリ作りもいよいよ大詰め。ねかせていた生地をパスタマシンにかけ、薄く伸ばしていきます。
パスタマシンにかける前に、生地を麺棒である程度薄くし、ローラー幅を調節するダイアルの一番太い設定で伸ばしてから、徐々に薄くしていき、最終的に1~2ミリの厚さに仕上げます。
伸ばしていくと生地が長ーくなってしまうので、途中で分割すると扱いやすいです。伸ばし終わった生地はくっつかないように、打ち粉をしておきます。
生地を2枚1セットとし、一方に小さじ1杯分程度のラビオリの具を等間隔にのせていきます(具同士の間隔が狭くなりすぎないよう注意)。もう一方の生地には溶き卵をぬっておきます。
生地を空気を抜きながら重ね合わせ、パイカッター(なければ包丁でも)で具が中央にくるように正方形に切っていきます。
余分は生地は切り落とし、端をフォークで押さえてしっかり閉じます。これでラビオリは完成。 大きさも形も不揃いだけど、それが自家製の味、ってことにしておきましょう。
ここから鍋の準備。温めておいた鍋にごま油を入れます。 イタリアン鍋なのにここはごま油、というのがユニークですね。
輪切りにスライスした玉ねぎ、じゃがいも、キャベツ、ピーマン、トマト、ベーコン、エビ、アサリ、クレソンの順に乗せていく。このへんは元祖イタリアン鍋と同じ感じですね。
沸騰した塩入りの湯で5分ほどゆでたラビオリ、ピザ用チーズをたっぷりと乗せ、フタをして15~20分ほど弱火にかける。チーズが完全に溶けたら完成。
鍋のフタをあけたら、たっぷりのラビオリと、その上にとろけるチーズがお目見え。
チーズ&ラビオリの下には具材がたっぷり。 水は一切入れていませんが、食材からの水分がしみ出して、底には熱々のスープも見えます。
食べた感想:
チーズが絡んだラビオリのなかには、熱々のミートソースが。生パスタだけあって、まるで水餃子みたいなツルンとした食感です。
これだけでも美味しいのに、ラビオリの下でじっくり加熱された具材が、それぞれの味を吸って絶妙な煮込み具合。鍋いっぱい作ったのですが、2人でさくっと完食してしまった。さすが荒岩家定番のレシピ。
幼い息子のために父が作ったイタリアン鍋が、時を経て、今度は息子が家族のために振る舞う料理として登場する。30年にわたって連載が続く作品でしか描けないシーンかも。
毎回のおいしそうなレシピももちろんですが、こういった人の成長や変化もじっくりと描いているのが、クッパパの魅力だなあと思います。
コメント
コメント一覧 (8)
トマトベースのスープにするのもきっとおいしいはず!
魚介を増やしてブイヤベース風にすしてもさらに豪華になりそう。
「おにぎらず」といい、クッパパが元祖的になっているレシピって、ほかにもありそうですね^^
おおー、これは読みごたえある記事ですね、教えていただいてありがとうございます!
読み切り時は荒岩パパのビジュアルが全然違う(とち先生そのまま)とか、知らなかった事実にびっくりです。
美味しんぼも巻を経て人間関係が変化していくけど、クッパパはもっと身近な人たち感があって、余計に感慨深いものがありますね。
えー!サラ○シファンとして、それは見たかったです!>とち先生出演回
そういえば、父の日にはとち先生が「きょうの料理」にも出ていたらしく、それも見逃してしまった…orz
(大好きな後藤アナとの絡みが見たかったのに…)
漫画とレシピ考案、どちらも30年続けるってほんとにすごいことですよね。
ラビオリ、家で作ると「洋風餃子」って感じで、店で食べるのとまた違ったおいしさでした。
機会があったらぜひお試しを~!
クッキングパパ、私もアニメ世代ですw(確か「美味しんぼ」の後番組でしたよね~。当時は料理アニメブームだったのかしら)
動画で再現、ぜひチャレンジされてみてください&楽しみです!
上にパスタが載っているブン、ホールトマト一缶使ってトマトソースを作ってぐつぐつやりたくなるのは蛇足かなぁ?
この水気が多い食材を重ね、上から酒を振っただけで弱火で蒸して煮る調理方法は連載当時は斬新だったでしょうね
今ではあっちこっちで見られるやり方ですが、この辺この漫画の歴史の長さを感じたりもしています
漫画の中での時間の流れには感慨深いものがありますね。
鍋ものは苦手だけれど、食べてみたい~!
漫画技術論 うえやまとち編
http://morningmanga.com/mangalab/03_ueyamatochi/index.html
クッキングパパも長寿漫画になってしまいましたねー
一度N○Kの某働く人のお昼ご飯を覗かせていただく番組に作者のうえやま先生が出演されてたんですが、掲載する予定の料理は一度自分で作って食してみて、美味しかったら載せてるというのを知り、やっぱりプロだなあと感心した記憶があります。
ラビオリ、一度も食べたことないやΣ(ノ´∀`*)
パスタは洋風鍋の〆で食べられることが多いですが、こうやってメインにして食べてもよさそう。
お腹にもたまるし、寒くなった時期には体も温まって満足感が半端ないかもですね☆
クッキングパパアニメ世代です(=゚ω゚)ノ
うちも再現レシピ動画で、やってるので今度是非クッキングパパでやってみようと思います( ´ ▽ ` )ノ
https://www.youtube.com/user/guppykozuchannel