ある程度料理をするようになると、「この時期しか手に入らないもの」がなんと贅沢なことか、とわかるようになりますが、タケノコもそのひとつだなー。とこのレシピを試して実感しました。
小池田マヤ先生の朝食漫画「あさひごはん」に登場する、筍のオリーブオイル焼き丼です。
※【コマ引用】「あさひごはん」(小池田マヤ/リイド社)1巻より
主人公あさひの姉・ゆうひが、イギリスに赴任中の夫・理可のために作ったメニュー。 理可が結婚のあいさつに訪れた際、ゆうひの家でご馳走になり、感激したものだそう。
「筍の食べ方の中ではこれが一番」というセリフのとおり、シンプルな調理法ですが、生タケノコでないとダメ、という素材勝負の一品。ちょうどスーパーにまるごとのタケノコが並ぶ季節なので試してみました。
しかしゆうひもそうだけど、小池田作品のケバくて性格キツい美人キャラは、なんでこう魅力的なのか。このエピソードもかわいさ炸裂です。
作り方:
生タケノコを用意します。ちょっとカゴに盛るだけで、絵になる野菜ですな。 先端を切り落とし、火が通りやすいように&皮をむきやすいように中央に切れ目を入れます。(このへんはネットで調べた下処理方法)
鍋にタケノコと米ぬか、鷹の爪を入れ、かくれるくらいの水を入れて火にかけ、落としぶたをしながら1時間ほどゆでます(ふきこぼれないように注意)。
皮をむき、食べられる部分を取りだしたら縦半分に切り、薄くスライスします。 姫皮の部分も食べられるとはいえ、1時間ゆでてメインの部分はたったこれだけ…と思うとちょっと切ない。
スライスしたタケノコをしょうゆ→オリーブオイルの順番に漬け、オーブンor魚焼きグリルで焼く。
器にご飯とグリルしたタケノコを盛り、最後に手のひらで叩いて香りを出した木の芽をのせて完成。
やわらかくゆでても残る、シャキシャキした食感と、びっくりするほどの香り。
凝った味付けをしなくても、しょうゆとオリーブオイルだけでご飯のおかずとして充分。普段使う水煮タケノコとはまったく別物だと実感。
タケノコは鮮度が第一というけれど、この強烈な香りと下ゆでしてもわずかに残るえぐみは、土から掘り出した命の余韻なのかもしんない。などと思いました。
そういえば実家では初夏にかけて生タケノコのもらい物がやけに多くて、台所では「ザ・タケノコ祭り」といった感じで毎日のように母が大鍋でアク抜きをしていたな。 当時はあのにおいが苦手であまり積極的に食べなかったのだけど、もったいないことをした……。
今度シーズン中に帰省したときは、もっとありがたく食べようと思います。
コメント
コメント一覧 (4)
生でゆでたタケノコを、こんなにシンプルな調理法で食べたのは初めてだったので、その風味に驚きました。
1時間ゆでてもやっぱりエグミは残るんですね~(私の茹で方が悪いだけかもですが^^;)。
でもエグミはタケノコの生命力と思うことにします(断末魔ともいう…?)
きょうスーパーを見たら、売られてる生タケノコが「これ、鍋に入るの…?」というくらい巨大化してて驚きましたw(時期によって収穫時の大きさが違うのかしら…)
「あさひごはん」読まれましたか!
いつもとタッチが違っていてかわいいですよね。
そろそろ家政婦シリーズの新作も読みたいなあ。
缶詰の水煮で作ったら最悪の味だろうなぁ……
仄かなエグミってのはたけのこの風味かな
このたけのこ丼、物凄くシンプルだけど、簡単でしかも洋風のたけのこご飯になってて、普通の炊き込みたけのこご飯に飽きたらこういうのもいいかもですね。
『あさひごはん』以前ここで紹介されてから早速購読してみましたが、いつもの小池田さんの画風にしてはアクが強くないかわいらしい絵柄で、読みやすくて好きです。
家政婦さんシリーズの作風も勿論好きですがw